2022年のJ1リーグ戦は先週末に第30節を実施し、11月5日の最終節まで残り4試合(延期試合のあるチームは残り5試合)となった。予想残留ラインが「勝点35以上」という中で、降格危機に直面する下位7チームの残りカードの“有利不利”を検証したい。(以下、カッコ内の「H」はホーム、「A」はアウェイ)

 まずは現在12位の清水(勝点32、得失点差−7)。夏の補強でチーム力をアップさせて急浮上したが、直近3試合は1分2敗で再び降格圏がチラついている。残りは4試合で、磐田(H)、川崎(A)、鹿島(H)、札幌(A)。今季の対戦を振り返ると、磐田(○2−1)、川崎(●0−2)、鹿島(●1−2)、札幌(△1−1)。川崎と鹿島は上位チームとあって分が悪いが、磐田には2月26日の対戦でシュート数は21対8と圧倒した上での2対1の勝利。当時とメンバーは大きく変わることになるが、清水としては開幕当初よりも大きくパワーアップしたチーム状態。次節、10月1日の静岡ダービーで勝利すれば、J1残留の可能性はかなり高くなる。

 13位は神戸(勝点31、得失点差−9)。残りは5試合で、福岡(A)、広島(H)、湘南(H)、川崎(A)、横浜FM(H)。その5チームとの今季対戦は、福岡(△0−0)、広島(△1−1)、湘南(●1−2)、川崎(●0−1)、横浜FM(●0−2)。絶不調だったシーズン序盤の対戦であるが故に白星がないのは納得だが、その対戦成績以上に3位の広島、そしてラスト2試合で2位の川崎、首位の横浜FMと上位3チームとの対戦を残している点は不利だ。横浜FMにはACLで勝利(○3−2)しているとはいえ、気が重いのは事実だろう。その意味でも、直近の2試合(FC東京とG大阪戦)で連勝を飾ったことは非常に大きく、例え上位3チームとの戦いに敗れても、福岡、湘南を相手に1勝1分で乗り切れば、残留ラインの勝点35に到達できる。得失点差のアドバンテージもあり、J1残留へ有利な状況となっている。

 14位は福岡(勝点31、得失点差−10)。残りは4試合で、神戸(H)、札幌(A)、柏(H)、浦和(A)。今季の対戦は、神戸(△0−0)、札幌(△0−0)、柏(●0−1)、浦和(△0−0)。神戸とはルヴァン杯で2戦2勝(○2−1、○1−0)という流れを持ち込みたいところだが、その前の9月21日、25日にルヴァン杯の準決勝・広島戦がスケジューリングされていることは、残留争いの中では不利になる。チームは9月17日の清水戦でリーグ戦9試合ぶりの勝利を挙げたとはいえ、それまでの8試合は2分6敗と危機的状況だった。残りカードは他の残留争い組と比べて難易度的には高くはないが、最終節の浦和との過去のアウェー戦は2016年(●0−2)、2021年(●0−2)と完敗している。現在、順位は14位であるが、次節の神戸戦に敗れると一気に窮地に追い込まれる可能性がある。

 15位は湘南(勝点31、得失点差−13)。残りは5試合で、C大阪(A)、FC東京(A)、神戸(A)、鳥栖(H)、柏(A)。今季の対戦は、C大阪(●0−2)、FC東京(○2−0)、神戸(○2−1)、鳥栖(△1−1)、柏(●0−2)で、ルヴァン杯ではC大阪に2戦2敗(●0−1、●1−4)、FC東京とは1勝1敗(●1−2、○2−1)だった。現在の上位トップ3のチームとの対戦はないが、対戦順に4位、7位、13位、8位、6位と、神戸を除いてひとケタ順位の手強い相手が続く。そして、その5試合中4試合がアウェーゲームであることは、疲労感も含めて不利な部分だ。得失点差は現在、全体のワースト3となる「−13」。勝点が並ぶと厳しくなるだけに、残り5試合で2勝は挙げたいところ。果たしてどうなるか。

 現在プレーオフ決定戦行きの16位となっているのが京都(勝点30、得失点差−7)。残りは5試合で、鳥栖(A)、名古屋(H)、川崎(A)、C大阪(H)、磐田(A)。今季対戦は、鳥栖(○3−1)、名古屋(△1−1)、川崎(○1−0)、C大阪(△1−1)、磐田(●1−4)。ルヴァン杯では、鳥栖と1勝1敗(○2−1、●0−3)、名古屋には2敗(●1−6、●0−1)だった。鳥栖戦と名古屋戦の間のミッドウィークに天皇杯準決勝・広島戦が組まれている点と川崎戦を残しているのは不利だが、最終節で対戦する磐田は「降格決定後の試合」となる可能性が高く、そうなればモチベーション的には非常に有利。J1残留のためには残り5試合で2勝したいところで「磐田戦で1勝」と考えると、それまでの4試合で1勝以上を挙げるのは、それほど難しくないはず。順位的には土俵際に追い込まれてはいるが、まだ精神的には余裕ある。

 自動降格圏の17位はG大阪(勝点29、得失点差−15)だ。神戸の関西ダービーに敗れ、再び自動降格圏に順位を落とした状態で、残り4試合となった。その対戦相手は、柏(H)、横浜FM(A)、磐田(H)、鹿島(A)で、今季対戦は、柏(○1−0)、横浜FM(●1−2)、磐田(△1−1)、鹿島(●1−3)。磐田こそ最下位のチームだが、残り3チームは上位トップ6に入るチームであり、横浜FMは優勝へ向けて全開モード。最終節の鹿島とはルヴァン杯(●1−4、●1−3)、天皇杯(●0−2)も含めると今季4戦全敗。昨季も2戦2敗(●0−1、●1−3)で2017年以降の公式戦通算1勝4分9敗の相手だ。残留のためには残り4試合の中で最低2勝は必要だが、磐田との直接対決での勝利以外に上位3チームを倒すことができるかどうか。残留圏との勝点差は少ないが、残りカードを考えると「不利」が多く、得失点差で劣っていることを考えても非常に厳しい状況に追い込まれている。

 最下位18位の磐田(勝点24、得失点差−24)は、さらに崖っぷちだ。6試合白星なしという状況で、残りは5試合。相手は清水(A)、鹿島(H)、横浜FM(A)、G大阪(A)、京都(H)。今季対戦を振り返ると、清水(●1−2)、鹿島(●1−3)、横浜FM(●0−2)、G大阪(△1−1)、京都(○4−1)。鹿島にはシュート数7対20、横浜FMにはボール支配率39%対61%と内容的にも圧倒されており、唯一勝利している京都戦は前半終了間際に相手GKが一発退場となって数的優位の状態で勝った試合だった。残留予想ラインの勝点35到達のためには、残り5試合を3勝2分、もしくは4勝1敗が条件。次節の静岡ダービーで勝点3を手にしなければ、G大阪、京都との「6ポイントマッチ」に臨む前に“終戦”となる可能性が高くなる。

 泣いても笑っても、残り1カ月余り。チーム毎に「有利」と「不利」はあるが、12位の清水から17位のG大阪までは、わずか勝点差「2」であり、1試合の結果で一気に順位が入れ替わる。史上稀に見る大混戦となっている2022年のJ1残留争いの結末は、まだ誰も知らない。(文・三和直樹)