大分県最大の都市である大分市は、行政をはじめ商業や文化など県都として発展してきたまち。別府湾に面し、温暖な気候と緑豊かな自然にも恵まれた環境から、海や山の生き物に出合えるスポットも充実しています。

この記事では、そんな大分市ならではの体験ができるスポットを中心に、『edit Oita』編集部が厳選した1泊2日の旅のプランをご紹介します。すべて公共交通機関を利用して巡るため、車の運転ができない人でも安心して旅を満喫できますよ。

1日目はアートとイルミ鑑賞で“美”に触れる

大分空港に到着

エアライナーに乗車し約60分、JR大分駅前で下車

JR大分駅前で大分きゃんバスに乗車し約10分、オアシスひろば前で下車
※駅構内の観光案内所で、中心市街地循環バス「大分きゃんバス」の1日乗車券(200円)を購入すると、美術館の観覧料の割引が受けられるなど、お得に!

Spot01 〈大分県立美術館(OPAM)〉で
アートと建築鑑賞&ティーブレイク

〈大分県立美術館(OPAM)〉の外観
「街に開かれた縁側としての美術館」をコンセプトにつくられた美術館。実際に一部の窓は水平折戸になっていて、縁側のように開けることができる仕掛けも。photo:木寺紀雄

大分市の中心街にある〈大分県立美術館(OPAM)〉は、建物自体も芸術作品のひとつと言えます。フランスの〈ポンピドゥーセンター・メス〉などを手がけた建築家・坂茂さんが設計し、木材に大分県産の杉や松、床材に日田石を使うなど、県産材にこだわってつくられました。展示作品だけでなく、建築にもぜひ注目してみてください。

カフェシャリテの内観
アート鑑賞のあとはカフェで休憩。坂さんの作品でよく用いられる紙管を使った内装デザインが特徴です。photo:木寺紀雄
Information
大分県立美術館(OPAM)
address:大分県大分市寿町2-1
tel:097-533-4500
access:JR大分駅から徒歩約15分、大分きゃんバスで約10分
開館時間:10:00〜19:00(金・土曜〜20:00、入場は閉館の30分前まで)
休館日:原則無休
web:大分県立美術館(OPAM)公式ホームページ
Information
カフェシャリテ
tel:097-578-7788
営業時間:11:00〜17:00
定休日:不定休(原則年中無休、臨時休業日あり)

オアシスひろば前から大分きゃんバスで約15分、大分市美術館で下車

徒歩すぐ

Spot02 〈大分市美術館〉で大分にまつわるアートを鑑賞

〈大分市美術館〉外観
安藤泉の『遊星散歩』がエントランスでお出迎え。

緑豊かな〈上野丘子どものもり公園〉内にある〈大分市美術館〉。豊後地方に伝わる南宗画「豊後南画(ぶんごなんが)」や、大分市にゆかりのある画家による絵画などを収集しており、コレクション展でこれらの作品を観ることができます。特別展では、時に地元と密着しながら、さまざまなテーマで優れた分野の美術を紹介しています。

コレクション展の様子
年に数回入れ替えられるコレクション展。※写真は過去に開催されたものです。
Information
大分市美術館
address:大分県大分市大字上野865
tel:097-554-5800
access:JR大分駅から大分きゃんバスで約9分
開館時間:10:00〜18:00(最終入場17:30)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日) ※第1月曜は開館し、翌火曜が休館(ただし特別展会期中の火曜は開館)、12月28日〜1月4日
web:大分市美術館 公式ホームページ

大分市美術館から大分きゃんバスで約15分、オアシスひろば前で下車

徒歩約4分

Spot03 〈与一〉でりゅうきゅう丼など新鮮魚介を堪能

〈与一〉の入口
2020年10月に移転。カウンター席のみのため、事前に予約しておくのがおすすめです。photo:永禮賢

アートを満喫したあとは、大分の郷土料理が自慢のお店で夕食をいただきましょう! 〈与一〉は、新鮮な魚の切身を甘めの醤油ダレに漬けてつくる「りゅうきゅう」を丼にしたメニューが名物です。使用するのは、毎朝仕入れる新鮮なブランド魚「関あじ」。そのほか、大分名物のとり天や豊後水道で獲れた新鮮な魚介を使った料理なども味わえます。

〈与一〉のりゅうきゅう丼
りゅうきゅう丼1600円(ランチは赤だし付)。photo:永禮賢
Information
与一
address:大分県大分市中央町4-1-21 OTSビル1F
tel:097-532-4714
access:JR大分駅から徒歩約10分
営業時間:11:00〜14:00、18:00〜22:00
定休日:月曜
web:Instagram|@yoichi_130

