これからゴルフを本格的に始める人であれば、ラウンド前に練習場へ通うことになるでしょう。練習場では大勢の人が並んでボールを打っているため、注意すべき点がいくつかあります。練習場でのマナーについて、レッスンプロの村井良行氏に話を聞きました。

他の利用者への配慮を忘れてはいけない

「練習場=気軽に通える場所」だと思ってマナーがおろそかになっていませんか? ビギナーからベテランまで多くのゴルファーが集まる練習場では、ゴルフ場のように厳格なドレスコードがないとはいえ、最低限のマナーが存在します。

多くの人が訪れる練習場では自分勝手な行動は絶対NG 写真:AC
多くの人が訪れる練習場では自分勝手な行動は絶対NG 写真:AC

 レッスンプロの村井良行氏は、練習場で注意すべきマナーとして「大声で騒がない」「撮影するときは人が映らないようにする」「ティーアップした状態での素振りに注意する」ことを挙げています。

 練習をする際は当然ながら集中力が求められますが、「ゴルフ場に何人かの集団でやってきて、大声で騒いだり笑い声をあげる人はビギナーもベテランも関係なくいます」と村井氏は言います。

「アメリカには練習場がディスコのような雰囲気になっていて、激しい音楽が流れる中、友人とお酒を飲んでワイワイしながらボールを打てる場所もあります。そういった場所ならいいですが、日本は騒いでもいいゴルフ練習場はほとんどないので、普通の会話くらいなら問題ないものの、基本的には静かに練習しましょう」

 携帯電話の使用も注意が必要です。着信音が流れないよう必ずマナーモードに設定するのはもちろん、通話に関しても練習場が混雑している場合は両打席の利用者に話し声が聞こえてしまう可能性が高いので、基本的には控えたほうがいいでしょう。

 また、最近ではスマートフォンなどで気軽に写真や動画が撮影できるようになったため、自分のスイングを撮ってみたいと思う人も多くいるはずです。しかし、「写真や動画撮影をするときは、他の人が映らないようにしましょう」と村井氏は注意を促します。

 練習場では飛球線の後方から撮影すれば、他の人が映りこむことはほぼないですが、体の正面側からスイングを撮影した場合は映ってしまう可能性があります。

 撮影した動画や写真を自分だけで楽しむならまだしも、他の人の顔が映っているにもかかわらず、無断でネット上にアップするのは配慮に欠ける行為です。視界にカメラが入ること自体を嫌がる人もいるため、撮影を行う際は注意が必要です。

練習場では意識が「前」に向きがち

素振りをする際は自分の「後方」にも注意を向けましょう 写真:AC
素振りをする際は自分の「後方」にも注意を向けましょう 写真:AC

 大声で騒ぐことや周囲を配慮しない撮影行為も迷惑なものですが、練習場ではちょっとした不注意が原因で他人にケガをさせてしまうケースも。

「素振りをした反動でクラブを振り戻したら、ティーアップしていたボールに当たって、後ろの通路を歩いていた人にぶつかったという事故が非常に多いです」と村井氏が例を挙げるように、思わぬことがトラブルを引き起こすこともあります。

 練習場にはボールを打ちに来ているわけですから、意識は自然と前に向かうはず。だからといって、自分の後ろを全く気にしないのは危険です。

 素振りをする際は安全のためにもティーにボールを乗せないようにしましょう。オートティーアップの練習場では振り戻しの際に絶対に当たらないよう、少し距離を取ったりと常に意識を向ける必要があります。

 練習場は服装に関する決まりも少なく、ビギナーでも通いやすいことからゴルフ場よりも身近な存在です。とはいえ、大勢の人が集まって、おのおのが練習に励んでいるため、周囲への気遣いを忘れてはいけません。

 配慮に欠けた行動が原因で「トラブルに発展した」「相手にケガをさせてしまった」となってしまっては、楽しいゴルフも台無しに。利用者全員が快適に練習をするためにも、自分勝手な行動は慎むべきと言えそうです。

LUIS FIELD