(高塚一・JETROミュンヘン所長)

 ドイツの恒例行事である「クリスマス市」の開催が、新型コロナウイルスの影響で今年は中止となりそうだ。クリスマス市とは、12月のクリスマスに向けて国内の各地で行われる催しで、街の広場などに露店が並び、クリスマスの飾りや雑貨などが売られる。温かいワインを飲みながら、市を歩くのはドイツ人にとって季節の風物詩となっている。

 ドイツ国内では大小含め約3000のクリスマス市が開かれる。開催の可否は各都市が判断するが、すでにフランクフルト、デュッセルドルフに加え、南部バイエルン州のニュルンベルクも開催中止を発表している。同州の最大都市ミュンヘンでは、スペース拡大による対人距離の確保やアルコール類の飲み歩き禁止などの措置を打ち出した上でクリスマス市の開催を予定しているが、感染状況次第で中止もありうるという。

 ミュンヘンでは新型コロナを理由に210年の歴史のあるビールの祭典「オクトーバーフェスト」が中止になったばかり。同市によると、オクトーバーフェストの中止によって12億ユーロ(約1490億円)の収入が消え、1万3000人の雇用に影響したという。伝統行事の相次ぐ中止の影響は大きい。