「いつかはファーストクラスに乗って世界を飛び回りたい」。これは、海外出張の多いビジネスマンなら誰もが抱く夢だろう。料金はビジネスクラスの倍以上、シートや機内食も最上級のクオリティ、手厚いサービスでVIP待遇を味わえるファーストクラスは、大人の男の憧れのひとつだ。なかでも、エミレーツ航空が導入した個室タイプの「プライベートスイート」は、メルセデス・ベンツ『Sクラス』の内装をモチーフとした超豪華なファーストクラス。まさしく「動くラグジュアリーホテル」なのである。

贅沢な空の旅にこだわる航空会社とメルセデス・ベンツがコラボしたファーストクラス


エミレーツ航空はドバイを本拠地とするUAE(アラブ首長国連邦)の航空会社だ。そうした地理的な特性もあり、大型航空機によってアフリカから南米まで、世界のほぼ全域をカバーしている。



じつは近年、アメリカなどの大陸横断路線では、ファーストクラスが姿を消しつつある。「できるだけ1機に多くの乗客を乗せたい」というのが航空業界のトレンドで、高いクラスの座席を望む乗客にはビジネスクラスやエコノミークラスにプレミアムオプションを加えて対応する航空会社も多い。



そんななかで、贅沢なファーストクラスにこだわり、今も「エレガントな空の旅」を提供し続けているのがエミレーツ航空だ。メインの機体はボーイング社の『777-300ER』。これは、2019年から日本の政府専用機にも使用される大型機で、そのエンジンは民間航空機として世界最大の推進力を誇る。



一方、メルセデス・ベンツ『Sクラス』は言わずと知れた同社のフラッグシップサルーン。ABS、エアバッグ、シートベルトテンショナー、ESP、ディストロニック、プリセーフなど、今多くのクルマに搭載されている装備は、そのほとんどが『Sクラス』にいち早く採用されたものだ。



この両者がコラボレーションし、『777-300ER』の座席の改修に伴って導入したのが、ラグジュアリーホテルのスイートルームを思わせる超豪華なファーストクラス「プライベートスイート」である。




メルセデス・ベンツ『Sクラス』に着想を得た超豪華で完全個室のファーストクラス


刷新された『777-300ER』の座席は3クラス354席で、新しいファーストクラスは、そのうちわずか6席しか存在しない。



ファーストクラスの配列は横3席の1-1-1。広さは1席40平方フィート(約3.7平方メートル)、シートはフルリクライニングすると長さ84インチ(約213cm)のベッドになる。この座席は床から天井までドアを備え、完全に密閉されたプライベートな空間を実現する。もちろん、室温は各個室で自由に設定が可能だ。



驚かされるのは、1-1-1の中央のシートには航空業界初となる「バーチャルウィンドウ」が設置されていること。つまり、真ん中の個室でも窓際と同じように、映像によって窓の外の景色を愉しむことができるのだ。



そして、最大のセールスポイントとなるのが、メルセデス・ベンツ『Sクラス』のように豪華で快適なインテリアである。これは、『Sクラス』の内装に感銘を受けたデザイナーが同モデルからインスピレーションを得て、3年に及ぶ開発期間を経て完成させたものだという。



シートや調度品に用いられた素材や高い水準のクラフトマンシップ、さらに各種コントロールスイッチの仕立て、魅力的な採光システム、バーチャルウィンドウをはじめとする最先端技術など、その豪華で快適な空間はまさしく『Sクラス』を彷彿とさせるものだ。




刷新された『777-300ER』は、すでに2017年12月1日のドバイ発、ブリュッセル、ジュネーブ線から運行が開始されている。



ファーストクラスの乗客は、ドア・ツー・ドアの送迎サービスとして、自宅やオフィスとドバイ空港を行き来する際にメルセデス・ベンツ『Sクラス』を自由に利用できるという。



あまりの贅沢さにため息が漏れるような超豪華な空の旅。いつの日か、こんなファーストクラスに乗って世界を飛び回ってみたいものである。