顔のシミや肌のくすみは、年齢を重ねた男性にとっても深刻な問題。予防や改善を心がける際に、まず知っておきたいのが肌の新陳代謝「ターンオーバー」のしくみだ。詳しい話を専門医に聞いた。

■今回のアドバイザー

男性専門の総合美容クリニック『ゴリラクリニック』総院長

稲見文彦さん


大手美容整形外科に10年以上勤務し、多数の研修医や新人看護師の育成に携わる。高い技術力と朗らかな人柄に定評があり、ひとりひとりに最善の治療法を提案する。テレビ番組や雑誌など、メディア出演多数。

年齢によって遅くなる肌のターンオーバー


いくつになっても若々しい肌を保ちたいのは男性も同様。そこで重要視されるのが、肌の新陳代謝を意味する“ターンオーバー”という働きだという。



稲見さん「みなさんが肌と呼んでいるのは、表皮という皮膚の一部。表皮は4つの層(基底層、有棘層、顆粒層、角質層)からなっており、表皮のなかで一番内側にある基底層が細胞分裂することで、新しい細胞(角化細胞)が生まれます。基底層で生まれた細胞は、また新たに生まれた細胞に押し上げられ、一番外側にある角質層に達して最終的にはがれ落ちます。この一連の流れがターンオーバー(角化)と呼ばれているのです」


ターンオーバーは早めるよりも適切な速さを保つのがポイント


新しい角化細胞が古い細胞を外に押し出すターンオーバー。実は、年齢や部位によって周期が異なるという。



稲見さん「ターンオーバーの速度は、体の部位によって4〜8週間ほど開きがあります。顔の肌の場合は4週間でターンオーバーが行われます。しかし、これはあくまで20代の頃の数値。ターンオーバーの速度は年齢とともには遅くなるので、40代では55日もかかるといわれています」



20代からの20年で、半分近く新陳代謝が低下するとは驚きだ。しかし、肌のターンオーバーには適切な周期があるため、早すぎても遅すぎても肌トラブルにつながるという。



稲見さん「ターンオーバーが遅くなると、日焼けなどの紫外線ダメージによって生じたメラニン色素が体の外に排出されずに残ってしまい、シミ(老人性色素斑)や、老人性イボ(脂漏性角化症)の原因になります。そのほか“肌のくすみ”も、ターンオーバーの遅れと深く関わっていますね」



一方、稲見さんによればターンオーバーが早い場合も、表皮の一番外側にある角層が厚くなり、ザラザラとした肌質になってしまうとのこと。


日中の紫外線対策と夜のスキンケアがポイント


理想的なターンオーバーの速度を保つためには、どのような対策が必要なのだろうか?



稲見さん「男性が怠りがちな紫外線対策がカギを握っています。日焼け止めを正しく使う、帽子をかぶるなどは基本中の基本。また、目から入ってくる紫外線を遮るためにもサングラスを着用してください。近年注目の『飲む日焼け止め』の活用もオススメです。



夜のスキンケアの見直しも、重要なポイント。顔や体を強くガシガシ洗うのは肌トラブルの元になるので、泡立てネットでしっかり泡立ててから、泡を肌に乗せるように洗ってください。洗顔後は化粧水で適切な保湿を心がけましょう。また、医療機関でケミカルピーリングやイオン導入などの施術を受けるのも、非常に有効な対策ですよ」



もちろん、バランスのよい食生活や適度な運動、禁煙が必要なのはいうまでもない。不規則な生活が肌の不調を招くことを、40代男性は肝に銘じよう。


最後にアドバイザーからひと言


「シミだらけの肌は、不潔でだらしない印象を相手に与え、恋愛やビジネスなどあらゆる面で悪影響を与えかねません。スキンケアを正しく学んで対策をとるのが、一人前の大人の男といえるでしょう」