佐藤健が6日、都内で行われたアニメーション映画『竜とそばかすの姫』(7月16日公開)の完成報告会見に、同じく声優を務めた中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、メガホンをとった細田守監督とともに出席した。


アニメーション映画監督・細田守の最新作である本作では、かつて『サマーウォーズ』で描いたインターネット世界を舞台に、『時をかける少女』以来となる10代の女子高校生をヒロインに迎えた。そこで紡ぎ出すのは、母親の死により心に大きな傷を抱えた主人公が、 “もうひとつの現実”と呼ばれる50億人が集うインターネット上の仮想世界<U>で大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ歩いていこうとする勇気と希望の物語となっている。


ずっとベールに包まれていた謎の存在“竜”を演じることが、同会見で発表された佐藤は「竜という非常に複雑な心を持った難しい役どころをやらせていただきました。自分に務まるのかなと不安でしたが、細田監督の温かいディレクションのおかげで、最後までやりきることができました」と挨拶し、この日まで隠してきた思いを尋ねられると「予告編を見ながらヒヤヒヤしていました。僕は自分の声なので、“どう聞いても俺じゃん”って思いながら、バレないかなと思っていました。みなさんの今日の反応が心配です」と胸の内を明かした。


また、竜はどんな役どころなのか質問された佐藤は「仮想世界の中での悪役といいますか、みんなから怖がられている存在なんですね。ただ、その竜がベルと会うことによって、ちょっとずつ変化していくんですけど、竜は現実世界では何者なのかというようなところが謎要素になっているので、そこに注目して映画を見ていただけたらなと思います」と紹介。


そんな佐藤を竜役にキャスティングした理由について細田監督は「ものすごく表現の力が必要だと思って、それを誰が演じることができるのかと思っていたんですけど、キャスティングが始まる全然前から、この役は健くんにお願いするしかないんじゃないかというくらいのことを思っていました」と打ち明け、「キャスティングディレクターに相談する前から、これができる人は日本にほんのわずかで、その1人が間違いなく健くんだと思うんだという話をして、キャスティング前なんだけど『様子を聞いてもらえないか』と言うくらい、映画に必要だなと強く感じました」と回顧した。これに、実際に竜を演じての感想を求められた佐藤は「その気持ちに答えたいのはヤマヤマなんですが、本当に難しい役ですし、普段とは違うアフレコという作業なので、どうしていいのかわからなくて難しかったですね」と苦労を明かした。


さらに、アフレコ現場の様子を聞かれた佐藤は「僕はまず竜の声がどんな声なのか、まったく想像がつかなかったんですね。だから監督に「竜っぽい声なんですかね?」って聞いたら、「竜っぽい声でお願いします」って言われたので、僕の思う竜っぽい声でやりました(笑)」といい、「「初めてやるので細かい指示をください。それで微調整していくのでよろしくお願いします」ってことを言ったら、1回目から「そんな感じで」って言われたので、“本当かなあ”と思いながら、しかも竜のアフレコは1日だったので、最後までちょっと心配だなと思いながら終わりました」と吐露。そんな佐藤の竜の声について細田監督は「一言目からめちゃくちゃ勘がいいなと思って、さすがだなと思いました。本当に言うことないんですよね。びっくりしました。さすがです」と太鼓判を押した。


なお、完成した本作を同会見の前日に見たという佐藤は「素晴らしかったです。昨日の余韻が今もまだ続いています。細田監督の真骨頂であり新境地を見せていただいたなという感じです」と興奮気味に語り、「やはりインターネット世界だとか、細田監督がきっと得意とされるところを描いている世界観なんですけど、表現の仕方がすごく新しくて、映像が美しいだけで人間はここまで胸が震えるのかと思いました。さらにそこに中村さんの素敵な歌声が重なり合っていくので、中盤から後半にかけてはずっと涙腺が刺激されっぱなしの状態で、スクリーンからずっと音波を通して脳に直接、感動光線が浴びせられているような映画体験でしたね。すごかったです。間違いなく映画館で見たほうがいい作品ですね」と目を輝かせた。