もうすぐ夏休み。どう過ごすか決まっていなくて、まだ頭を悩ませている人もいるだろう。元カシオペアのメンバーで鉄道音楽家として活躍する向谷実さんに、鉄道で安く楽しい旅をするコツを聞いてみた。

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 3連休が始まりました。またこの夏、どこかに旅に出ようと考えている人もいるのではないでしょうか。僕もこの連休中、「三連休東日本・函館パス」(JR東日本・JR北海道)を使ってどこかに旅に出たいと考えているところです。これは1万4050円(大人)で3日間JR東日本の路線とJR北海道の函館周辺の路線が乗り放題になるというもので、別に特急券を買えば新幹線や特急にも乗ることができます。長い距離を移動する人にとってはお得な切符と言えるでしょう。



 オススメの鉄道旅行の方法を教えてほしい、と聞かれることがよくあります。最近JR九州の「ななつ星」、JR西日本の「瑞風(みずかぜ)」、JR東日本の「四季島(しきしま)」など、豪華観光列車がメディアで取り上げられ、お金がないと鉄道で旅はできないというイメージが先行しているのかもしれません。僕はそれらが世界の観光列車と比べて高額だとは思いませんが、お金をあまりかけずに観光列車で鉄道の旅を楽しむことだってできるんです。

 僕のオススメは、「快速」という種別になっている観光列車です。こうした種類のものは、特急券が不要で、指定席を取っても520円しかかかりません(時期や路線によって例外あり)。例えばJR東日本五能線の観光列車「リゾートしらかみ」はオススメです。これは青森駅や弘前駅と秋田駅の間を日本海側にぐるっと大回りするような形で走る列車なのですが、車内で津軽三味線の演奏会があったり、名勝地の案内をしてくれたりします。

 ほかにもJR東日本のものでは、磐越西線の郡山駅と会津若松駅の間を走る「フルーティアふくしま」、長野駅と十日町駅の間の飯山線内を主に走る観光列車「おいこっと」、上越線の高崎駅と水上駅の間を走る「SLみなかみ」などがあります。「SLみなかみ」はその名の通り蒸気機関車が走るのですが、これも520円で乗れてしまいます。こうしたものはフリーきっぷをはじめとしたお得な切符と組み合わせられるので、併用することで安く観光列車に乗ることが出来ます。これら以外にも、「快速」とついているものでしたら全てオススメです。

 ただし、こうした列車の多くは運行日が限られており、毎日走っているわけではありません。一番無難な探し方は、時刻表でしょうか。持ち運び用の小型のものではなく、大型の最新の時刻表を買うと、巻頭にその季節限定の特別な列車の情報がどっと載っているんです。これを見れば、全国いつどこでどんな観光列車が走っているか一目で知ることができます。

 もちろん、インターネットを使って調べるのも王道です。例えばJR系の旅をするのでしたら、各JRのホームページ、さらに支社単位のホームページにもアクセスしていろいろ探すと、特殊なダイヤを組んだ列車の情報を知ることもできます。こうした列車の中にはまだあまり知られていないものもあり、魅力的に思えるものが、直前でも意外と切符が取れてしまうこともあります。

 ほかにも、例えばJR東日本だと「びゅうプラザ」があるように、各JRには旅行代理店があるのですが、こうした旅行代理店を通じた旅行パックを使うのも手です。宿と切符がセットになっていることで、旅行先までの新幹線代が割り引かれています。こうしたものには会員向けのものもあるのですが、会員ではない一般の方でも申し込めるものもあるので狙い目と言えます。

 お金をあまりかけずに鉄道で旅を楽しむ方法はこれ以外にもいくらでもあります。今ではスマホやパソコンなどを駆使して、こうした情報を探すところから、鉄道の「旅」が始まっているのではないでしょうか。自分で調べ上げた旅は、世界であなたにしかない個性的な旅になるはずです。こうしたカスタマイズを自在にできるのも、鉄道旅行の醍醐味の一つでしょう。