「これはアメリカの仕業だ」──。11月19日、東京地検特捜部に金融商品取引法違反の容疑で逮捕された日産自動車前会長のカルロス・ゴーン氏が、東京拘置所に接見で訪れたレバノン大使館関係者に対して、逮捕の背景に米国の意向があるとの見解を漏らしたという。

 消息筋によると、レバノン国籍を持つゴーン氏を大使館関係者が東京拘置所で接見した際、ゴーン氏は冒頭の言葉を真っ先に述べた。その上で同氏は、CEO(最高経営責任者)を務めていた仏ルノーが、イランで進める合弁事業に関連した報復との見解を示したという。

 ルノーは昨年8月、イランで新たな合弁会社設立を発表し、同社がイランに持つ年間20万台の生産能力を15万台分引き上げるとした。AFP通信によると、ゴーン氏は今年6月、ルノーの株主総会で、「ルノーはイランから手を引かない」と強調。一方で、イラン関連で「ルノーの利益を損なうつもりはない」と述べた。

 しかし、トランプ米政権は今年5月、イラン核合意から離脱。11月にイラン産原油の輸入禁止を各国に求める経済制裁を再発動し、各国に同調を求めている。ゴーン氏のコメントに関してレバノン大使館は「取材には応じられない」と回答した。