世界のトッププロたちから長年絶大な信頼を得ているパターブランド「スコッティ・キャメロン」。その代表的モデルである「ニューポート」の5モデルが「スーパーセレクト」シリーズからラインアップされました。それぞれの違いや性能を筒康博(つつ・やすひろ)コーチが試打し、どんなタイプのゴルファーに合うのか解説してもらいました。

ルックスとフィーリングが両立した「ニューポート」シリーズ

 スコッティ・キャメロンの代表的モデルの一つ「ニューポート」が、この度「スーパーセレクト」シリーズとして5モデルラインアップされました。

 この形状のパターはブレード型といわれ、アスリートゴルファー向けのカッコよくて操作性も高い、けれど「ちょっと難しい」イメージを持つ人も多いと思います。

スコッティ・キャメロン「スーパーセレクト」シリーズのブレードタイプ「ニューポート」。それぞれを試打して特徴やゴルファーとの相性など解説しました
スコッティ・キャメロン「スーパーセレクト」シリーズのブレードタイプ「ニューポート」。それぞれを試打して特徴やゴルファーとの相性など解説しました

「パター名手」的なプロが使っているイメージがあるのが「ニューポート」シリーズですが、今回発売された「スーパーセレクト」には、細かい所で今時ゴルファーが求めるテクノロジーが採用されていました。

 スコッティ・キャメロンの代名詞ともいえるバックフェース側の3つのドットは、ミーリングによってより立体的になり高級感が増しました。フェースに施されたミーリングも今までで一番では? と感じるほど深くなっています。

 また「アイビーム」ネックデザインと呼ばれる細いスリット状のネックを採用、軽量化が施されて理想的な重量配分に寄与しています。余剰重量だけでなく、プラスアルファとしてソール部には左右それぞれ35グラムのヘビーウエートが搭載され、ヘッド自体のMOI(慣性モーメント)が大幅にアップ。美しいビジュアルだけではなく、パターとしての寛容性も追加されています。

スーパーセレクト「ニューポート」は、ソール部の左右それぞれ35グラムのウエートを装着。ネックの軽量化や深いフェースミーリングも施され、ツアープロトに限りなく近づいた
スーパーセレクト「ニューポート」は、ソール部の左右それぞれ35グラムのウエートを装着。ネックの軽量化や深いフェースミーリングも施され、ツアープロトに限りなく近づいた

「見た目はシャープでカッコいいのが好きだけど、ヘッドの重さを感じて振り子ストロークで伸びるようなパッティングがしたい」、という転がりのよいブレードタイプを求めるゴルファーにはハマるモデルではないでしょうか。

フィードバックに優れた「ニューポート2」は小さなストロークが合う

「ニューポート2」は四角い部分が強調され「スクエア感」があります。大きなストロークでゆったりストロークするより、やや小さな振り幅で「カチッ」とインパクトするタイプに向いているでしょう。

名だたるプロに愛用されている「ニューポート2」は、ブレード型の中でもよりスクエア感とインパクトのフィードバックに優れているタイプ
名だたるプロに愛用されている「ニューポート2」は、ブレード型の中でもよりスクエア感とインパクトのフィードバックに優れているタイプ

 入れごろ外しごろといわれるクラッチパットにおいて、曲がりを少なく読んで強目にヒットできるゴルファーにはハマりそうです。

 このモデルもソールの左右それぞれ35グラムのウエートが配置され、パターの総重量も540グラムを超える重量級モデルに生まれ変わりました。

3つの「プラス」モデルは吸い付くような打感と伸びる転がりが特徴

 スーパーセレクトのラインアップには、「ニューポート」や「ニューポート2」よりもヘッドの奥行が増した「ニューポート プラス」、「ニューポート2 プラス」、「ニューポート2.5 プラス」があります。

 ソール(左右のウエートは15グラムになっています)にはアルミプレートを採用し、重心深度が深くなり重心角も大きくなっているのが特長的です。

「ニューポート」、「ニューポート2」よりも5ミリほどヘッドの奥行が増した「プラス」と「2プラス」。重心角が大きくマレットのような高い寛容性が特長
「ニューポート」、「ニューポート2」よりも5ミリほどヘッドの奥行が増した「プラス」と「2プラス」。重心角が大きくマレットのような高い寛容性が特長

 ブレードの美しいシルエットは残しつつも、マレットのような安心感と高い寛容性を「たった5ミリの奥行き」で体感できるのが「プラス」。

 すっきりしたヘッドデザインを好みながら、操作性と寛容性を同時に求める欲張りなゴルファーにはオススメのモデルだと思います。

 スコッティ・キャメロン「スーパーセレクト」シリーズには5つの「ニューポート」モデルがありますが、単にデザインが違うだけではありません。ストロークイメージや操作性、寛容性がそれぞれ微妙に異なる中身に進化したパターシリーズになっています。

 所有感の高いヘッドカバーや打感がダイレクトに伝わるオリジナルグリップも、ファン好みの仕上がりになっているのはうれしいです。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール