他のゴルファーに危険を知らせる「フォアー!」は、打球事故を防ぐための重要な掛け声です。とはいえ、ラウンドに慣れていないビギナーであれば、実際に聞こえてきてもどうすればいいか分からない人も多いはず。自分の身を守るための正しい対処法を、レッスンプロの村井良行氏に聞きました。

姿勢を低くして頭部を守る

 ラウンド中に「フォアー!」の掛け声が聞こえてきたら、それは自分の身に危険が迫っている合図です。ラウンド経験が乏しいビギナーであれば、適切な対応が取れる人は多くないでしょう。

 打球事故を防ぐためにも、正しい対処法を学んでおくことが大切です。

「フォアー!」の掛け声を促す看板が設置されているゴルフ場も 写真:AC
「フォアー!」の掛け声を促す看板が設置されているゴルフ場も 写真:AC

 そもそも「フォアー!」とは、英語で“Fore(前方)”という意味があり、他のプレーヤーにボールが飛んでくることを警告する言葉です。

「ラウンド中に『フォアー!』と聞こえてくることは決して珍しくありません。逆に自分が言うこともよくあります」とレッスンプロの村井良行氏は話します。

 そして、「フォアー!」の掛け声が聞こえたときに絶対やってはいけないことが、声がする方向に顔を向けること。ボールが飛んでくる方向に顔を向けることになるため、顔面にボールが当たるリスクが増加します。

 では、実際に「フォアー!」と聞こえてきた場合、どうすればいいのでしょうか。村井氏は「すぐに姿勢を低くして身を守ることが大切」と言います。

 飛んできたボールに対して、絶対に守るべき部分は頭です。すぐにしゃがんで、頭部を腕全体で覆うようにしてください。また、声が聞こえてきてからボールが飛んでくるまでにはタイムラグが生じるため、5秒ほどは身を守る姿勢を保つようにしましょう。

 ビギナーの中には「広いゴルフ場でボールが飛んできても、自分の体に当たることはほぼないのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、「打ったボールが他の人に当たることも珍しくありません」と村井氏は述べています。

 打球事故を決して人ごとだと思わず、自分が巻き込まれるかもしれないという意識を持ってコースを回ることも大切です。

帽子の着用は安全面の観点からも有効

帽子を着用してのプレーを推奨 写真:AC
帽子を着用してのプレーを推奨 写真:AC

 しかし、最近はセルフプレーが主流になっていることもあって、「フォアー!」の掛け声を発さないゴルファーの姿を目にすることがあります。残念ながら、このようなゴルファーがいる限り、いきなりボールが自分のもとへ飛んできてもおかしくないのです。

「安全のためにも、ラウンド中は帽子をかぶっていたほうがいいです」と村井氏が言うように、帽子の着用は熱中症対策やドレスコードに準ずるという意味だけでなく、打球事故の被害を抑えることにもつながります。

 ゴルフ場では誰もが打球事故に遭うリスクがあり、ボールが当たることも珍しいことではありません。自分の身を守るためには、正しい対処法をあらかじめ認識しておくことが大切です。

 自分の体を守ることはもちろん、自らがミスショットを打った際は必ず「フォアー!」と大きな声で叫び、他のプレーヤーへの注意喚起を忘れないよう心がけてラウンドを回りましょう。

LUIS FIELD