(傍嶋健・JICAインド事務所)

 今年1月、総合飲料メーカーのキリンホールディングスはインドの新興クラフトビール製造企業のビーナインビバレッジズに出資すると発表した。インドにおけるクラフトビールの有望性と需要拡大が、見込まれるためだ。

 インドのビール消費量は世界第13位だが、対前年増加率はプラス5・7%と高い伸び率を示している(2018年)。インドではユナイテッド・ブルワリーズ・グループが製造するインド産ビールのブランド、キングフィッシャーが2位を大きく引き離して全国シェアの30%以上を占めていた。そこにビーナインビバレッジズが15年、「新テイストの国産クラフトビール」を掲げて新規参入。

 同社のマーケティング戦略もユニークだ。都市部の若者をターゲットに据え、人目を引くラベルデザインやキャラクターは、9カ月をかけて練り上げられた。

 ベルギー国内の醸造所に起源を持つ甘くてフルーティーな風味は、男女ともに好評で、若者を中心にSNS(交流サイト)などで爆発的に広がった。現在は都市部における消費量の約1割を占めており、ビール業界に新たな風を吹き込んでいる。