「ゴミでも丁寧に磨けば大抵のものはなんとかなる」

中村倫也が主演を務めるドラマ『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京系、毎週月曜よる11:06〜)。第5話から後半に突入し、オープニングの穏やかな雰囲気からは想像もできないほどダークな展開へ。青山(中村倫也)がホームレスのたこ(光石研)の珈琲豆に吸い寄せられたように、物語の中枢へと引き寄せられていく。先週の第5話で初めて、磯村勇斗演じる“ぺい”が青山と言葉を交わし、珈琲を起点にした対比が二人の熱演とともに繰り広げられた。「二人の目から伝わるものに終始圧倒された…」「あっという間に終わった」という声も上がった第5話。青山の過去がダークであればあるほど、たこの美味しい珈琲がある種の“希望”のようにも思えた。今夜の第6話を前に少し振り返っておきたい。



「クソまずい。泥みてぇな味がする」

二人が同じ世界で飲んだまずい珈琲。青山(中村倫也)が“清掃業”の一仕事を終えて血のついた手で飲んでいたのは、自販機の珈琲。「飲むか?」と言われてちょっと嬉しそうにしたぺい(磯村勇斗)も「オエッ…」。ぺいが自販機に文句を言って蹴り飛ばすほどまずい珈琲を、青山は死んだような目をして飲んでいた。


“清掃業”と言ってもヤクザのお仕事。ターゲット(ほおるもん)を“悪臭放たないようにペチャンコになるまでぶっ潰してそこにゴミなんてなかったみたいにする仕事”。常軌を逸したような目で、とりつかれたように「ホルモン…ホルモン…」と呟きながらターゲットの顔を殴り続ける青山。ぺいはその姿に圧倒されながら、青山に一生ついていくと心に決めた。ある時、ペイが“苦い”珈琲で悟った失恋。それを一瞬で見抜いた青山が、ぺいにあげたのは“甘い”イチゴ飴だった。


「珈琲に出会えた時、世界が変わった気がしました」
「すれ違い…すれ違いじゃなくて、置き去りだろ!」


青山は、偶然出会ったたこ(光石研)に吸い寄せられるようにおいしい珈琲と出会う。

ホームレスのたこの部屋は「えぇ!?マジかよ!」とぺいも驚くほど素敵。盗品でもなく、“拾い物や貰い物”が丁寧に部屋を整えている。


「ゴミでも丁寧に磨けば大抵のものはなんとかなる」

“生き甲斐のない、底辺の生活”にも光が射し込む、たこの言葉。


たこの淹れてくれた珈琲に恍惚とした表情を浮かべる青山。
ぺいも飲んでみる。「オェッ…」。


「これはなんだ?」

いつも飲んでいる泥みてぇな味の珈琲も、たこが淹れてくれた美味しい珈琲も、どちらも珈琲。“汚いホームレス”がとびきりうまい珈琲を淹れて飲んでいる。「どうせなら小粋にポップに生きたいから」と。“生き甲斐のない、底辺の生活”であっても工夫すれば飲むことができる珈琲。青山の過去がダークであればあるほど、たこの淹れた美味しい珈琲を飲めることが、より多くの人々の救いになるように感じられる。



「俺がバカだからなのかなぁ…」

珈琲でぺいの世界は変わらなかった。珈琲に魅せられ、突然自分のいるヤクザの世界からいなくなった青山に“置き去り”にされたと感じた。それでも、イチゴ飴をいつも舐めながら、大好きなアニキを追ってきた。そんなぺいが自分の身を呈して青山に渡したメモの中身とは…?

青山を脅しているようで、切実さや青山への愛情がこぼれるぺい。脆さも優しさも悔しさも一瞬にして目に宿る。これまで怪しさ満点で怖さも見せつつ、どこかで「いいやつなのでは?」と信じたくなる雰囲気も感じずにはいられなかった。チンピラとしてのガラの悪さとアニキを慕うぺいの素直さを磯村勇斗が見事に内包していた。


そして珈琲をきっかけに、死んだような目に少しずつ光をともしていく青山。

殴っている相手がもはや人間だと思っていないのでは…と思わせる血の通っていない目をした青山から、涙を奥にためて過去を垣根(夏帆)に話す人間味のある青山まで。振り切ったところだけでなく、その間も何層にも分けられた目の色や背中の違いは、中村倫也の真骨頂だ。


濃厚なストーリーと俳優陣の演技に圧倒されながら迎える第6話。青山が移動珈琲店で各地をまわる真の目的とは?花菱(渡辺大)が電話の着信で恐れていた「3代目」(宮世琉弥)もいよいよ登場するようだ。



気になる第6話は…(以下、第6話あらすじ ※読みたくない方はご注意ください)



第6話「たこ珈琲」

垣根志麻(夏帆)が淹れた珈琲を味わいながら、青山一(中村倫也)は珈琲の道に進むきっかけとなった、ホームレスのたこ(光石研)との出会い、そして青山が珈琲を淹れながら各地を巡っている本当の理由を打ち明ける。


たこの淹れた珈琲に魅了され弟子入りを懇願した若き青山。

その申し出を受け入れたたこは、ただ単純に「珈琲を美味しく淹れる」だけではない、青山自身に足りていない何かを気づかせるための修行を始めるのであった。今まで自分が過ごしてきたヤクザな世界とは真反対な、穏やかな日常を過ごしたり、ちょっとしたシアワセに気づくような日々を送る青山。珈琲の腕前が上達していくのと比例するかのように、青山の中でも小さな変化が起き始めていた…。

とある雨の日、青山がいつものようにたこの家にいくと、そこには寝込んでいるたこの姿が。たこの淹れた珈琲を飲む青山は「いつか俺も誰かに美味しい珈琲を淹れることができるんだろうか」と問いかける。するとたこは青山に一番必要で大事なものが何なのかを語り始めるのだが…。


垣根を家まで送り、ぺい(磯村勇斗)から託されたメモを手掛かりに、本当の目的を果たすべく車を走らせる青山。最終地点に辿り着いたと思ったその時…。 



■『珈琲いかがでしょう』
第6話 5月10日(月) 23:06〜23:55

©「珈琲いかがでしょう」製作委員会