ロシア モスクワで市営電気バス約700台=浅元薫哉
 ロシア政府は8月23日、2030年までの電気自動車(EV)の生産・利用促進に関する構想を公表した。充電スタンドの設置やEVの購入への補助金による需要喚起とともに、供給面ではEVやバッテリーの国産化の推進を掲げる。30年までに自動車市場の15%をEVとするのが目標だ。気候変動対策よりも新産業創出の色彩が強い。

 しかし、EV市場の拡大には懐疑的な見方がある。EVはガソリン車と比べて価格が高く、ロシア西側で流通するEV新車はテスラ、ポルシェといった高級ブランド車が中心で、購入は富裕層で環境意識の高い消費者に限られるのが現状だ。また、消費者の多くはロシアの厳しい寒さの中でEVが十分に性能を発揮できるか疑問を持っている。EVの販売は年々伸びており、21年初時点のEVの登録台数は1万台を突破したが、登録車全体でみると0・02%と存在感はまだまだ希薄だ。

 一方、比較的普及が進んでいるのが電気バスだ。モスクワでは18年から市営バスに電気車両を導入し、地場メーカー製の約700台が運行。一部の電気バスには東芝製リチウムイオン電池が使われている。今後も台数を追加する計画だという。

(浅元薫哉・JETROモスクワ事務所)