「去年のような被害はもうこりごり」—。台風5号の接近に伴い、青森県南地方では8日、野菜や果物の生産者が早朝から畑で強風や大雨の対策に追われた。昨年の台風10号で大きな被害を受けた産地もあるため、「勢力が弱まってくれればいいが」と心配の様子。収穫や肥大の時期を迎えた作物もあり、祈るような気持ちで台風の動きを注視している。 ナガイモは昨年の台風10号で、翌年に植え付ける種イモが甚大な被害を受けた。今年は、例年なら捨てている極小の種イモを植えてしのいだ生産者も多く、ただでさえ収量や品質への影響が懸念されている。 東北町蛯沢地区の向井光男さん(67)は、昨年の教訓を踏まえ、畑の通路を深く掘る排水対策を実施。強風で支柱が倒れないよう、ワイヤを補強する作業にも当たった。それでも「(ナガイモは)今がまさに成長期。雨による湿気で葉の病気が出ないかも心配だ」と危機感を強める。 収穫期を迎えているネギ。昨年は葉折れや倒伏が相次いだ。十和田市深持の中野渡教仁さん(45)はこの日、倒伏や雨水被害を防ぐため、根元に土を寄せて高くする作業に汗を流した。「6日から収穫を始めたばかり。昨年のような被害が出ないといいが」と、不安げな表情を浮かべた。 「野辺地葉つきこかぶ」を生産する野辺地町の有戸地区。昨年は畑が浸水し、収穫間近のコカブのほとんどが腐敗する被害に見舞われた。畑を見回っていた瀬川功さん(70)は「まだ芽が出たばかり。対策をしたいが個人ではどうしようもない」と、台風の接近を感じさせる雨雲を心配そうに見上げていた。 八戸市是川でリンゴを生産する岩舘岳さん(26)は「強風で果実同士がこすれたり、枝にぶつかったりすると傷が付いてしまう。昨年の台風では倒れた木もあった。とにかく無事で通過することを祈るしかない」。 一方、各農協も対策を呼び掛けた。おいらせ農協(本店・三沢市)は同日、市内で栽培の現地検討会を開き、つるを巻き付ける支柱の補強の他、冠水した際の排水や穴落ち部分の補修といった対応を指導。十和田おいらせ農協(本店・十和田市)も3日から、排水対策を呼び掛けている。