大分県の特産品として知られる「かぼす」。実は、国内生産量の約98%を大分県が占めるのをご存知ですか? 3月半ばから7月頃まではハウス栽培のものが出回り、梅雨明け後、8月に入ると露地栽培のシーズンが到来。

大分県民にとっての必需品、誰もが愛してやまないかぼすについて、おいしい食べ方や人気の加工品、保存方法、さらに“かぼすあるある”を県民60人に聞きました。

かぼすのおいしい食べ方を
大分県民が教えます

大分県はかぼすの生産量が国内トップであることに加え、その多くが県内で消費されていると言います。日々の食生活に欠かせない存在だからこそ、おいしい味わい方を知っているはず。

「果汁をからあげにかける、だんご汁に入れる、刺身醤油に加える」(40代・女性・大分市)

「果汁と皮を使ったシフォンケーキと、果汁に氷砂糖を加えたドリンクがおやつの定番です」(40代・女性・日出町)

収穫前の大分県産かぼす
大分産かぼすの出荷はなんと一年中。3月〜7月にハウス、8月〜9月に露地期の栽培が旬を迎えます。10月〜翌2月には、露地期に収穫したかぼすを貯蔵した「貯蔵かぼす」がお目見え。(写真提供:大分県)

横半分やくし形にカットして焼き魚に搾るのはいたって当たり前。大分名物のとり天や焼きしいたけにはじまり、刺身やからあげ、そばやそうめんなど、挙げたらキリがないくらい、とにかく何にでもかけるのが大分流です。なかには、意外な組み合わせも。

「カレーにかぼす一択です」(20代・男性・日出町)

「刺身にかけて、あまった果汁はふた付き容器に牛乳と一緒に入れて振り、かぼすラッシーにします」(30代・女性・佐伯市)

「フルーツにかける。オススメは梨」(30代・男性・別府市)

とり天や焼きしいたけなど、大分県民がかぼすをかける料理や食材
名物のとり天、焼きしいたけから、刺身、からあげ、カレー、梨まで「何にでもかぼすをかける」のが大分県民のお約束!?

県外の人にとってはあまりなじみがありませんが、有名なところでは味噌汁にも入れます。使い方は各家庭でバリエーション豊か。

「皮をすりおろして味噌汁やお吸い物に入れる」(50代・男性・豊後大野市)

「皮を小さく刻み、味噌汁に入れる」(50代・男性・大分市)

味噌汁と千切りにしたかぼすのイラスト
味噌汁に入れるにしても、絞り汁、千切り、みじん切りと、好みや家庭ごとに使い方はさまざま。

かぼすは、アルコールにも欠かせません。焼酎のロックやお湯割り、ハイボールはもちろん、なんとビールや日本酒にも果汁を搾って入れると言います。また、なかにはハードリカーに合わせる強者も。

「ビールに入れると、かぼすの酸味とほのかな甘味がビールの苦みと調和して最高です」(20代・男性・大分市)

「かぼすをかじって塩をなめてウォッカ(あるいはテキーラ)を飲む」(30代・男性・佐伯市)

かぼすと日本酒やビール、サワーなどお酒
レモンやライムに比べて、風味がマイルドなかぼすは、どんなお酒との相性もバッチリ。麦焼酎の本場大分らしく焼酎はもちろん、日本酒に合わせても美味!

食べ物と飲み物、どちらにかぼすを使う場合も、果汁だけではなく皮を活用することも、大分県では一般的なようです。

大分県民あるある!
かぼすにまつわる面白エピソード

大分かぼすのマスコットキャラクター「かぼたん」
大分かぼすのマスコットキャラクター、その名も「かぼたん」。「かぼたんと一緒に写真を撮った」「かぼたんのぬいぐるみが実家にある。学生時代の同級生の家にもあった」という回答も。(写真提供:大分県カボス振興協議会)

大分県民にとってはごく普通と思えることが、県外の人からするとびっくりしたり、思わずクスっと笑ってしまうようなエピソードがいろいろあります。

なかでもうらやましいのは、「かぼすは買うものではなく、もらうもの」という声です。親戚や近所の家にかぼすの木が1本や2本生えていて、収穫を手伝ったお礼やおすそ分けをもらうことは日常茶飯事。もらいすぎて、その処理に困るという話もあるほど。

「家にかぼすの木があって、夕飯で魚を焼き始めると庭に出てかぼすを採り、もぎたて搾りたてを使っていました」(30代・女性・由布市)

「同じ日に3回かぼすをもらったことがあります(もちろん家にかぼすの木はあります)」(30代・男性・豊後大野市)

「かぼすを搾りすぎて手が荒れた」(20代・男性・日出町)

テレビですだちの紹介番組を見ているかぼたんのイラスト
かぼたんにとっても、すだちはライバル!?

