
大分県が誇るご当地グルメのひとつ「とり天」。鶏モモ肉や胸肉に、醤油やニンニクで下味をつけ、天ぷら粉で揚げたあと、特産品のかぼすを搾り、練りからしを添えた酢醤油やポン酢などで味わう料理です。大分県では昭和の時代より、別府市や大分市の飲食店で提供され、ソウルフードとして親しまれてきました。今回は、特にオススメしたいお店をピックアップ!
とり天発祥の地といわれる別府市でその味を堪能
老舗の源流の味を堪能〈レストラン東洋軒〉

“とり天発祥の店”を謳う〈東洋軒〉は、初代が天皇の料理番を務めたことでも名高い大正15年創業の老舗。行列必至にもかかわらず、連日多くのファンが元祖の味を求めて足を運びます。

「本家別府とり天」は、宮崎や鹿児島の九州産鶏モモ肉を丁寧に下処理し、特製の醤油とニンニク、ゴマ油で味つけ。朝採れの全卵に小麦、片栗粉を混ぜ合わせた衣をつけ、165〜170℃の油で3〜4分揚げると出来上がりです。
しっとり、柔らか、ジューシーなとり天を、まずはそのまま、さらに地元の醤油店に独自にブレンドしてもらったかぼす酢醤油とからしをつけてどうぞ。一番だしに柚子を合わせた「本家柚子とり天」もオススメです。
address:大分県別府市石垣東7-8-22
tel:0977-23-3333
access:JR別府駅から車で約10分
営業時間:11:00〜15:30(15:00L.O.)、17:00〜22:00(21:00L.O.)
定休日:第2火曜
web:レストラン東洋軒
ふわっとジューシー!
伝統の味に舌鼓〈グリルみつば〉

別府の繁華街の中にあり、温かい雰囲気の〈グリルみつば〉。地元の人たちからこよなく愛され、観光客らが気軽に訪れる老舗の洋食店です。祖父である初代から味をしっかりと継承し、3代目の山本雅彦さんがお店の暖簾を守り続けています。

人気の「とり天」は下味をつけた若鶏を、全卵を使ったフリッター系のふわっとした衣で包んで揚げており、普通はポン酢や酢醤油で食べるところを、ここでは甘めの自家製タレがたっぷりとかけられています。
肉はふわっとやわらかくジューシーで、口の中にタレの風味と鶏の旨みが広がっていきます。ひと口サイズの大きさながら、ボリュームがしっかりあるのも人気の理由。添えられたキャベツで箸休めをしながら心ゆくまで堪能しましょう。
address:大分県別府市北浜1-4-31
tel:0977-23-2887
access:別府駅から徒歩約10分
営業時間:11:30〜14:00(13:30L.O.)、18:00〜21:00(20:00L.O.)※月曜は昼営業のみ
定休日:火曜
web:グリルみつば
大分市は「地元住民おなじみの味」が多数!
ボリュームたっぷり元祖とり天を食べるならここへ!
〈キッチン丸山〉

とり天の起源は諸説ありますが、大分市のとり天の草分け的存在である〈キッチン丸山〉は、昭和30年代に店主の丸山尚美さんが兄弟子たちと一緒に“新しい鶏料理をつくろう!”と奮起。骨なしの鶏モモ肉をひと口大にして揚げ、ポン酢にからしを溶いて食べる、いまの姿を確立しました。

衣をつけた鶏肉は、ジューシーかつあっさりしていて、洋食屋ならではの平皿に盛られたご飯が進みます。肉を寝かせる時間やタレの酢加減は季節によって微調整し、フライヤーは使わずに、ふたつの平鍋で火加減を調節しながら次々と揚げていく熟練の味。お昼時には、ビジネスマンや観光客で行列ができるほど、老若男女に愛される洋食店です。
address:大分県大分市顕徳町1-6-15
tel:097-537-5538
access:JR大分駅から徒歩約10分
営業時間:11:00〜14:30 ※とり天はなくなり次第終了
定休日:日曜・祝日
50年以上愛される、みんなの母の味
〈美味なかよし〉

1971年の創業当時から厨房で腕を振るう店主・仲恵美子さんは、みんなのお母さん的存在。メニューは「鳥天定食」に「日替り定食」、とり天と日替わりのメイン両方が楽しめる「なかよしセット」の3種類があり、客のほとんどが注文するのがとり天です。
注文を受けてから人数分の衣を溶き、揚げる直前にモモ肉にまとわせ油切れをよくするのがポイント。ピリリと辛い自家製ダレをつけるので、下味は控えめに。外はカリっと中はふわっとジューシーなとり天を求めて、地元のみならず観光客も列をなします。

