Sexy Zoneの中島健人と小芝風花がダブル主演を務めるドラマ『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系)が、9月14日いよいよ最終回を迎える。

2015年に大ヒットした韓国ドラマのリメイク版である本作は、原作ドラマ自体の実績に加え、共演者も非常に話題性のある俳優を多く起用し、当初より期待度の高いドラマであった。また、中島演じる長谷部宗介によるInstagramとの連動企画もあり、Twitterでも幾度となくトレンド入りを果たし、注目を集めることの多いドラマでもあった。

本作の主人公である長谷部宗介は、いわゆる、ツンデレの役である。ドラマ序盤ではピリピリした空気を纏っていた毒舌エリートは、小芝演じる佐藤愛との距離が縮まるごとに感情が露出し、愛と結ばれたころにはすっかり、一途な愛情を隠しきれない男へと変貌していた。


中島と言えば、代表作の一つであるドラマ『黒崎くんの言いなりになんてならない』(2015年/日本テレビ系)の黒崎晴人役で見せた、愛情表現が不器用な超ドS高校生のようなツンデレ役を想像する人もおそらく多いだろう。中島にとってはツンデレは、最も得意とする役柄の一つと言える。


本作におけるツン要素とデレ要素は、副編集長でありエリートである宗介が社会や組織に対して保っているプライドがツンであり、そのプライドの下にある自分を変えてくれた存在である愛に対する想いがデレである。プライド高い言葉で編集部員や役員と衝突する姿や、その裏にある副編集長としての責任や焦燥、そしてその根底にある初恋の人としての愛への想いと、目の前で献身的に働く愛への想い、それらがツンデレという王道的構造の中で絶妙に配置されており、中島はそれらを一つの役の中でしっかりと演じていた。

また、デレの場面で見せた愛との甘いシーンの数々は、これまで数多くの恋愛シーンを演じてきた中島の真骨頂であり、視聴者が最も期待する胸がキュンとする要素に溢れていた。事実、アドリブに近いようなリアルな演技も随所に見られ、恋愛の演技における中島の引き出しの豊富さが生かされた。総じて、非常に明解な構造であると同時に、中島自身のこれまでの強みや経験が十分に発揮されたことが、本作のストレートな魅力に繋がった。


中島の外見的な魅力の一つに、品のある佇まい、がある。顔立ちやスタイルを生かし、ドレッシーな衣装が非常に映える。また、手足などの所作も美しく、全体として上品な役を演じるのに非常に向いている。本作で演じた長谷部宗介も、モード系スーツに時計はカルティエのタンクアメリカンといった、一つ間違えば嫌味が勝ってしまう衣装を品よく着こなしている。これは、ドラマ序盤の近寄り難い雰囲気と、ドラマ終盤の信頼関係が生まれた後の雰囲気を両立するのに、大きく貢献している。中島がビジュアルを生かして演じる上での大きな武器であり、主演に求められる要素の一つでもある。


一方、中島の役者としての魅力の一つに、弱い部分を見せられる、という点がある。近年のドラマの傾向として、時代性もあり、性別に関わらず弱い部分をしっかり見せることで役に感情移入させる、という傾向が見られる。本作でも、宗介が愛の気持ちに心を動かされ、涙を流すシーンがいくつかあった。子供のように表情を崩して泣く姿は、幼い頃に見せていた宗介の弱さ、傷つきやすさを感じさせるものであった。


外見的にクールな印象がベースにある中島が、クールではない泣き顔を演じることで、宗介の印象に大きなギャップが生まれる。それは、17年前に気弱な自分を救ってくれた愛だからこそ、宗介の心の鎧を剥ぎ取ることができた、と想像させる。中島が演技で見せた涙は、その関係性を表現するのに十分な説得力を持っていた。


中島は2011年のデビュー以降、恋愛モノのドラマや映画で、数多く主演を果たしてきた。映画『ニセコイ』(2018年/東宝)では、24歳のときに高校生役を演じており、その傾向は比較的最近まで続いていた。しかし近年は、『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』(2018年/日本テレビ系)や『未満警察 ミッドナイトランナー』(2020年/日本テレビ系)などで、演じた実年齢に近い、恋愛が主題ではないドラマでも主演を務めており、演技の幅を広げてきた。


本作は、中島にとって久しぶりの恋愛ドラマとなる。また、中島の実年齢に近い恋愛がテーマである。今の自分に近い感情で、本作の長谷部宗介役を演じられたことが、本人も嬉しかったのだろう。結果、中島自身の積極的な本作への姿勢が、本編やInstagramなどの活動などで大きな話題を結びついた。恋愛ドラマの主演として、存在感を示すことができた、と言えるだろう。


さて、いよいよ『彼女はキレイだった』も最終回を迎える。一部は生放送となることもあり、中島自身もさらに張り切って最終回に臨むのではないか、と期待している。今、自分自身を投影しながら恋愛ドラマを演じられる喜びを、最終回にどういう演技でぶつけてくるのか、非常に楽しみである。


文:ジャニヲタおじさん


【最終話あらすじ】

宗介(中島健人)が起死回生の一手として取材交渉を続けてきた謎の作家・楠瀬凛の正体は、樋口(赤楚衛二)だった。にわかには信じられず、言葉を失う宗介に、樋口は「モストを救いたい」と、自らの生い立ちや小説への思いをつづったインタビュー原稿を手渡す。記事を掲載すれば話題になることは間違いなく、『ザ・モスト』の存続も夢ではない。しかし、正体が明らかになったら楠瀬凛の生活は一変してしまう――。悩んだ末、宗介は掲載を見送ることを決めるが…。



一方、愛(小芝風花)の元には、絵本作家のちかげ(日髙のり子)から「絵本の仕事を再開する」とうれしい知らせが届く。さらに、ちかげのアトリエへ行くと、「ここで、いっしょに働かない?」と誘われ、胸がときめく愛。絵本作家になることが幼い頃からの夢だった愛は、うれしくなり、早速宗介に報告するが…。


小さなうそから始まった、愛と宗介の初恋の行方は!?


最後までみどころたくさんの最終話では、一部生放送も決定。「ザ・モスト」は廃刊となってしまうのか。 編集部員たちはどうなってしまうのか。そして、宗介と愛の小さなうそから始まった愛の行方は…?最終話は9月14日(火)よる9時放送。



『彼女はキレイだった』

毎週火曜夜9時(カンテレ・フジ系全国ネット)

【出演】中島健人 小芝風花 赤楚衛二 佐久間由衣

髙橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.) 宇垣美里 寒川綾奈 村瀬紗英 山田桃子

/ LiLiCo 木村祐一 菅原大吉 / 本多力 片瀬那奈 他

【原作】「彼女はキレイだった」ⒸMBC /脚本 チョ・ソンヒ

【脚本】清水友佳子、三浦希紗

【音楽】橋本由香利

【主題歌】Sexy Zone「夏のハイドレンジア」(Top J Records)

【オープニング曲】Awesome City Club「夏の午後はコバルト」(cutting edge)

【制作】カンテレ、共同テレビ