徒歩約10分

Spot04 イルミネーションに彩られた大分駅周辺を散策

ライトアップされたJR大分駅前
青紫色の光に包まれるJR大分駅前の木々。

大分市中心部をイルミネーションで彩る〈おおいた光のファンタジー2022〉。JR大分駅の府内中央口広場から昭和通り交差点までの中央通りをはじめ、〈ふないアクアパーク〉や〈若草公園〉など6か所が計43万球の光でライトアップされます。

ライトアップされた若草公園
噴水を照らす7色のイルミネーションが美しい若草公園。
Information
おおいた光のファンタジー2022
開催期間:2022年11月11日〜2023年2月14日
点灯時間:17:00〜24:00
点灯エリア:大分市中央通り、ふないアクアパーク、JR大分駅周辺、ガレリア竹町ドーム広場、若草公園、ふないサンサン通り
web:おおいた光のファンタジー2022 公式ホームページ

徒歩すぐ

Spot05 〈JR九州ホテル ブラッサム大分〉に宿泊し、温泉につかる

〈JR九州ホテル ブラッサム大分〉のスーペリアツイン室内
スーペリアツイン。木のぬくもりを感じる客室は、〈ななつ星in九州〉のデザイナー・水戸岡鋭治さんが手がけています。

1日を満喫したあとは、宿泊先の〈JR九州ホテル ブラッサム大分〉へ。JR大分駅直結のためアクセスが便利なだけでなく、大分市を代表する温浴施設〈CITY SPA てんくう〉がホテルの宿泊客は無料で利用できます。地上80mの高さにある屋上露天風呂からの眺めは圧巻で、市街地の夜景が美しい夜はもちろん、海と山を見渡せる朝の入浴もおすすめです。

〈JR九州ホテル ブラッサム大分〉の天空露天風呂
天空露天風呂では、天然温泉と高濃度炭酸泉の2つのお湯が楽しめます。サウナも充実。
Information
JR九州ホテル ブラッサム大分
address:大分県大分市要町1-14
tel:097-578-8719
access:JR大分駅から徒歩すぐ
料金:1泊9000円〜(1名あたり、税・サービス料込)
web:JR九州ホテル ブラッサム大分 公式ホームページ

2日目は海や山の生き物に癒やされる!

〈JR九州ホテル ブラッサム大分〉をチェックアウト

徒歩約6分

Spot06 〈赤レンガ館〉でお土産探し

〈赤レンガ館〉の外観
周囲でひときわ目立つ存在の赤レンガの建築は、東京駅を手がけた辰野金吾さんによる設計。photo:木寺紀雄

大正2(1913)年に旧二十三銀行として建てられ、その後大分銀行本店として長らく使用されていた建物を〈赤レンガ館〉として、1993年にリニューアル。2018年には外観や内装の一部を改装し、セレクトショップやカフェがオープン。セレクトショップの〈Oita Made Shop〉では約550種類の厳選した県産品を販売するほか、大分の新しい価値を発信する場としても機能しています。

〈Oita Made Shop〉の内観
建設当初のレンガ壁やコンクリート柱などを生かしたつくり。ところどころに戦火で炭化した木製レンガが残るなど、建物の歴史が感じられます。photo:木寺紀雄
Information
赤レンガ館
address:大分県大分市府内町2-2-1
access:JR大分駅から徒歩約6分
営業時間:10:00〜18:00(日曜・祝日は〜17:00)
定休日:水曜
web:大分銀行 赤レンガ館

徒歩約6分、JR大分駅へ

日豊本線に乗車し約6分、JR高城駅で下車

徒歩約7分

Spot07 〈王府(ワンフ)〉でランチ

テーブル席が並ぶ〈王府(ワンフ)〉の店内
昭和46年創業の中華料理店。写真提供:シティ情報おおいた編集部

電車に揺られ、やって来た高城(たかじょう)には、大分の隠れたご当地グルメ「にら豚」発祥の店といわれる〈王府〉があります。大分市は全国有数のにらの産地。そのにらと豚肉、キャベツを炒めた醤油味ベースのにら豚は、大分市民のソウルフードとして、市内約80軒の飲食店で販売されています。〈王府〉は創業当時から提供を続け、この味を求めて県内外から多くのお客さんが足を運びます。

〈王府(ワンフ)〉のにら豚
にら豚830円(2022年12月末時点の価格、ご飯は別料金)。一度食べたらやみつきになる味わい。写真提供:シティ情報おおいた編集部
Information
王府
address:大分県大分市高松東1-3-1
tel:097-558-3044
access:JR高城駅から徒歩約7分
営業時間:11:00〜15:00、17:00〜21:30L.O.
定休日:火曜
web:王府

