北園涼が2ndアルバム『Frontier』を2月3日(水)にリリースする。北園といえば、デビュー以来、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズやMANKAI STAGE『A3!』など数々の舞台に出演。2019年には『Ark』でメジャーデビューを果たし、アーティストとしても精力的に活動を続けている。そこで北園にアルバム『Frontier』について直撃。収録曲の詳細やプライベートについても話を聞いた。



――まずは2ndアルバム『Frontier』のタイトルに込められた思いから教えてください。

「このタイトルを決めたのが、去年の2月ころだったかな。“未開拓の領域”という意味なんですが、新しい道を切り開く、挑戦するって思いを込めて、このアルバムのリード曲『Frontier』をアルバム名にしました。当時はまだ曲も決まっていなくて、タイトルだけだったんですけどね(笑)」



――そんなアルバム『Frontier』に収録された1曲目が『Relive』。ボーカルの入ってないインストゥルメンタルの楽曲です。

「前作の『Ark』でも1曲目は歌なしの曲を入れているんですけど、ライブでも使える曲を入れたくって。ライブでの始まりを思わせる1曲目にしました。2曲目を『Gold』に決めていたので、そこに繋がるような曲に仕上げてもらったんです」



――そんな2曲目の『Gold』はどんな曲ですか?

「僕自身もかなり好きな楽曲で。今までの自分を壊したい曲というか。レコーディングのときは、いつもの自分をバラバラにして、もう一回組み直すようにして歌いました。すごく難しい曲なんです。特にサビは声の使い方を変えて開拓していったって感じで。僕、普段は鼻に当てて一本通すように響かせて歌うんですけど、もう少しのどに近づけた響きを意識して歌ったというか。感覚的なものなので、言葉にすると難しいんですけどね(笑)。ほかの歌声を織り交ぜていったんです」



――続いて3曲目の『Great Escape Runner』は?

「“大脱走”とか“逃げる人”って意味がタイトルにはあって。最初、歌詞を読んだときは自分の道をまっすぐに貫いていく人ってイメージを持ちました。『偽りの常識に騙されるな』とか『他人の評価値はいらない』という歌詞があるので、自分の感じたことを素直に表現する、ってことを大事にして歌いたいって思ったんです」

――ちなみにご自身が逃げたくないことといえば?

「やっぱり苦しいことや挫折からは逃げたくないですね。それって誰にも付きまとうモノじゃないですか。苦しいことにどう立ち向かうか、向き合うかで自分の成長や考え方が構築されていくと思うので。逃げるだけじゃ自分の未来には繋がらないので、苦しいことには真正面からぶつかりたいんです」


――4曲目は『Signpost』

「この曲はすごくキーが高いんです。LIVE配信でも歌った曲なんですが、そのときは振り絞るように歌っていて。ライブのときの歌い方が歌詞と曲が合ってるなって感じたんです。まさに叫びみたいな曲で。『欠けてるモノを隠すように人は笑い』って歌詞から始まるんですが、いきなり核心をつかれたようで、初めて聴いたときはドキッとしました。レコーディングでは、なかなか納得がいかなくて、何度も歌い直した曲です(笑)」



――そして5曲目が自ら作詞した『Frontier』。

「まず原曲を聴いたときは、僕自身は激しい曲が好きなので、こうきたか!って感じでしたね。この曲に詩をつけるのかって(笑)。ドンって背中を押すというよりかは、優しく手を差し伸べて包み込むようなイメージを持ちました。それから何度も何度も考え直して。自分のこれまでのストーリーと、自分が伝えたいことを組み合わせて作詞したという感じですね。実はもともと書いていた詩もあったんですが、『Frontier』には合わないなって思って、別の言葉を探しては取りやめてって作業を何度も繰り返しました。それこそ作詞していたときは、生活の一部となるぐらい毎日考えて考えていて。ほかのことをしていても、ふと言葉を思いついたときは、すぐにメモする感じでした」

――一番作詞がはかどった場所というと?

「お風呂かもしれないです(笑)。音楽を流しながら頭からシャワーに打たれて……ってときが一番歌詞が思い浮かびました。一回思いつくとお風呂で歌って、違うなって思ったら、また違うフレーズで歌い直すって感じです」


――完成した詩をスタッフにお見せしたときは?

「かなり恥ずかしかったです(笑)。僕にとっては初めての作詞曲で。でもスタッフの方たちは音楽とともに過ごしてきた方じゃないですか。作詞する過程もたくさん見てきた方たちなので、初心者の僕の詩を見せるのは恥ずかしかったです。でも、みなさんが“いい曲だね”っておっしゃってくれたときはうれしくて。レコーディングのときも歌詞カードに“作詞・北園涼”って名前を見たときはうれしかったです」



――6曲目は『True Loud』。

「この曲は『Frontier』と違って、本当にひっぱたくような楽曲です。歌ってる僕自身も急かされているみたいに感じていて。レコーディングのときも背中をぐいぐい押されて疾走しながら歌っていた覚えがあります。リズムが難しくて、レコーディングには時間がかかりました」



――7曲目は『Just call me the Beast』。

「これは神田明神でのライブとLIVE配信でも歌った曲。ノリがほかの曲と違って横揺れというイメージがあって、アルバム収録曲の中では割りと歌い慣れた曲といえるかもしれません。ライブでのお客さんとの楽しみ方も分かっていますし、僕としても歌っていて心地のいい曲ですね」


――8曲目は『Road』。

「とても強い曲……いや、強がっている曲かな。最初は単に強いって思っていたんですけど、最近は強がってる曲だと思うようになりました。『何も信じちゃいない 誰も頼りにしない』や『例え1人で100人敵にしても』って歌詞があるんですが、サビでは『この手の中に恐れを握りしめて』って言葉がつづられていて。やっぱり『恐れ』はあるんだな、と。だからこそ強く見せている曲だと感じるようになりました」


――では、ご自身が強く見せているところというと?