よく引き合いに出される「すだち」に対しては、ライバル心!? を抱いている人も少なくないようで……。

「全国放送のテレビで、『かぼす』ではなく『すだち』が紹介されると悔しい」(40代・女性・大分市)

「関東の大学にいたとき、徳島出身の友達とからあげに何をかけるかで、『かぼす』と『すだち』でバトルになったが、周りの友達から『ほとんどレモンでしょ』と言われ、お互い言い返せなかった」(20代・男性・大分市)

お土産にもピッタリ!
ストックしておきたいかぼすアイテム

食卓には山積みのかぼすがあることも珍しくないという大分県民に、フレッシュ以外でお気に入りのものを聞いてみたところ、それぞれの推しアイテムが出揃いました。

「露地物のかぼすがあるときは1日1個必ず食べますが、ないときは〈カボスドリンク・Cサワー〉をよく飲みます」(50代・男性・国東市)

「かぼす果汁に夏ミカンの果粒が入った甘さスッキリの〈つぶらなカボス〉は、小学生時代の夏を思い出します。毎年夏になると祖母が箱で送ってくれていました」(20代・男性・大分市)

ボトル缶で販売されるカボスドリンク・Cサワー
大分県産のかぼすを使った、やわらかな酸味とほどよい甘さが感じられる〈カボスドリンク・Cサワー〉。炭酸は使っていないため、ゴクゴク飲めます。県内の農協、道の駅などで販売。1本140円(参考価格)。(写真提供:JAおおいた)

清涼飲料水、サワーといったドリンクやリキュール、かぼすポン酢やかぼすコショウなどの調味料は、季節を選ばず取り入れることができて重宝します。ほかに、コンフィチュール、ゼリー、サブレなど、おやつとしても大活躍!

「瓶詰めのカボス100%果汁を冷蔵庫に常備しておけば、いつでも搾りたての味わいを楽しめます」(20代・男性・豊後大野市)

「甘酸っぱくて爽やかな〈かぼすリキュール〉のソーダ割りがおすすめ」(20代・男性・大分市)

〈八鹿酒造〉のかぼすリキュール
創業150余年の〈八鹿酒造〉が手がける〈かぼすリキュール〉。甘酸っぱさの後にほんのりと苦みが感じられます。水やソーダで割るほか、お湯割りにするとより一層香りも楽しめます。640ml 1717円。(写真提供:八鹿酒造)

食品以外では美容グッズのおすすめも。旬の時期に収穫したかぼす果汁をたっぷり使ったフェイスマスクは、ビタミンCやクエン酸が豊富でお肌が喜ぶこと間違いなし。爽やかな香りが癒しのひとときへと誘ってくれます。

「リフレッシュしたいときに、フェイスマスクの〈九州ルルルン(カボスの香り)〉を使うと、美肌と癒しを同時に手に入れられます」(20代・女性・大分市)

フェイスマスクの九州ルルルンのパッケージ
料理を引き立てる名脇役のかぼすが主役になったフェイスマスク〈九州ルルルン(カボスの香り)〉。ビタミンC、クエン酸、ミネラルをたっぷり配合し、すっきりと爽やかな香りに包まれます。7枚入×5袋 1760円。(写真提供:グライド・エンタープライズ)

かぼすの上手な保存&搾り方テクニック

今夏、カボスを手に入れる機会があったなら、ぜひ、実践してみてほしいのが県民直伝の保存方法です。いつでも手に入るから保存を考えたことがない、という声も多かったのですが、新鮮なうちに果汁を搾ることがポイントだという意見が多数。絞った果汁を凍らせるという人も。

「果汁を搾って製氷皿で凍らせたあと、密封容器に入れて冷凍庫で保存しています。焼酎や鍋物で使いたい分を取り出してゴロッと入れればOK」(50代・女性・大分市)

かぼすを絞ってから凍らせるまでの工程
果汁を搾って凍らせておけば、使いたいときに便利!

果汁を搾るとき、覚えておくと重宝するテクニックもあります。

「横半分に切った後、ヘタ(おしり)部分もカット。ヘタの方を下にして搾ると種が入らなくて便利です」(20代・女性・豊後大野市)

そうすると、果汁が皮をつたって下に落ちるため、皮の香りもプラスされるというメリットも。

かぼすをカットして絞る様子のイラスト
径の小さい、へたもしくはおしりのほうを下にして絞るのがポイント!

収穫したかぼすのほとんどが県内で消費されるという、“幻の柑橘”。すだちやゆずは手にすることがあっても、かぼすは味わったことがないという皆さん、ぜひ、大分が誇るかぼすに注目してみてください。

*価格はすべて税込です。

credit text:池田祐美子 illustration:嶋田典彦(paper)