ひと口大のとり天がゴロゴロと11個ほど盛られているので食べ応えも十分! 「おいしかった」「ごちそうさま」の声が溢れる、温かい母の味を食べに行きませんか。
address:大分県大分市東春日町10-1
tel:097-534-2234
access:大分ICから車で約10分
営業時間:11:00〜14:00 ※なくなり次第終了
定休日:土・日曜、祝日(不定休あり)
地元住民も観光客も“トリ”コにする、
郷土料理と出合える店〈郷土料理 こつこつ庵〉

ビジネスマンから学生、観光客まで、多くの人が温かな郷土の味を求めて足を運ぶ〈こつこつ庵〉。昭和46年(1971年)の創業時から大分の郷土料理を提供。手延べのだんご汁や関あじ・関さば、新鮮な近海の魚のお造りなど、仕入れから仕込みまで一切手抜きをしない料理が並びます。

先代の味を2代目が守り、いまなお愛され続けているこつこつ庵のとり天は、鮮度が高く、旨みのあるモモ肉を使用。練りからしを溶かした特製酢醤油で味わいます。ご飯のおかずとしてはもちろん、お酒のおつまみにもぴったり。九州の焼酎や地酒、地ワインなども多く取り揃えているので、ぜひ一緒に味わってみて。
address:大分県大分市府内町3-8-19
tel:097-537-8888
access:JR大分駅から徒歩で約10分
営業時間:11:30〜14:30(14:00L.O.)、17:00〜22:30(22:00L.O.)
定休日:日曜(月曜が祝日の場合は日曜営業、月曜休み)
web:郷土料理 こつこつ庵
まだある! 地元で人気の穴場のとり天
ソフトな食感を求めて“ピットイン”
〈ドライブイン 民宿 ピットイン〉

あと数分で熊本県へ入るという県境の竹田市に、約半世紀にわたり夫婦で営む食堂〈ピットイン〉はあります。その立地から、トラックドライバーやライダーたちの御用達。ほかにも地元の人やお出かけ好きの母娘など、さまざまな客層の人たちが足を運びます。
名物は「ちゃんぽん」、そして「とり天定食」。箸で持っただけでわかるほどの超ソフトな食感に驚く、ファンの多い一品です。新鮮な肉を使うだけでなく、肉の繊維の方向を考えて切ることで、柔らかさが生まれるのだそう。

朝7時から営業しているので、周辺の宿からチェックアウトしてちょっと早い時間帯に訪れることができるのもうれしいポイント。田舎のおじいちゃんおばあちゃんの家のような、どこかホッとする雰囲気の店内で、存分に味わってください。
address:大分県竹田市菅生1247-27
tel:0974-65-2279
access:JR豊後荻駅から車で約10分
営業時間:7:00〜18:00
定休日:日曜
“天つゆ”で味わうしっかり食感のとり天
〈ドライブインはねやま〉

連日お昼時になると、地元の人たちや観光客など、多くの人で賑わう〈ドライブインはねやま〉。定食をはじめさまざまなメニューがありますが、なかでも“はねやま御三家メニュー”ともいえるのが「チャンポン」、「ホルモン定食」、そしてこの「とり天定食」です。
ボリュームが魅力で、衣は天ぷらとから揚げの中間のようなシッカリ&サックリ食感。これをポン酢や酢醤油ではなく、天つゆで食べるのがはねやま流です。白ご飯との相性は抜群で、天つゆにダイブしたとり天をパクッ……ご飯が進みます。

およそ50年前から元気に営業する、地元の人たちの「愛され食堂」へ、足を運んでみてはいかがでしょうか。
address:大分県玖珠郡九重町右田2005
tel:0973-76-3077
access:JR引治駅から車で約5分
営業時間:11:00〜15:00L.O.、17:00〜21:00(20:00L.O.)
定休日:日曜
あなたの「フェイバリットとり天」はどれ?
衣の柔らかさや下味の味つけ、酢醤油、ポン酢、天つゆ……何につけて食べるかなど、お店によって千差万別。「ここのとり天がおいしい」「自分はここが一番!」というように、大分の人たちは「フェイバリットとり天」がある人も多いのです。ぜひ食べ比べをしてみて、お気に入りのとり天を探してみてくださいね。
*価格はすべて税込です。
credit edit:シティ情報おおいた編集部