ヤマハ「RMX VD」の新モデルを契約プロである高木優奈がテストラウンドするということで、特別に同行取材させてもらいました。ツアープロは新しいクラブをどうやって選び、どのような評価をしたのでしょうか。

新しい「RMX VD」ドライバーの「M」と「X」をテスト

 8月某日、ヤマハ契約選手の高木優奈プロが「RMX VD」の新モデルをテストするというので、特別に同行取材をさせてもらいました。新「RMX VD」は神谷そらプロも変更後に優勝するなど話題になっていたモデルです。

 高木プロが最初にテストしていたのは「RMX DRIVER VD/M」と小さく刻印されたドライバー。特徴的な可変ウエートがフェースと垂直方向に走っていて、重心深度を変えられるようになっているようでした。このドライバーを中心に現在使用中の前モデルと何度も打ち比べていました。

ヤマハの新「RMX VD」をテストした高木優奈プロ
ヤマハの新「RMX VD」をテストした高木優奈プロ

 ヤマハの担当者は、他にも「RMX DRIVER VD/R」と刻印された少し小ぶりなヘッドが特徴的なアスリート向けモデルと「RMX DRIVER VD/X」というソール部にスライドがない3つの中では一番やさしいモデルを用意していました。

 テスト中の高木プロに新しい「RMX VD」ドライバーについて話を聞くと、

「最初は中間の『M』を中心に試打していたんですけど、顔は一番やさしいモデルの『X』のほうが好きですね。ネック側のシュとした感じがいいですね、構えた時のイメージが出しやすかったです。実際に距離も出ているので」

「最初は『M』がバッチリで、使えば使うほどしっくりくると思いました。『X』はクセがないので、あまり考えないでナイスショットが出ました。これって大切なんですよね」と2つのモデルで決めかねている様子でした。

 プロは現在使っているドライバーから新しいモデルにチェンジするとき、何を重視しているのか聞くと、

「ドライバーではまず飛距離です。曲がりに関してはヘッドやシャフトを調整すれば大丈夫なので、やはり飛距離が伸びるかが一番のポイントです」

「次は『顔』ですね。私はつかまりそうなフェースが左を向いている顔はあまり好きではないので、どちらかというと『逃げ顔』を選びます。今回の新しいドライバーは前作と比較して10〜15ヤード飛んでいるホールがいくつかあったので、よかったです」と回答してくれました。

 最終的には「M」と「X」の2つのドライバーをさらに打ち込んで、使用モデルを決定するそうです。

 プロのドライバーテストでは、現在使っているモデルよりも新しい「RMX VD」の方が飛んでいるホールが多かっただけに、市販モデルの発表が待ち遠しく感じました。

FWとアイアンも同時に徹底テスト

 ドライバーと並行してフェアウェイウッドとアイアンのニューモデルもチェックしていた高木プロ。

「RMX VD/F」と刻印されたフェアウェイウッドにはカーボンクラウンが採用されているようでした。前作は契約外プロが何人も使用するほど人気モデルだっただけに、新モデルの仕上がりは非常に気になります。

高木プロが試打していたドライバー3機種。左から「RMX DRIVER VD/R」、「RMX DRIVER VD/M」、「RMX DRIVER VD/X」と刻印されていた
高木プロが試打していたドライバー3機種。左から「RMX DRIVER VD/R」、「RMX DRIVER VD/M」、「RMX DRIVER VD/X」と刻印されていた

「フェアウェイウッドも相当いいですね。ただ、今使っているモデルが本当に気に入っているので、チェンジするかはまだ分からないです。でも、前作に引けを取らない完成度と飛距離だと思います」

 と高木プロも絶賛していました。そしてアイアンはドライバー同様3モデルをテストしていました。男子プロが中心に使うと思われるマッスルバックの「RMX IRON VD/R」、中間の「RMX IRON VD/M」、そして大きめのヘッドで「VD40」を彷彿とさせる「RMX IRON VD/X」と刻印された3つのモデルが用意されていて、高木プロは「M」を中心に打ち込んでいました。

「アイアンは『M』で決まりです。『X』はやさしいモデルなのに左を向いていないので、顔はすごく好み。でも、ちょっとヘッドが大きすぎでした」

「前作ではアイアンのロフトを少し立てて使っていたのですが、今作の『M』はそのままのロフトでも飛距離が伸びました。なので、これまで抜いていた6番アイアンからバッグに入れています。構えた感じもシャープな顔つきでメチャクチャ好きです」と、真ん中のモデルである「RMX IRON VD/M」でほぼ決まりのようでした。

 テストラウンドではヤマハの担当者がプロの要望に応じて、シャフトを換えたり鉛を貼るなどして細かい部分までチェックしていました。飛距離や回転数などの数字はもちろんですが、それ以上に「プロのイメージに近い弾道」に近づけるための大切な作業なのだと分かりました。

 高木プロが絶賛していたヤマハの新しい「RMX VD」。正式な発表後に少しでも早く試打してみたいと感じました。

※高木優奈の高は正しくは「はしご高」

e!Golf編集部