八戸市の種差海岸に生息する特定外来種植物オオハンゴンソウの駆除活動が成果を上げている。地元の自然保護団体の取り組みにボランティア活動も加わり、市教委社会教育課によると、2007年夏から現在までの駆除本数は約45万本に達した。オオハンゴンソウが一本も見られなくなった区域もあり、関係者は「外来種を可能な限りなくし、八戸の自然を守りたい」と景観保全に意欲を見せる。 積極的に駆除に取り組む団体の一つが種差海岸ボランティアガイドクラブ。石津正廣代表(72)は十数年前、種差海岸で辺り一面にオオハンゴンソウが生い茂る状況を目の当たりにし、「自分の背丈よりも高いのがほとんど。全てを処理するには、ものすごく遠い道のりになると思った」と当時を振り返る。 古来の植物が絶滅するのでは—と危機感を抱いた石津代表は、市の雇用事業を活用して駆除に当たる人手を増やし、市内のボランティア団体とも協力して取り組んできた。 1年に3、4回苗を取り除く。引き抜く際は種が地面に落ちないよう気を配る。こうした根気の要る作業を続け、昨年12月初旬には、これまでの作業内容や駆除本数をまとめた報告書を日本自然保護協会(東京)に提出した。 それによると、オオハンゴンソウが確認されなくなったり、激減したりした区域もあり、取り組みが実を結びつつある。 種差海岸の自然保護に取り組む北奥羽自然研究所(八戸市)の高橋晃所長(63)は市民参加型の駆除イベントを展開。現在は、オオハンゴンソウに直接除草剤を塗り付け、近くの植物に影響を与えない方法を試している。「1本ずつ引き抜く作業よりも、効率的に駆除できる方法を確立させていきたい」と話す。 ただ、外来種植物はオオハンゴンソウだけではない。高橋所長は「イネ科のオニウシノケグサなど駆除の対象となる植物はとても幅広く、課題は多い」と指摘。「多くの自然保護団体の人たちと今後の種差海岸について議論を重ねていく必要性がある」としている。■オオハンゴンソウ 北米原産のキク科多年草。開花期は7〜10月で、草丈は0.5〜3メートル。繁殖力が強く、寒冷地でも生息できる。現在は全国的に分布しており、北海道、福島県、長野県などで大群落が見られる。青森県内では種差海岸のほか、十和田八幡平国立公園などでも確認されている。【写真説明】オオハンゴンソウの駆除活動に励む種差海岸ボランティアガイドクラブの会員ら(石津正廣さん提供)