篠原涼子演じる“伝説のスーパーハケン”大前春子が13年ぶりに復活する日本テレビ系ドラマ『ハケンの品格』第4話が8日に放送された(以下第4話ネタバレあり)。



春子のハケン先である食品会社S&Fの新入社員・井手(杉野遥亮)。彼は同社の最重要取引先であるテイスト・オブ・ライフの御曹司。いわゆるコネ入社である。


井手との関係を悪くしたくない部長の宇野(塚地武雅)が強く出られないのをいいことに、やる気ゼロで身勝手な井手は、会社に家庭ゴミを持ち込む始末。それを見過ごせない春子に説教されると「一人暮らしを始めたばかりでゴミの捨て方がわからなかった」「下手に捨てると近所の人に怒られそう」とぼやくのだった。


井手への公開説教に一同はスカッと...したかと思いきや、S&Fの社員にとって井手は「なにかあればこっちのクビが飛ぶレベル」。宇野は「新入社員の教育は我々社員の役目。アンタは関係ないんだから今後一切口出しするな!」と言い放つ。


一方、井手と同じ新入社員の三田(中村海人)は、派遣社員の“同一労働・同一賃金”について「社員とハケンがまったく同じ待遇になったら正社員オワコンじゃん。就活とか色々苦労して社員になる意味なくない?」と社員としてのモチベーションが低下気味。その後も、仕事への情熱を持てない井手と三田は業務外のおしゃべりに夢中である。



“同一労働・同一賃金”に希望を持っていたものの、実際には低賃金でこき使われる毎日を送るハケン・小夏(山本舞香)は、自分たちハケンを人生“ハードモード”、新入社員を“イージーモード”と呼ぶ。


はたして、新入社員は“イージーモード”なのだろうか。


学生を終え社会人として一歩踏み出すそのとき、自分の理想通りの会社に入れる人間は一体どれほどいるだろう。


今話で「S&Fの最重要取引先の創業者の三男坊」と明かされた井手も、自らの希望を通すことは難しかったのかもしれない。事実、先週の放送回でも1ヶ月で会社と自分が合っていないことを悟り、「YouTuberとして成功したい」と語る一幕があった。



この展望を井手が本気で言っているのかどうかは定かでない。しかしいずれにせよ、井手も好きで“イージーモード”をやっているわけではないのだ。


井手を悩ませる出来事のひとつとして、宇野の「飲みニケーション」がある。仕事終わりにお酒を“飲み”ながら“コミュニケーション”を取ろうという前向きな言葉だが、プライベートの時間に仕事が侵食されるとして、あまりよく思わない若者も多い。近年では“アルハラ(アルコール・ハラスメント)”としてトラブルの原因にもなることさえある。


ネット上でも「強制飲みニケーションはマジでクソ」「飲みニケーションほど無駄な時間は無い」「飲みニケーションのタチの悪いところは、上司側の人間は自分が良い事してると信じて疑ってない事」などと「飲みニケーション」反対派の声は多い。宇野が良かれと思い時間を割けば割くほど、井手との距離は広がり、モチベーションを低下させ、あげく「『飲み会が嫌』って退職理由になる?」とまで言わせてしまう。なんとも不毛な話だ。



そして宇野は、宴席にて井手・三田に「営業の極意」を伝授したうえ、新入社員のみで初めての営業に行かせる。さらにそれを終えた2人へのフォローアップもなく、契約を取ってきた三田を手放しに褒め、取れなかった井手を無意味に許してしまうのだ。


無気力がちな井手に対しては、「井手くんの笑顔可愛い」「井手くん顔が良すぎてしぬ」といった井手役・杉野遥亮の顔面を称賛する声をのぞいては、「井手くん見てるとイライラする」「井手くん流石にやばすぎ」「井手を甘やかすな」と視聴者も少なくない。


しかし井手は、すでに社会に溶け込んでいる社員らにとっては当然の常識を学ぶ機会を得られなかっただけであって、基本的に悪気がない。今話の中盤以降は、営業先で起こったミスに対し、とばっちりを受けてしまった亜紀・小夏への責任を取る姿や、停電のため冷蔵倉庫に閉じ込められ、寒さに震える春子に上着を貸す井手の姿が描かれた。

さらに、きっちりと仕事をこなし、遅れた仕事については言い訳ナシで謝罪する春子の姿に、井手は社会人としてあるべき姿を学ぶ。「おれ、スーパーハケンになります」と春子へ憧れも垣間見せた。井手の変化に春子が「多少は見どころのあるヘタレかと」と評価すると、井手の母も「御社で厳しく鍛えてやって下さい」とどこか満足げな顔を浮かべるのだった。


コネ入社の新入社員=イージーモードではないし、ハケンだけがハードモードでもない。正社員がイージーモードでもない。誰にとっても社会はハードモードなのだ。



例えば、前作で春子と数々のバトルを繰り広げた東海林(大泉洋)。井手の母、美香(キムラ緑子)が、息子の働く様子を営業事業部へと見学しに来た際、井手が行方不明になっていた関係で、井手が見つかるまで、東海林が美香を引き止めることとなった。


里中(小泉孝太郎)の頼みで、時間稼ぎを強いられた東海林のミッションはまさにハードモード。明らかに飽きている美香を相手に、ビスコッティとクッキーの違い、タンチョウヅルとビスコッティのエピソード、旭山動物園のペンギンの話といった苦し紛れの話題を展開させ、なんとか井手が営業事業部に戻るまでの時間を稼いだのだった。


ところで、今話で東海林は「サプライズはこれからだ」とひたすらに繰り返していた。春子へのなにかしらのサプライズがあるものと予感させていたが、それが明らかになったのが放送ラストのシーン。東海林が営業事業部の社員らを前に「営業一課・課長に就任しました」と堂々宣言する。 2020年版『ハケンの品格』で東海林は旭川支社の配属だったため、これまで春子との共演シーンは少なかったが、次回以降は『ハケンの品格』名物の春子と東海林のやりあいが増える予感。ネット上では視聴者からの「熱いコンビ復活ってやばいーーー!」「東海林が大前とどうなるのか楽しみ」「大前さんと東海林さんのバトルがまた見られるのは嬉しい」「やっぱり東海林さんがいないと」と大きな期待が寄せられている。


『ハケンの品格』

2020年4月期日本テレビ水曜22時〜23時

7月15日(水)夜10時 第5話放送

<出演者>    篠原涼子 小泉孝太郎 勝地涼 杉野遥亮 吉谷彩子 山本舞香 

中村海人(Travis Japan/ジャニーズJr.)  上地雄輔 塚地武雅(ドランクドラゴン) 

大泉洋(特別出演) 伊東四朗

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