人間がよりよく生きるために、いまロボットはますます不可欠な存在になっている。急速に進化するロボット開発の最前線をさぐってみよう。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、ITジャーナリスト・神崎洋治さん監修の解説を紹介しよう。



■体だけでなく頭脳も大きく進化

 今年7月末、ロボットによるサッカーの国際大会「ロボカップ」が名古屋市で行われ、約40カ国から3千人が競技に参加、10万人の観客が訪れたよ。この大会は、ロボットや人工知能(AI)の研究に関わる専門家が「2050年までに、人間に勝つロボットのサッカーチームをつくる」という構想のもとにスタートし、毎年世界各地で開催され、今年で20年を迎えた。

 ロボットは人間が操縦して動かすのではなく、各チームの人工知能が状況を判断してシュートやパス回しをし、ロボット同士がなるべくぶつからないように動いたり、戦術を立てたりする。こんなふうに「体」だけでなく「頭脳」も大きく進化している。

■産業や暮らしに役立つロボットを

 ロボカップの本当の狙いは、サッカーをするロボットを開発し、それによって生み出された技術を、産業や暮らしに生かすことにある。

 いま多くの企業や大学が、ロボット開発に力を入れている。競技を通じて生まれた新しいロボットの技術を、私たちの暮らしに役立つように実用化することによって、ロボットはより身近で欠かせない存在になっていくよ。

■1人1台ロボット時代!? ロボットが生活の一部に

<ロボホン>
 昨年、シャープが発売したロボット型携帯電話。通話やメールはもちろん、歌やダンス、写真撮影、プロジェクター投影など、さまざまな機能付き

<宅配ロボットが走行スタート>
 人手不足が問題になっている業界では、いち早く「物流支援ロボット」が登場。配達員不足の解消や、高齢者の買い物の補助などに役立ちそうだね。

 宅配ずしチェーン「銀のさら」は、一部の私有地の歩道を自動走行するロボット CarriRo Deliveryの実証実験を開始。運ばれたすしはスマートフォンで扉のロックを解除して取り出す

ヤマト運輸とIT会社のDeNAが一部地域でテスト走行中の「ロボネコヤマト」は、宅配ボックス付きの自動運転車(現在は有人)。利用者は希望の時間と場所で荷物を受け取れる

■ロボットと人工知能は何が違うの?

「ロボット」という言葉の語源は、チェコの作家カレル・チャペックが、未来を描いた作品(1920年)で初めて使用した「強制的な労働」を意味する「robota」だといわれている。その後も、ロボットは「人間の代わりに働く役立つ機械」という意味合いで使われている。

「人工知能」は英語でArtificial Intelligence(AI)といい、人工的につくられた、人間が持つような知能のこと。ロボットの身体ではなく、ロボットを動かすプログラムに当たる。

【メモ】
経済産業省のロボット政策研究会はロボットを、センサーなどで感じ取り、自分で動くことができる機械と定義していますが、これに当てはまらないロボットもたくさんあります。

※月刊ジュニアエラ 2017年10月号より