徒歩約4分

Spot08 〈キューティートップス〉でデザートにジェラートを

〈キューティートップス〉の外観
ジェラートを模した可愛らしいオブジェが目印。写真提供:シティ情報おおいた編集部

にら豚を堪能したあとは、デザートにジェラートをいただきましょう。〈キューティートップス〉は、地元民に愛される自然食100%のイタリアンジェラートが自慢のお店。常時28種類のフレーバーを揃え、なかでも限界まで水を使わず果汁の水分をメインにつくられる「限界シャーベット」は、店主・後藤寛さんこだわりのイチオシ。果実のおいしさが凝縮した、ほかにはない味わいが楽しめます。

3種類のジェラート
約60種類あるフレーバーの中から季節などに合わせて入れ替えられます。写真提供:シティ情報おおいた編集部
Information
キューティートップス
address:大分県大分市高城本町4-21
tel:097-558-6606
access:JR高城駅から徒歩約6分
営業時間:13:00〜21:00
定休日:月・木曜
web:キューティートップス 公式ホームページ

徒歩約6分、JR高城駅で日豊本線に乗車

日豊本線で約6分、JR大分駅で下車

徒歩すぐ、JR大分駅前から大分交通バス(別府方面行)に乗車

大分交通バスで約25分、高崎山自然動物園前で下車

徒歩すぐ

Spot09 〈大分マリーンパレス水族館 うみたまご〉で
海の生き物と触れ合う

〈大分マリーンパレス水族館 うみたまご〉の大回遊水槽
県南のリアス海岸を再現した疑岩の周りを約90種1500匹もの魚が泳ぐ大回遊水槽。

“動物となかよくなる”がテーマの水族館。目の前に広がる豊後水道に生息する魚介類をはじめ、イルカやセイウチなど、さまざまな生き物に出合うことができます。なかでも、屋外に位置したパフォーマンスエリアでは1日5回、イルカやセイウチによる大迫力のパフォーマンスを観ることができます。

セイウチの体にふれる子ども
パフォーマンス後のふれあいタイムでは、セイウチの体に直接触れることもできます。
Information
大分マリーンパレス水族館 うみたまご
address:大分県大分市大字神崎字ウト3078-22
tel:097-534-1010
access:JR大分駅から大分交通バスで約25分、JR別府駅から大分交通バスで約15分
営業時間:9:00〜17:00(GW・夏休み時期は時間延長あり)
休館日:2023年1月17日〜19日の3日間
入館料:大人(高校生以上)2600円、小人(小中学生)1300円、幼児(4才以上)850円 ※3才以下は無料
web:大分マリーンパレス水族館 うみたまご 公式ホームページ

徒歩約4分

Spot10 〈高崎山自然動物園〉で野生のサルに出合う

〈高崎山自然動物園〉の「サル寄せ場」
餌付けの時間になると、サル寄せ場には多くのサルが集まってきます。

野生のニホンザルに餌付けを行っていることで知られる〈高崎山自然動物園〉。国の天然記念物に指定されている高崎山のサルたちを間近に見ることができる貴重な場所です。30分ごとに与えられる小麦のほか、リヤカーに大量のイモを乗せてサル寄せ場を駆け抜ける職員にサルが群がるイモ取り競争は、同園の一番の見どころ。2023年3月に迎える開園70周年を目前に、3月まで毎週土曜日にはイベントが開催されています。

来園客の間を歩き回るサルたち
餌付けの時間にサル寄せ場の柵の前で足を開き、その間をサルがくぐると幸せが舞い込んでくるという言い伝えも。
Information
高崎山自然動物園
address:大分県大分市神崎3098-1
tel:097-532-5010
access:JR大分駅から大分交通バスで約25分、JR別府駅から大分交通バスで約15分
営業時間:9:00〜17:00(最終入園16:30)
休園日:無(年に数日程度の臨時休園あり)
入園料:大人・高校生520円、小・中学生260円 ※小学生未満は無料
web:高崎山自然動物園 公式ホームページ

徒歩約3分、高崎山自然動物園前から大分交通バス(別府方面行)に乗車

大分交通バスで約15分、別府北浜で下車。別府北浜からエアライナーに乗車

エアライナーで約45分

大分空港に到着

大分市のアートと生き物に触れるプラン、いかがでしたか? 大分市ならではの都会と自然をほどよく体感できる環境も相まって、普段の生活では味わうことのできない癒やしを得ることができたのではないでしょうか。大分旅行の際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。

*価格はすべて税込です。

credit text:柿崎真英