嵐のメンバー二宮和也さんのYouTubeチャンネル「ジャにのちゃんねる」が話題になっています。登録者数は200万人を超え、動画1本あたりの再生回数も、200万〜600万回前後とものすごいパワーを持ったチャンネルです。今回は、「ジャにのちゃんねる」の独創性について考えたいと思います。

「ジャにのちゃんねる」で特筆すべき点は、嵐の二宮和也さんを中心に、KAT−TUNの中丸雄一さん、Sexy Zoneの菊池風磨さん、Hey!Say!JUMPの山田涼介さんの4人のメンバーで構成されていることです。グループの枠を超えた演者の構成自体は、珍しいことではありません。元ジャニーズ事務所の赤西仁さんと錦戸亮さんの「NO GOOD TV」もありますし、同チャンネルでは小栗旬さんや山田孝之さんなどのゲストを迎えた動画もあり、人気俳優を起用した共演は大変話題になりました。手越祐也さんも、宮迫さんやHYDEさんなど多くの有名人の方々とジャンルを超えてコラボしています。

 では、「ジャニのちゃんねる」と「NO GOOD TV」「手越祐也チャンネル」の違いは何でしょうか。それは演者の年齢です。嵐の二宮和也さんとKAT−TUNの中丸雄一さんは、共に37歳の男性です。世間的には”おじさん”と呼ばれる年齢の男性です。Sexy Zoneの菊池風磨さんは26歳、Hey!Say!JUMPの山田涼介さんは27歳です。他の2人とは10歳の年齢差があります。これが、「ジャにのちゃんねる」の特徴であり、強みです。

 37歳と26〜27歳の男性というのは、YouTuberとしては年齢が結構上の方になります。10代や20代の演者が多いYouTubeにおいて、「25歳」「30歳」の壁というものが存在し、この年齢になると視聴者の年齢層とズレてしまう現象が起こります。若くもなく、おじさんでもないという中途半端な年齢なのです。この年齢になると、女性の若年層のファンが「仮想の恋人」として演者をみることが少なくなります。知名度があるにもかかわらず伸びないチャンネルを運営している人は、25〜30歳で異性向けの運営をしていることが多いように思います。

「ジャにのちゃんねる」における、二宮さんと中丸さんのテンションは、語弊があるかもしれませんが、まさに「おじさん」です。ゆっくりしたテンポ、高すぎないテンション、陰キャ属性と呼ばれるやや暗い雰囲気も、今の時代とマッチしています。従来のYouTuberや若いYouTuberのような変に高いテンションや話し方ではなく、淡々としています。この雰囲気が、「おじさん」の層とマッチします。さらに、山田さんや菊池さんが華を添えています。それも20代半ばの方々なので、10代の子たちのようにキラキラしすぎることがない、ちょうど良い華です。この役割のバランスはとても良いと思います。いい意味で、「YouTuberっぽくない」チャンネルになっています。

 さらに、「ジャニーズっぽくない」という点も面白いです。ジャニーズといえば、若くて元気に歌ったり踊るキラキラした男の子たちのイメージですが、チャンネル内での彼らは異なります。ある意味で、素の「ジャニーズの方々」を見ているような安心感があります。芸能人の方のチャンネルは「カッコつける」動画が多いのですが、YouTubeではカッコつけないチャンネルの方がウケる傾向にあります。この点、「ジャにのちゃんねる」のゆるい雰囲気は、ある種の深夜番組やラジオにも似ています。この雰囲気も、ヒットの理由だと思います。さらに言えば、彼らは4人とも芸歴が非常に長い方々です。芸能界で10年や20年以上のキャリアを持っているので、演者として自分が与えられた役割やチャンネルのコンセプトを良く理解して行動できる、素晴らしいプロフェッショナルでもあります。この点において、YouTuberや素人とは一線を画す存在であることは明らかです。それぞれの演者に備わっている素地も、チャンネルの強みです。

 演者の年齢層と、年齢にあったテンションであること、異性向けではない構成と、カッコつけすぎない雰囲気、演者の素地、すべてのバランスが素晴らしいチャンネルは、芸能人の中でも非常に珍しく、とても稀有な成功例だと思います。