「いや、もう常に強がっています(笑)。弱いところも割りと見せているんですけどね。それでも強くありたいと思っています」

――最後の9曲目が『Over the little night』。映画『BLOOD-CLUB DOLLS2』の主題歌でもあります。

「歌詞に『夢から醒めて 鼓動を感じて』とあるように、新たな命が生まれるというイメージの曲です。このフレーズをアルバムの最後にしたいって思った曲で。アルバムの最後だけど、また新しい自分が生まれてくるぞ!って意味を込めて最後の曲にしました」



――アルバムのビジュアルは白が基調となっています。これはご自身のアイデアですか?

「はい、白にしたいです!とお伝えしました。ここからまた新しい色に染まっていくって意味を込めて。ビジュアルに関しては『Frontier』ってタイトルが決まったときから、イメージは白一択でしたね」


――ちなみに普段、白い服は?

「着ないです。ほとんどが黒なので(笑)。デニムも履きませんし。でも、この撮影の後、デニムも買おうかなって思ったんです。淡い色のダメージデニムってカッコイイなって。買い取りたいとも思っていて、スタイリストさんにブランドの名前を聞いて、写真も撮りました(笑)」


――2月からは『北園涼 LIVE TOUE 2021「Frontier」』も予定されています。

「今回、できたらいいんですけど、まだどうなるか全然分からなくて。お客さんが会場に入っても、一緒に声を出せないので。でも自分が精一杯やって。お客さんに楽しんでいただいて、みんなが叫べない分、自分が思いっきり叫びたいと思っています。ファンの方たちには心の中で叫んで歌ってもらって。また以前のようなライブが出来るようになってから、たまったものを一緒に吐き出してほしいと思います」


――やはりLIVE配信とお客さんが入るライブは違いますか?

「全然違いますね。正直、配信はちょっと寂しかったです。反応も直接、返ってきませんし。一度、お客さんと一緒にやったライブを味わってしまうと、どうしても配信は物足りなく感じてしまって。まだどうなるか分かりませんが、だからこそツアーが楽しみで仕方ありません」


――ではプライベートについても少しお伺いします。2021年、やりたいことというと?

「正直なことを言うと、車が買いたいです。車が大好きなので、エンジンの音が直に聞こえるスポーティーな車に乗ってみたくて」


――スポーティーな車というとオープンカーとか?

「いえ、虫が怖すぎてオープンカーはちょっと(笑)」


――じゃあ、もし女の子とドライブデートするなら、どんなプランを立てますか?

「うわ、難しい。そういうの全然考えたことないからなぁ。まぁ、いきあたりばったりになりそうですけど(笑)。まず朝は自分が起きられないから16時ぐらいに迎えにいって。湾岸線やレインボーブリッジを走るのが好きなので、そこで夜景を楽しみます。夏だと花火があがったりするじゃないですか。それを見るのもいいですね」


――せっかくのデートなのに家を出るのが遅すぎませんか?

「ですよね(笑)」

――北園さんは毎日のルーティーンってありますか?

「ライブ当日のルーティーンっていうのはないんですけど、家でのルーティーンはあります。まず朝イチは白湯を飲んで、次にホットコーヒーとプロテインを飲みます。白湯は体をゆっくり起こしてあげたほうがいいと聞いているので、体の調子を整えるために飲んでいて。あれ? でもぬるい白湯を飲んで熱いコーヒーと冷たいプロテインを飲むって、よくよく考えたら体にいいのかな? 毎日のことなのに改めて考えてみると、疑問に思ってしまいました(笑)」



――家で過ごすこだわりというと?

「冬場だと常に加湿器を使って湿度を60%ぐらいに保つようにしています。結構、面倒くさがりなんですけど、加湿器の水が切れたときだけはめちゃくちゃ早く動きますね(笑)」



――今の夢というと?

「もっと作詞をしたいです。全部自分で作詞したアルバムを出すことが夢。僕は、曲作りができないので、詩をどれだけためても、曲に合わないとイチから作り直さなきゃいけないので。だから時間をかけてゆっくりと自分が作詞した曲だけのアルバムを作ってみたいです」

――最後にアルバムを買ってくださるファンの方たちにメッセージをお願いします。

「『Frontier』は1枚目の『Ark』とはまた違ったアルバムになっています。かなり進化してレベルアップした最強のアルバムに仕上がっていると思いますので、ぜひこのアルバムを聴いて、ツアーを見ていただいた方とは魂をぶつけ合いたいです。ツアーに来られない方も、ぜひアルバムを聴いて、魂を振るわせてください!よろしくお願いいたします」



文:今 泉
写真:加藤千雅