対象者の8割以上が新型コロナウイルスのワクチン接種を終えたイスラエル。イスラエル在住フリーアナウンサーの新田朝子さんが現地の様子を明かす。


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 去年7月から家族の転勤でイスラエルに一時滞在しています。当時のイスラエルは感染者数も増えていて、ロックダウンが検討されている状態。外出時のマスク着用が義務化され、マスクなしだと罰金約6千円。マスクを下げて歩けば注意されます。鼻だけ出していて街の人に指摘されたこともありました。初めての海外生活でしたが、それはつらいものでした。

 9月になるとロックダウンが実施されて店も閉まり、ほとんど外出できない生活を1カ月ほど体験しました。12月からの2回目のロックダウンは1カ月半。イスラエル到着直後の2週間の隔離と合わせると、イスラエル生活の半分近くの時間、ずっと遊びにも行けず、家に閉じこもりきりで、精神的にきついものがありましたね。

 ワクチン接種は12月から。2月にはイスラエル国籍のない外国人にも順番が回ってきました。当初私は副反応などの心配をしていたのですが、周りの人たちが次々と接種を終えた様子を見て、私にも早く順番が回ってこないかなと思うようになっていきました。

 2月9日に1回目の接種、2回目は3月2日。接種は非常にスムーズでした。既往歴などを問う簡単な問診票に記入をしただけで接種を受け、幸い副反応も最低限で注射痕が痛い程度でした。

 現在、イスラエルでは接種対象者の8割以上がワクチン接種を終え、屋外でのマスク着用義務が解除され、人々はマスクなし生活の喜びを感じている様子。最近は気温が30度を超える日もあり、マスクなしのありがたさを余計に痛感しています。私たち家族もようやく日常の生活を取り戻しつつあり、海外生活をやっと楽しみ始めています。

 それでも、日常が戻ってきたのは必ずしもワクチン接種が進んだおかげとは言い切れないので、ワクチン接種をしたとはいえ正直なところ不安はゼロではありません。

(構成/本誌・鈴木裕也)

※週刊朝日  2021年5月7−14日合併号