心筋梗塞をはじめ、重たい病気のリスクが気になる40代男性は多いはず。そうした病気の兆候を発見するために役立つのが、定期的な血圧の測定だ。自分で測定するために欠かせない、家庭用血圧計の選び方や使い方のポイントを、慶應義塾大学保健管理センター所長・教授の河邊博史さんに聞いた。

■今回のアドバイザー

河邊博史さん


慶應義塾大学保健管理センター所長・教授。高血圧学会専門医・指導医。専門は家庭血圧測定の臨床応用、メタボリックシンドロームを中心とした高血圧など。著書に「初めて知る高血圧」がある。

携帯するなら手首式、より正確に測定したいなら上腕式の血圧計がオススメ


河邊さんによれば、一般に販売されている家庭用の血圧計には2つのタイプがあるという。タイプによって、どのような違いがあるのだろうか?



河邊さん「家庭用血圧計には、上腕で測定するタイプと手首で測定するタイプの2種類があります。医師の立場からいえば、より正確に血圧を測定できる『上腕カフ血圧計』を推奨しています。手首で測定するタイプの血圧計も利便性・携帯性に優れているので捨てがたいのですが、手首の動脈は骨や腱のような硬い組織に包まれており、完全に血流を遮断できないため、測定値に誤差が生じやすい点に注意が必要でしょう」



ちなみに最近では、深夜睡眠時の血圧を測ることができたり、インターネットを介して測定値を病院に転送して遠隔地治療に利用できたりする血圧計も開発されているそうだ。


日常的に血圧をチェックすることで心筋梗塞、脳血管障害などの病気の予防も可能に


自分で定期的に血圧の測定を行うことで、大きな病気以外の不調にも気づきやすくなるという。



河邊さん「毎日血圧の測定を続けることで、自分の体調の変化を早期に捉えることができます。たとえば、風邪気味の状態では、血圧値は普段よりやや高くなることが多いです。他にも、前日にお酒を飲み過ぎたり、睡眠時間が普段より短いとき、心配事で悩んでいるときにも血圧は高くなりがちです。



特別なケースがないのにもかかわらず、早朝時の血圧が高い場合、心筋梗塞や脳血管障害のリスクが高くなることが明らかになっています。もし1週間平均で上の血圧が135mmHg以上、下の血圧が85mmHg以上の数値が続くようなら、何らかの病気の心配があるので、すぐに医師に相談してください」


血圧を測るのは起床後1時間以内と就寝直前の1日2回で充分


自宅で血圧を測る際に気をつけなければならない点もあるという。



河邊さん「血圧値をあまりに気にしすぎるあまり、1日に何度も測定する人もいるようですが、基本的には起床後1時間以内と就寝直前の2回測定すれば十分です。血圧は本来変動するものなので、その値に一喜一憂せずに1週間の平均値で判断するくらいの気持ちでよいと思います。ただし、尿を我慢していたり、食事を摂ったりしたときにも血圧は変動しますので、朝の測定は排尿後や食事前にしてください。



また、寒いからといって厚手のシャツや上着の上からカフを巻いて、測定する人もいますが、測定誤差が大きく生じることがあるので、必ず素肌か薄手の肌着の上に巻いて測定してください」


最後にアドバイザーからひと言


「ぜひ日頃から血圧を測定する習慣をつけて、病気予防をこころがけましょう」