いまや、アイドルグループとしては唯一、スタジアム級の会場でライブを行いドームツアーまで開催してしまう、まさにモンスター級の人気を誇るのがももいろクローバーZだ。他のアイドルグループと比べると、メンバーが5人しかいないという理由からか、雑誌などで生の声をあまり聞くことが出来ないももクロ。その人気はどこから来ているのか?そして、ももクロはどこに向かっていくのか?その答えを公式記者として最も近いところで見続けてきた、「小島記者」こと小島和宏氏に聞いた。

小島記者は立て続けにももクロに関する書籍「ももクロ独創録 ももいろクローバーZ 公式記者インサイド・レポート 2016 – 2017」「アイドル×プロレス–いい年こいた中年が両方好きでなぜ悪い! 」を発売。

前編では主に「ももクロ独創録 ももいろクローバーZ 公式記者インサイド・レポート 2016 – 2017」について話を聞いた。後編は、「アイドル×プロレス–いい年こいた中年が両方好きでなぜ悪い! 」について詳しく聞いていく。

アイドル×プロレス味の素限定表紙

−そして外側から見た「アイドル×プロレス」。

小島
実は去年出した「ももクロ×プロレス」よりも前に出す予定だったんです。「アイドル×プロレス」を作る中で、川上さんに相談をしていたら全員で対談をやろうよ、ということになって「ももクロ×プロレス」を先に出すことになりました。そうこうしているうちに『豆腐プロレス』が始まって、アイドルとプロレスの関係が劇的に変わったんです。じゃあ、練り直そうとなったんでさ、昨年、高城れにが越中詩郎さんと対談をやって、大号泣して感銘を受けて。その後に『ももクリ』で越中さんにプロレスをやって頂いたのを高城さんが見ていたので、そのあたりの感想をコメントで貰おうくらいに思っていたんですが、いざ話を聞いたら、びっくりするほど熱くて。じゃあ、これはインタビューにしようと収録をしたんです。女子プロレスラー・紫雷イオは、中野サンプラザで夏菜子に思いっきり蹴られて、AKB48の『シュートサイン』MVでマスクを被って宮脇咲良(HKT48との兼任)と闘っていたレスラーで、ももクロとAKB48両方と戦った女子レスラーはいないからということでインタビューを受けて頂きました。トップレスラーは組んだだけで相手の力量がわかると言うんですけど、イオは夏菜子も咲良も一瞬絡んだだけなのに、この娘はこうだよねって完全に言い当てるんですよ。流石だなと思いました。高木三四郎はアップアップガールズ(プロレス)を立ち上げたし、未来の話で出口にしようと。じゃあ、入り口は誰だとなった時に、ダメもとだったんですがフジテレビの三宅正治アナじゃないかと。元々、全日本女子プロレスの実況を担当されていて、僕も全女の担当記者だった。全女のテレビマッチの会場では最前列で見ていた二人がグルっと回って、現在はももクロの会場でいつも顔を合わせる。じゃあ、なぜあの頃全女にハマった大人がももクロにハマるのかという話をしましょうという事でお願いをしたら受けて頂けて。三宅さんがスゴくももクロについて熱く語るんですよ。会場でも応援している所を見ていて信用できるヲタだとは思っていたのですが、ここまで深く、長く語ったことは無いと思いますよ。

−そんなに熱いんですね。

小島
全女に熱くなっていた僕らがいまなぜ、ももクロにハマるのか?が「入口」で、高城れにが越中さんを語ることでアイドルから見たプロレス、紫雷イオによるプロレスラーから見たアイドル、そしてこれからアイドルとプロレスを融合させる高木社長が「出口」という流れが出来ています。豆腐プロレスも後楽園でリアルにプロレスしますし、どうなるのかな?と思いますね。

−プロレス好きがアイドルにハマるのはなぜか?解明できましたか?

小島
それは、実は三宅さんがズバリ、この本の中で話していて「わかった! そういうことか」と。三宅さんは実は『夕やけニャンニャン』からアイドルの仕事をしていて、僕はその番組を毎日、見ていて。僕の目の前には必ず三宅さんがいるんですよ(笑)。三宅さんは仕事上、ももクロ以外のアイドルも知っていますから、そういった意味でも、アイドルとプロレスを語るに相応しい。

−長年のプロレスとアイドルの関係性の謎がついに!

小島
そう!あと、高城れにも本当に感受性の強い子で。一回、越中詩郎の試合見ただけで、そこまで感じるのか、とビックリしましたね。なんで、こんなに人の心を動かすのか?ってところまで考えていますからね。越中詩郎は大先輩として生きる道を示してくれた恩人だと言っています。

−そこまで!

小島
越中さんもずっと名脇役でメインじゃなかったっていうことを高城さんとの対談でも話していて。高田延彦がいて俺がいて…「高田は色男だから負けてもいいじゃん、俺は負けたらなんにもないんだって。だから頑張るしかないんだって」と話していて。高城もポジション的に「わたしもそうなんです」と。越中さんの「辞めないことだよ、続けることだよ」って話が相当響いたみたいで。一時期、高城が待受を越中さんにしていたぐらい(笑)。

−トップアイドルである高城れにのスマホの待受が越中詩郎!

