ちょっと最近太ってきたなあ…と感じたら、多くの人は慌ててダイエットを意識するはず。健康を意識するゆえもあるが、太っているより痩せていた方が、異性にモテるのではないかというイメージもその大きな要因だろう。

もちろん人の好みはさまざまだから、世の中には太めを好む人だっている。けれど、やはり相対的には不利な印象は拭えない。早く彼女を見つけたい身からすると、やはり体型維持に努めたいところだが…。心理学者の内藤先生に伺った。



■今回の講師

内藤誼人


心理学者、立正大学特任講師。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。アンギルド代表。近著に『なぜ、島田紳助は人の心をつかむのがうまいのか?』(廣済堂出版)、『手にとるように社会心理学がわかる本』(かんき出版)、『A or B?』(ダイヤモンド社)など。


体型と恋愛経験に対する先入観というのはかなり強い


内藤先生「肥満は必ずしも恋愛の機会を奪うものではないとする研究結果が、アメリカの心理学者によって発表されているんですよ。『肥満=モテない』というのは、案外ただの思い込みかもしれません」



そう語るのは、心理学者の内藤誼人先生だ。これは次のような実験によって証明されているという。



内藤先生「米ニューメキシコ大学の心理学者マリー・ハンス氏はまず、集めた被験者 の恋愛経験をつぶさに採録し、同時にそれぞれの体型を記録。その結果を照合したところ、肥満体型の人でも標準体型の人とほとんど変わらない恋愛経験を積んできていることがわかりました。太っているからといって女性とデートする頻度が低いということはなかったんです」



ただし、実際の恋愛経験は変わらなくても、イメージには顕著な違いがあったそうだ。



内藤先生「ハンス氏はさらに、太っている男性と痩せている男性、太っている女性と痩せている女性、各3人ずつ計12人分のポートレートを用意して、被験者にそれぞれの恋愛経験の“量”を推測させました。すると、自身が太っていて、かつそれなりの恋愛経験を積んでいる人であっても、太っている他人については“あまり恋愛をしていないだろう”と思い込んでしまう傾向が明らかになったのです」



これはそれだけ、体型が誤解を与えることの証しである、と内藤先生は考察する。



内藤先生「太っていながら普通に恋愛をしてきた人ですら、こうした誤解をしてしまうわけですから、体型と恋愛経験に対する先入観というのはかなり強いことがうかがえます。でも、実際は思われているほど、肥満は恋愛に不利ではないんです。だから太ってもいい、というわけではありませんが、あまり過剰にダイエットを意識する必要もないのかもしれませんね」



つまるところ、健康維持のためにダイエットは大切だが、こと恋愛においてはやっぱり中身で勝負すべきということのようだ。