多様性生かした総合力で成長

── 新型コロナウイルスの影響は。
原 株価下落などによる運用関連の損失が600億円、海外では展示会などのイベントが中止になって興行中止保険への支払いが200億円程度と見込まれます。さらに自動車販売が減少すれば自動車保険の売り上げが落ちるし、住宅が売れないと火災保険も売れません。収入保険料は落ち込むと考えています。

── 感染症による休業を補償する保険がありますが、新型コロナは対象ではありませんでした。ですが、特別対応を取りました。
原 休業補償の支払い条件には、感染症が具体的に列挙されています。コロナはその中に入っていませんでした。しかし今回コロナを対象にして、2月までさかのぼり、お見舞金の意味で一律20万円を支払うことにしました。ただし、感染者が出て休業を余儀なくされた場合などが対象で、自治体の休業要請などで休んだ場合は、申し訳ありませんが対象外です。

── 6月からセブン─イレブンを通じてがん保険の販売を始めました。ユニークな取り組みですね。
原 セブン─イレブンとはすでに自転車保険やレジャー保険で提携していますが、がん保険でも提携しました。パソコンやスマホで申し込み手続きをして、セブンの店内に設置されている「マルチコピー機」に予約番号などを入力。レジで実際の保険料を支払うというのが主な流れです。契約目標は年間6万件です。

── コンビニで生命保険を買う人が多くいるのでしょうか。
原 コンビニで保険というのは想像しづらいかもしれません。確かに一般の死亡保険は、保険販売員といろいろ相談しながら、人生設計に応じた商品を選んでもらうのが普通です。しかし、がん保険はがんというリスクをはっきり想定した「リスク顕在型」の商品で、普通の生命保険とは性格が違います。こうした自らの意思で明確なリスクに備える保険商品に絞って販売していきます。

── 国内では新車販売台数が減っています。主力商品の自動車保険への影響はどうですか。
原 確かに販売台数は減っていますが、保有台数はそこまで減っていません。しかし、カーシェアリングなどが拡大し、自動車業界に影響を与えています。一方で、コロナの影響で中国や米国では公共交通機関ではなく自家用車で動く人が増えているそうです。そうなれば自動車の販売やそれに伴う保険も増える可能性があります。交通だけでなく、非接触指向など生活様式は大きく変わるでしょう。我々もそれに対応して変わっていかなければなりません。

── 走行データなどを活用する「テレマティクス保険」の開発に取り組んでいますね。
原 あいおいニッセイ同和損保が中心にトヨタ自動車とともに推進しています。トヨタの車から送られてくる運転データを集め、急発進や急ブレーキをしていないかなど運転の挙動をもとに保険料を割り引く仕組みです。また1月からはドライブレコーダーを使った保険の販売も始めました。ドライブレコーダーで通信し、安全運転のスコアに応じて保険料が最大8%割り引きされます。5月末で販売は12万件を突破しました。