20日に開幕したサッカーW杯カタール大会。日本代表は23日に行われた初戦の強豪ドイツ戦(2対1)で大金星を挙げ、グループリーグ突破へ向け素晴らしいスタートを切った。

 チームとしての躍進が今後も期待されるが、4年に1度の祭典は選手にとっては自らを売り込む見本市でもある。

 海外組選手たちはさらなるビッグクラブへのステップアップを目指しているが、中でも注目を浴びているのは久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)と、三笘薫(ブライトン/英・プレミア)だ。

「久保はフィジカルが強くなりプレーの選択肢が増えた。相手のチェックにも当たり負けしないで、高い技術をさらに生かせるようになった。どのポジションにでも適応できるのも良い。左サイドでは相手選手と競りながらでも試合を作る。右サイドからはカットインして様々なシュートを放つ。中央では想像力豊かにボールを供給する。多くの起用方法ができるのが魅力」(欧州在住サッカーライター)

 久保は初戦のドイツ戦では先発したものの、思うようなパフォーマンスを見せることができなかったが、次戦以降の活躍に期待したい。

 一方、久保が苦戦したドイツ戦で途中出場し、存在感を示して評価を上げたのが三笘だ。

「三笘のドリブルは世界レベルに届きつつある。ボールを持った時のバランスが良く、相手選手が取れない位置で操る。視野が広く一瞬のうちにコースを選択できる。また独特のリズムがあり、細かいタッチで自らコースを作り出すことも可能だ。少ないタッチでボールを回すサッカーが主流の中、アクセントをつけられる存在としても貴重」(欧州在住サッカーライター)

 久保、三笘など近年は代表選手の多くが海外でプレーしているが、Jリーグでプレーする選手たちも注目されているのは同様だ。

「海外組が多い攻撃陣に入り込んだ町野修斗(湘南)への評価も意外と高い。ハマった際の爆発力は素晴らしく、森保一監督もそこに期待しているはず。ケガをしたDF中山雄太の代わりがFWなのに国内は驚きに包まれた。しかし町野の名前は海外では意外と知られており、サプライズ扱いはされていない」(国内サッカー雑誌編集者)

「7月のE−1サッカー選手権では3ゴールで得点王に輝いた。初代表で結果を出すメンタルの強さと運を持っている。J3・北九州でのプレー経験がありハングリー精神があるのも良い。前線で走り回るスタミナ、守備にも手を抜かない献身性など、泥臭いプレースタイルは岡崎慎司を思わせる」(サッカーエージェント会社関係者)

 サッカーが浸透し、技術的な部分は年々向上している日本の選手だが、最後は気持ちが勝負を分ける時も多い。今回のカタール大会で出番があるかは微妙なところだが、“勝負強さ”があるのが町野の魅力。今後の戦い次第では救世主になる可能性もあるはずだ。

 町野以外でも国内組でステップアップを果たすべく、活躍が期待される選手もいる。

「日本人のサイドの選手への評価と期待値は変わらず高い。(今回も代表に選ばれている)長友佑都、内田篤人の大活躍の印象も残っている。DF山根視来(川崎)も注目される一人だ。またMF・FW相馬勇紀(名古屋)はサイド起用時の(攻撃面だけではなく)守備について聞かれることもある」(サッカーエージェント会社関係者)

「国内組ではDF谷口彰悟(川崎)の堅実性に対する評価も高い。欧州サッカー関係者は海外、国内組問わず、日本人選手のレベルの高さを知っている。今大会では日本代表が躍進する可能性も感じている。もちろん長友のことも覚えていて、いまだに走り回っていることを喜んでいる(笑)」(欧州在住サッカーライター)

 日本代表のほとんどを海外組が占めるようになったが、国内組も負けてはいない。各選手ともにアピールし、海外組はさらなるビッグクラブへのステップアップ、国内組は海外クラブへの移籍を視野にアピールしたいところだ。日本代表チームの躍進はもちろん、選手たちのキャリアに今回のW杯がどういう意味を持つのかに注目したい。