3日に投票が行われたアメリカ大統領選挙。そこから毎日報じられる日本のメディア大統領選の扱い方見て、お笑い芸人・カンニング竹山さんはウンザリしながらもいろいろと考えたところがあるという。



*  *  *
 アメリカ大統領選挙の投票日以降、この1週間はほとんど大統領選の話題だけですよね。これだけ話題として取り上げられても、アメリカと日本の政治の違いもあるし、国の違いもあるから、日本の感覚では置き換えられないと思うんですよ。もちろん、大統領制というのと議員内閣制という違いもあるし。アメリカって改めて思うと、州は、ひとつひとつの国みたいで、それが集まったもの。連邦じゃないですか。それがあからさまになったというか、ちゃんとわかった。元々わかってはいたけどまざまざと見せつけられたというか。アメリカは州なんだなということは、ものすごくよくわかりましたよね。

 トランプかバイデンかって騒いでいたのも日本のメディアって、ずっとトランプが悪者扱いだったじゃないですか。前の選挙のときからずっと。でも、日本では悪者扱いされているトランプに今回あれだけの票が入っているということは、バイデンが過半数を超えて勝利宣言をしていますけど、トランプの獲得した票も過去最高なわけですよね。

 このことだけを見ていても、日本のメディアは報道の仕方をもっとちゃんと考えて踏み込んでやらないと、アメリカの真実が伝わっていない感じがしたんですよ。日本のメディアは、バイデン派とは言わずともトランプけしからんという人たちをたくさん起用する。トランプけしからんという報道の仕方は、いかにも日本らしいというか、仮面ライダー理論でもウルトラマン理論でもいいけど、敵がいてそして正義があるみたいな方法。果たして、このアメリカの大統領選挙を本当に知るというのであれば、それでよかったのかなとすごく思ったんですよね。トランプ派だバイデン派だというのは一旦どけておいても。

 トランプ叩きとか、分断しているというのは日本のメディアでも伝わってくるんだけど、じゃあ、なんであれだけトランプに票が入っているんだとか、トランプをこれまで支持している人たちはどうして支持しているのか? あくまでも極端な話ですよ、我々から見ると悪者のトランプの支持者は右翼思想の過激派みたいな印象すらある。でも、そういう極端な人たちだけが支持しているわけでなく、ごく一般の人たちもいる。支持されているということはいろいろな考えの人が集まった結果。バイデンに投票した人の中にもトランプ以外の人だったら誰でもいいという層もいる。あと、バイデンの副大統領に期待している意見の人もいる。そのあたりのことがコロナ禍ということもあり、なかなか取材もできていないのかもしれないけど、アメリカのメディアではどのように報道されているのか知りたいなと思った。

 トランプとバイデンのどちらが大統領になったほうが日本には有益かという報道になりがちなんだけど、それをどこも報道していない。なんでやらなかったかというと、どちらが有益かということは誰もわからないからだと思うんですよ。メディアもそうだし、専門家の人たちもそうで、どっちが大統領になってもわからないというのが答えだからそこに踏み込まなかったのかなと思った。

 ある専門家と番組で一緒になったときに「日本にとってはトランプが大統領になったほうがいいですよね?」って聞いたら、「いや、わからないよ」と言われた。それは、2期目になるとやり方を変えてくる可能性があるから。だから一概にどちらが大統領になった方がいいかということは言えないと話していました。それを聞いたときに、日本のメディアはそこに踏み込めない事情があるんだなと思った。どちらが有益かということを取り上げたメディアもあったけど、やっても答えは出ない。裏を返せば、それだけ情報を持っていないということ。現地のメディアから吸い上げた情報を見ながら、現地の特派員の情報をまとめるしかできないから、踏み込んだ話ができなかったのかなとも思った。それは、日本のメディアの粗が出たような気がして。

 ワイドショーでも我々タレントみたいなのが、トランプだバイデンだ、どっちが勝ったとかわぁーわぁー騒いでいる報じ方を批判する人もいるんですけど、でも、選挙ってこういうことじゃない? 日本の選挙もこうなっていかないといけないんじゃない? とも思ったんですよ。報道でインテリ層だけが、どちらが勝っただの負けただの話すのではなくて、タレントたちも表で「俺、自民!」とか「立憲、勝つぞ!」とかもっと言えるようになると選挙戦は面白くなる。アメリカ大統領選ってアメリカ国内ではそんな感じでやっているわけだから、そういうやりかたも日本でもアリなのではと個人的には考えた。

 アメリカと日本では政治の成り立ちが違うにしても、これから日本の選挙では出口調査を一切止めてはどうか? それによって、テレビを見ながらどっちが勝っただの負けただのとなって、すぐに選挙結果は出ない。日本は、選挙特番が始まると同時に選挙結果が出てしまうじゃないですか。午後8時に投票が終わって開票します、そこからどっちだどっちだとなったほうが、結果、次の選挙の投票率が上がるんじゃないかと思うんです。テレビの選挙特番もやっているけど、もっと有権者の国民と距離が縮まるようにタレントが勝っただの負けただの言い合うようなことをすると、今後の投票率は上がるのではないか。

 今回アメリカの大統領選挙を見て分断していることは心配ですけど、日本の選挙の報じ方のことを考えましたよね。選挙や政治に関心を持たせるという意味でもね。日本のメディアで毎日どの番組でもずっとアメリカ大統領選を取り上げていて、よくよく考えると、コレなんなんだ? ってところもある(笑)。世界のリーダーだし日本人も気になるけど、なんでアメリカのことでこれだけ日本で毎日騒いでんだろう……。

■カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在は全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ。竹山報道局は、ネットでCAMPFIRE を検索→CAMPFIREページ内でカンニング竹山を検索→カンニング竹山オンラインサロン限定番組竹山報道局から会員登録