小島
昨年の『ももクリ』が終わった後に楽屋に挨拶に行ったら越中さんがいらっしゃって、有名俳優さんとかアイドルとか駆けつけている中で「俺、どうすりゃいいんだよ」って困ってて(笑)。そしたら高城さんがメンバーに「わたしの恩人です」って紹介をして、メンバーが「だから待受が!」って納得するっていう(笑)。でもね、越中さんと対談させたいっていうのは川上さんの提案なので、さすがだなと思いましたね。きっと、こうなることがわかっていた。

−すごい話ですね。

小島
味の素スタジアムでは、高城れにバージョンの特別な表紙で売り出すので、ぜひ見つけていただきたいですね。

−その味の素スタジアムでも2daysを行うももクロは、女性アイドルグループとしてはモンスター級の集客力があります。人気の秘密は何だと思いますか?

小島
ももクロのファンは、ももクロしか見ないお客さんが一定数いて、何年も離れていないというのが大きいと思いますね。ガチ恋が少ないし、彼女たちの人生を見ている・追っているファンが多くて。僕も6年、近い場所で見ていますが飽きないですしね。でも、いまアイドル界隈のこの状況で、味の素スタジアム2daysは単純にスゴいと思います。去年はドームツアーもやって、今年は47都道府県ツアーをスタートさせて、2000人くらいの会場を回っているんですね。お客さんが近いんで本人たちも嬉しいだろうし、タメになっているだろうし。2000人でやっていたのが今度は味の素スタジアムで50000人とかになって、都道府県ツアーのお客さんも来るだろうから、どう見せるのか楽しみですよね。味の素が終わったら、あーりんが両国国技館でソロライブをして、有安杏果は日本武道館で単独コンサートを開催するわけで…不思議なグループというか、ソロで両国や武道館でやってしまうのがスゴいですよね。

−「アイドル」でいいんですかね?

小島
アイドルですよ。「私たち、今会えるアイドル」って、いまだに本人たちも言ってますからね(笑)。川上さんがずっと「アイドル最強論」唱えてきて。アイドルだから歌も唄えるし、ダンスも踊れるし、女優業だってできれば、バラエティーにだって出られる。すべてを内包したものがアイドルである、と。まさにそれがここにきて具現化してきていますよね。

−いま人気のある他のグループと比べると、先輩もいないし、メンバーは早見あかりの卒業以来変わらない、それは強さになっているんですかね?

小島
強さになっていますね。

−逆にその部分に脆さはないですかね?

小島
脆さはここ一年ソロで活動をしたことで強くなっていった気がします。だって、他のグループでリーダー・センターが朝ドラで毎日のように出演できる役だからって、長期間いないことが多いって考えられないですよ。前作『ももクロ吟遊録』でドラマスタッフのコメントを掲載したんですけど、本当にいいんですかってNHK側も驚いた、と(笑)。あと、有安さんがソロコンを成功させたのは大きかったと思います。佐々木彩夏も動き始めたし、高城れにも2年前からソロコンやってるんですけど「あぁ、違った。本当の意味でのソロコンって、こういうことだったんだ」って気づいたみたいだし、玉井詩織は「わたしにはこソロコンは出来ないから、違うことをやりたい」ってわかったみたいだし。

−有安さんのソロコンサートがターニングポイントだったんですね。

小島
去年7月の横アリですね。「ももクロ独創録」は去年の横アリが終わったところから始まっているんです。夏菜子ちゃんは有安さんのソロコン見て「キラッキラしている、夢をかなえる瞬間ってこれだ」ってすごい感動をしていて。みんなあれで考えだしたかなと思います。考えたし、ももクロが強くなったかなと思います。あとは、化けるとしたら玉井詩織ですね。

−ももクロの若大将が!

小島
でも、きっとソロコンはやらないんですよ。川上さんも「やりたくないならやらなくていいよ」って認めているし。だから、その表現方法も含めて、気になりますよね。

−小島記者から見ると玉井さんの可能性は?

小島
なんでもできちゃうんですよ、彼女は。その上で好奇心旺盛だから、さらにいろんなことをやりたくなっちゃう。でも、「かなりやりたいことが絞れてきた」って言っていて、自分が本当にやりたいことは5つくらいしかなくて、それは昔から変わっていない、と。その5つを教えてくれないのが玉井さんらしいんですけど(笑)。

−ももクロの未来はどうなっていきそうですかね?

小島
本人たちは来年10周年で…でも、10周年を目指していたわけではないので、そこはふわふわしているみたいですが、この前、Negiccoと共演して「私達、来年15周年です」って言っているのをメンバーが聞いて、「私たちより長くやっているアイドルがいるんだ!」って勇気を貰っていましたね。私達もまだまだじゃんって。あとね、これは書いていいと思うんですけど、ドームツアーで札幌ドームは満員にならなくて、バルーンで飛ぶ演出があったからメンバーも近くで空席を見てしまった。それは本人たちも悔しかっただろうし、じゃあ、この空席をお客さんで埋めるには? ということが原動力にもなっている。まだまだやること、やれることはたくさんあるし、そういう活動を通じて、ファンの熱を冷まさないということは意識していると思いますね。独自路線で進んでいるので、まずはライブを見るでも、本でもDVDでも、ももクロに触れていない方は一度、体験してみてほしいです、きっと離れられなくなると思います。

※高城れに表紙の「アイドル × プロレス – いい年こいた中年が両方好きでなぜ悪い! 」は、ももいろクローバーZ ももクロ夏のバカ騒ぎ2017での限定販売となる。