新型コロナの影響で変化したことの一つに、SNSの使い方があるだろう。家にいる時間が増えたことで、あらゆる年代でSNSに触れる時間が長くなり、InstagramやTwitterで発信する人も増えた。しかし、実際にSNSを始めてもフォロワーが伸びなくて続かない、という人も多い。そこで『パソコンも持ってなかった私がTwitterで年商1億円稼ぐ理由。』の著者で、ツイートにより多くの商品をバズらせた「バズの女王」こと、あいめこさんに、最近のTwitter事情や上手な使い方を聞いてみた。

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――あいめこさんは現在、SNSの運用代行や企画マーケティングを主な業務とする会社の社長をされています。創業から約1年で年商1億円とはめざましい成長ですね。

 ありがとうございます。SNSの代行も、もともと知り合いから頼まれて始めたものです。前例がない仕事でしたので、最初は本当に手探りでやっていました。ただ、需要があったのは確実で、依頼はどんどん増えていき、それに合わせるように仕組みを必死で作ってきました。今、働いているのは子育て中の女性、シングルマザーなど外で働くことが難しい人たちがメインで、在宅でやってもらっています。時間と場所にとらわれないので、地方に住んでいる方も多いです。そのような方たちとwin−winの雇用関係を作ることができたのも伸びた理由だと思っていますし、私がこの仕事をやる上でのやりがいでもあります。

――今回、『パソコンも持ってなかった私がTwitterで年商1億円稼ぐ理由。』を書いた理由は?

 これは、単にTwitterを使って稼ぐためのノウハウだけでなく、私自身がどうやってTwitterをはじめとするS N Sに触れてきたかを語っています。Twitterを始めると、どうしても「いいね」の数に一喜一憂したり、フォロワー数を伸ばすことに必死になってしまったりすることもあるのですが、まずは「SNSを楽しんで」というのがいちばん言いたかったことです。私自身、高校生のころからTwitterをやっていて、Twitterで友達ができたり、仕事をもらったり、新しいビジネスを立ち上げたりしてきました。Twitterはお金を稼ぐ手段というよりも、人と人を結びつけ、新しい世界を広げるものだと感じています。

――最近、Twitterをやっている人のなかからアルゴリズムが変化したという声を聞くのですが、これはどういうことでしょうか?

 Twitterを利用している人の大半は、流れてくるタイムラインを見ていると思いますが、そもそもこのタイムラインは基本的に自分がフォローしている人のツイートが流れてきます。また、自分がフォローしている人が第三者のツイートをリツイートしたり「いいね」をしたりすると、そのアカウントが流れてくることもあるので、自分が知らない人のツイートが流れてくることもあります。このようにタイムラインに流れてくるツイートはかなりまちまちなのですが、実はAIによって操作されています。「せっかくツイートしても最近さっぱり反応がない」という人は、このタイムライン上に表示されづらくなっている可能性があります。また、「あれ? 最近流れてくるツイートが違うぞ」と違和感を覚えている人が多いようですが、これもAIによって操作されているためです。

 私が感じている変化は

・趣味嗜好からAIが検知してくれるおすすめツイートの量が増えた
・「〇〇さんがいいねしました」というツイートが上がりやすくなった
・以前はよく表示されていたアカウントのなかに、上がらなくなったものがある
・フォローしている人のリプライがタイムラインによく上がる

 というところでしょうか。これはあくまで私自身の肌感覚で数字では分析できませんが、私は日中10分に1回Twitterを見ているので、意外とあてになるかなと。

――どうしてこのような変化が起こっているのでしょうか?

 そもそもこのような変化の裏側には、プラットフォーム側の「アカウントを活発に動かしてくれる人を優遇したい」という意向があるからだと考えます。アカウントを活発にする人を優遇することにより、広告主も増え、プラットフォーム側の広告収入も上がる、という考えがあるのかもしれません。

 使うほうの立場から考えると、一方的につぶやくだけでなく、「いいね」やリツイート、リプライなどを増やして、コミュニケーションを増やしていくと、タイムラインに流れやすくなると思います。

――なるほど。しかしTwitterで交流をしていくのは、上級者向けのような感じもしますが。

 確かに初心者にとってはハードルが高いかもしれませんね。ちょっとTwitterの歴史を振り返ってみると、そもそもTwitterのサービスがアメリカで始まったのは2006年。日本では2011年の東日本大震災のときに情報の収集や発信で広く利用され、影響力が拡大しました。国内の約4500万人が利用しているといわれていて、もはやかなり成熟したプラットフォームなんです。YouTubeなど他のプラットフォームでもそうですが、利用者数が増えて成熟してくると、初心者より上級者を優遇する傾向になってくるので、Twitterもそうなったといえるのかもしれません。

 初心者に不利な変化って改悪では?と思われる方もいるかもしれませんが、私はそうは思っていません。むしろ、やっと「本当に楽しんでいる人が勝ちの時代になってきた」と思っています。
 
――というと?
 
 Twitterは他のSNSと比べて拡散力が強いので、一方的な発信をする宣伝ツールとして使っていた方も多いと思うのです。しかし、コミュニケーション重視の方向になれば、アカウントをアクティブに動かし一方通行の発信ではなく双方向のコミュニケーションをすることしか勝つ方法はありません。私の本にも書きましたが、そもそもSNSの本質は人との関わりをつくることにあると思うのです。つまり、SNSを楽しんで、いろいろな人と交流をはかり、コミュニケーションをとることです。元からそれをやってきている人は強いですし、そうやってコミュニケーションをしっかりとっている人のアカウントは信頼感もついていきます。これこそプラットフォームのアルゴリズムに依存しない戦い方だと思っています。

――今、若い人の間ではTikTokが人気ですが、これからまた新しいS N Sが出てくると思いますか?
 
 それはもちろんあると思います。基本、SNSを支える文化やブームは10代に支えられています。実際、10代からすれば、中年層がインスタを使いこなす姿に「なんかダサい」と感じている……という話はよく聞きます。市場に新しいSNSが登場すると、まずは若者が飛びつき、新規ユーザーを囲うために、最初は彼らが楽しめるようなゆるめのアルゴリズムが採用される。そしてだんだんプラットフォームとして成熟してくると、アルゴリズムが難しくなる。どんなプラットフォームもこの繰り返しです。「SNSは嫌い!面倒!」と思う方もいると思いますが、ビジネスにおいてSNSは捨てられない大事な要素です。求められる形で使い、そしてこれからの文化を作るZ世代や10代は次にどんな動きをするのか、を追い続けましょう。

○あいめこ/本名:上村志津瑠(かみむら・しづる)。1992年、滋賀県生まれ、現在も滋賀県在住。時代を敏感に捉え、数々の商品をバズらせて店頭からなくならせる。World Creator Awards2021受賞。2児のシングルマザー。Twitterアカウント「時代と寝る女 あいめこ」のフォロワーは約2万人。https://twitter.com/zidaitoneruonna/

(構成/江口祐子)