政府開発援助(ODA)の実施体制や国際協力機構(JICA)の組織について見直し論が再燃する兆しが出ている。

 JICAが2017年度、予算管理の「不手際」(関係者)から、途上国でODA事業を実際に手がけるコンサルタント会社などに対し、事業計画の見直しや発注の絞り込みなどを依頼する事態に陥っていることが発端だ。ODAのうち、主に「技術協力」と呼ばれる分野を中心に16年度予算に計上した事業の執行率が例年に比べ高くなり、17年度の予算を超過する恐れが生じたためだという。大まかには、JICA内の調整がうまくいかなかったことが理由だ。

 JICAは08年、旧国際協力銀行(JBIC)の有償資金協力部門などと統合し、現在の体制になった。しかしその後、旧JICA側と旧JBIC側の職員の連携不足や、地域ごとにODA案件を扱う「地域部」とテーマや課題ごとに案件を扱う「課題部」の間の調整不足が課題として指摘され続けてきた。そのため今回生じた事態をきっかけに、改めて体制見直しの必要性を指摘する声が上がっているというのだ。

 今回の事態は途上国の信用低下を招きかねない。ODAは途上国との調整を経て実施するものであるためだ。JICAは安倍政権が力を入れるインフラ輸出の一端をも担う。問題の広がりも懸念されている。