市岡繁男・相場研究家

 英BP社が2019年版エネルギー統計を発表した。注目は、米国の石油産出量(含む天然ガス)が2位のロシアを大きく引き離し、5年連続で世界一となったことだろう。米国の年間石油産出量は08年からの10年間で6.1億トン、79%も増加した。この期間に世界全体では12.1億トン増産しているので、いかに米国の寄与度が大きいかが分かる(図1)。言うまでもなく、シェールオイル・ガス開発が進んだ影響だ。

 一方、同時期に世界の年間石油消費量は12.3億トン増加し、うち中国が4.2億トンを占めた。つまり、中国は米国が増産した石油6.1億トンの3分の2を消費したわけで、両国は相互補完関係にあったと言えよう。

 欧州連合(EU)の年間石油消費量が、この10年間で11%(1.3億トン)も減少していることも要注目だ(図1)。これは自動車の燃費改善効果もあるが、欧州各国がエネルギー源を太陽光や風力などの再生可能エネルギーにシフトさせている側面が大きいのだろう。



 例えばドイツでは、この10年間で石油・ガスの消費量が1100万トン減少する一方で、再生可能エネルギーは石油換算で3100万トンも増加した。エネルギー消費全体に占める再エネの割合も08年の5%から昨年は15%に上昇している。ちなみに日本の再エネの比率も1%から6%になっている。