6月12日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「ロシアの日」の演説で、ウクライナ侵攻をめぐる発言が注目されたが、直接の言及はなかった。大きな動きが期待される「節目」はいつなのか。AERA 2022年6月27日号の記事から紹介する。

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 今年、「ロシアの日」が特に注目されたのは、プーチン氏がウクライナでの戦争を巡ってなんらかの宣言をする「節目」になるのではないかという臆測からだった。

 その前には5月9日の対独戦勝記念日に注目が集まったが、いずれも大きな動きがないまま終わった。

 では、次の「節目」はいつになるのだろうか。候補となるのは独ソ戦が始まった6月22日や、プーチン氏自身が設けた新しい祝日「民族統一の日」(11月4日)などだろうか。

 しかし、ピョートル大帝の再来を気取って領土拡張に突き進むプーチン氏は、もはやそうした短い時間軸で物事を考えていないのではないだろうか。なにしろピョートル大帝が戦った大北方戦争は、21年の長きにわたったのだ。

 ただ、プーチン氏が避けたくても避けられない「節目」も、いずれやってくる。

 それは、2024年5月7日。現在大統領4期目を務めるプーチン氏の任期が終わる日だ。

 プーチン氏は一昨年、自らが5期目を目指して立候補することを可能とする憲法改正を実現した。仮に体調が悪化しても、生きて意識がある限り、また立候補して大統領の座にしがみつこうとするだろう。

 世間では、プーチン氏の後継者候補も取りざたされている。しかし、自身に忠誠を誓う者を後釜に据えて院政を敷いても、ひとたび権力を手放せば、いつ完全失脚に追い込まれるか分からない。

 もしも今後、政権内で反乱の動きがあったり、国内で反政権の声が強まったりしても、プーチン氏はむしろ戒厳令を導入して、大統領選挙を無期延期する道を選ぶのではないだろうか。(朝日新聞論説委員[元モスクワ支局長]・駒木明義)

※AERA 2022年6月27日号より抜粋