丸山茂樹氏は、新リーグに加わったケビン・ナ選手、米PGAツアーで失格になった松山英樹選手について語る。

*  *  *

 サウジアラビア政府から資金提供を受ける新団体「リブゴルフ・インベストメント」が、いよいよ動き始めました。

 6月9日にロンドンのセンチュリオンGCで始まった新リーグの「リブゴルフ・インビテーショナルシリーズ」第1戦には、韓国出身でアメリカ国籍を持つケビン・ナ(38)も参戦しました。彼は試合の数日前、アメリカのPGAツアーから撤退して新リーグでプレーすると、SNSで表明していました。

 ケビンは「自分の思ったところでプレーしたいし、その機会に関するフリーエージェントの権利を有していたい」と主張しています。どんな道を選ぼうが彼の判断なので、それでよかったんじゃないかと思いますね。

 彼は僕と会うといつも「40歳で引退する」って言ってました。「PGAツアーはコースが長くて難しい。自分の技量だと、やっても40までだ。あとはもう通じない。若手が出てくるし」って。

 自分の将来を考えたとき、家族もいるし、安定を選ぶのは当然なのかなと。彼も20代で可能性があったり、「これからだ」っていうときだったら、新リーグに行かなかったと思います。一方で僕も、38歳で声がかかってたら行ってたと思います。どっかでこう、ゆっくりやりたいというか、ゴルフを楽しみたいというのがあるんじゃないかと思いますけどね。

 今年は8試合しかないので、韓国ツアーとか日本のツアーへの参戦に目を向けているというような話もありますね。それはそれでね、ケビンはもちろん、フィル・ミケルソン(51)やダスティン・ジョンソン(37)たちを韓国や日本で見られるとなると、ファンは大喜びじゃないですか?日本の選手にとっては笑えない話ですけど。ヨーロピアンツアーの門はたたけないかもしれませんけど、韓国と日本はおそらく受け入れ態勢があると思いますね。

 海外メジャーのチャンピオンも何人もいます。そういう選手たちがまた胸を張ってPGAツアーに戻ってこられる可能性もあるはずです。

 さて、PGAツアーの「メモリアル・トーナメント」(6月2〜5日、オハイオ州ダブリンのミュアフィールドビレッジGC)ですが、松山英樹(30)は初日の後半のラウンドに入ったところで失格になりました。3番ウッドのフェース面に、白い円形状のペイントを施してプレーしていたのです。

 英樹は試行錯誤の一環で、ドライバーのフェース面にマークをつけたりペイントのようにしたりしてきました。3番ウッドに書いたのは、ここ1年ぐらいのことだと思います。僕はアドレスのときにフェース面の中心がしっかり見えていいなと思ってました。

 今回の場合は塗料が面から盛り上がっちゃってて、スピン量が変わる可能性があるってことで、失格になりました。

 PGAツアーで初勝利を挙げたゴルフ場で最悪の状況になって、英樹は何ともいえない気持ちだったでしょうね。これも勉強です。

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

※週刊朝日  2022年6月24日号