“BIGBOSS”新庄剛志監督が指揮する日本ハムへの注目度が徐々に低下している。

 昨年の就任決定から新庄監督自ら多くの話題を提供し、開幕前は連日マスコミを賑わせた。監督としての“未知の手腕”にも期待が高まったが、蓋を開けてみると予想以上に負けが込んでいる。新球場移転を控えた札幌ドーム最終年だがスタンドには空席が目立つ状態だ。

 コロナ禍で各球団とも経営に苦しんでいる中、BIGBOSSは球界の救世主になると期待されていた。だが、いかんせんチームの成績が芳しくない。5月12日終了時点で首位から14.5ゲーム差の最下位で、6日には早くも自力優勝の可能性が消滅した。

「シーズンオフの貢献度は過去の監督たちの中でもトップクラスです。就任後、新庄監督の名前を見ない日はなかった。通常なら野球界の話題が少なくなる時期も常に話題の中心にいました。CM、テレビ出演を入れても日本ハム球団の宣伝効果は計り知れません。推定年俸1億円のもとは十二分に取れたはずです」(大手広告代理店関係者)

「昨年は中田翔の暴力事件や、球団公式ツイッターに選手の人種差別発言が入ったとされる動画をアップするなどグラウンド外での問題が多発。オフにはこれまでの中心選手が相次いで放出された。ファンからの風当たりは強く球団イメージは地に落ちましたが、新庄監督の就任で雰囲気が一気に変わりました」(日本ハム担当記者)

 昨年はシーズン中にも関わらず、野球とは関係ないところで話題になってしまった日本ハム。オフも西川遥輝、大田泰示、秋吉亮が“ノンテンダー”という名の実質的な自由契約で放出されたことが物議を醸した。暗いニュースが多い中で、現れたのが新庄監督だった。東京五輪で指揮官として侍ジャパンを金メダルに導いたOBの稲葉篤紀氏(現GM)が新たな監督になると見られていたが、まさかの人事となった。就任後は自らBIGBOSSと名乗り、球界だけでなく日本中の話題を独り占めした。

「話題作りは素晴らしく球団のマイナスイメージを払拭できた。また時間をかけて勝てるチーム作りを公言したことで、周囲も長い目で見守ることが予想された。ところが実戦が始まると行き当たりばったりの采配が目立ちファンも現実を見るようになった。最近では新庄監督を取り上げても視聴率が取れなくなりました」(関東地区テレビキー局スポーツ担当者)

「未来を感じさせない戦いぶりは1年を通じて消化試合を見せられているようなもの。収束気配はありますがコロナ禍も完全に収まっていない状態。本拠地の札幌ドームはファールエリアが広く見にくいというデメリットもあり、よほどの注目カード以外は球場に足を運ぶ人が少なくなるのも理解できます」(日本ハム担当記者)

 今季は“再建”のシーズンとして位置づけられてはいるが、あまりにも負けが込み、未来に期待が持てないとなると話は別。来年オープン予定の新球場の客入りについても心配せざるを得ない状況にもなってくる。

「来年から移転する新球場へ向け盛り上げたい球団側の意向があります。伝わってくる情報からは魅力溢れる日本一のボールパークです。しかし立地する北広島市は札幌市から離れた場所で、実際に開場しないと移動手段や周辺情報が未知数。話題になっている割には年間シートへの注目度も現時点で高くないそうです」(大手広告代理店関係者)

 球場運営を行うファイターズスポーツ&エンターテイメント(FSE)は、新たな本拠地となる「エスコンフィールドHOKKAIDO」のシーズンシートの展示場を札幌グランドホテルの別館1階に設けた。今季のシーズンシート購入者を対象に内覧会を開始したが反応は予想していたより薄いという。

「東京ドーム等に比べれば抑えられているが北海道においては強気の価格設定。チームが強い、将来性があるなど魅力があれば安く感じるはずですが現時点では難しい部分もある。新庄監督も北海道の人間ではなく、いつまでチームにいるかわからない。現役引退後は北海道にもあまり足を運んでいなかったこともある。道民は地元を大事するので不安要素の1つです」(日本ハム担当記者)

 新球場のシーズンシートは全50種類が用意され価格帯は21万2300〜156万2000円と幅広い。多くの選択肢から需要にあった座席を選べるのは嬉しいが、やはりチーム自体に魅力がなければ割高感は拭えない。新庄監督率いる新生ファイターズの“球場に行きたくなるような”戦いぶりに期待したいところなのだが、今のところ苦しいのが実情だ。

「札幌ドームだけでなく、4月下旬に開催された東京ドームでのオリックス3連戦も客入りは芳しくなかった。オフシーズンはBIGBOSSや新球場の話題で盛り上がっても本業の野球に魅力がないと限界があります。新庄監督はチームを立て直せるか、ここからが正念場です」(大手広告代理店関係者)

 日本ハムと同じく、セ・リーグで開幕から最下位に沈む阪神は、客入り自体は上々という珍現象も起きている。だが、これは阪神というチームが関西地区で圧倒的な人気を誇り、甲子園という素晴らしい本拠地があるというのも大きいだろう。日本ハムは北海道に移転してから約20年が経ってはいるが、まだ地元に深く根差した球団ではない。チーム自体に魅力がなければ、常にファンが離れていってしまう危険性もはらむ。今後、BIGBOSS、そしてチームに再び世間の目を向けさせるためには野球で結果を残す必要がある。これから残りのシーズン、新庄監督率いる日本ハムがどんな野球を見せてくれるか注目したい。