仲間内で練習場に行くと、比較的早い段階で「疲れた」という人と、まったく疲れを見せない人がいます。この差はただの体力差なのでしょうか?

ゴルフスクールで終了時間前に切り上げる人は多い

 筆者は2018年からインドアゴルフスクールに通っています。せっかくゴルフスクールに通うのであれば、できるだけ球数を打ちたいので、開始5分前に到着し、開始時間と同時にボールを打ち始め、終了時間までボールを打ち続けています。

 ところがゴルフスクールに通う人の中には、開始時間の5〜10分後に遅れてきたり、終了時間の5〜10分前に切り上げたりする人がけっこういます。

 インストラクターに理由を聞いたところ「疲れるから」だそうです。筆者(48歳男性)はゴルフが疲れるスポーツだと思ったことがなかったので、その回答に驚きました。

それほどハードではないゴルフでも「疲れやすさ」の個人差は激しい 写真:AC
それほどハードではないゴルフでも「疲れやすさ」の個人差は激しい 写真:AC

 自分が1回のレッスンでどのくらいの球数を打っているのか数えてみたところ、約80球でした。筆者はゴルフ練習場に行くと、少なくとも100球は打ちます。100球では物足りないので150〜200球打つことが多いですが、それでも疲れません。

 300球以上打つと「少し疲れてきたな」と感じます。ですから100球以下で疲れる人がいるなんて不思議な気持ちになりました。

 また、ゴルフ場でラウンドするのも、ほとんどカートに乗っているにもかかわらず「疲れた」という人がいます。

 18ホールを歩いてプレーしたら多少疲れますが、乗用カートを利用したプレーであれば全然疲れません。それでは運動になりませんから、セカンド地点からグリーンまではなるべく歩くようにしていますが、歩いているのは18ホール中6ホール分くらいでしょう。

 ゴルフは18ホールを歩いてプレーすると8〜10キロ歩くといわれています。その3分の1しか歩いていないのであれば、せいぜい3キロです。約3キロ歩いたところで、そんなに疲れるのかと心配になります。

 でも、どれくらいの運動で疲れを感じるかは人それぞれですし、幼少期からの運動経験や大人になってからの運動習慣によって大きく変わるのでしょう。

ゴルフが疲れる人にこそ長く続けてほしい

 筆者は25歳のときにゴルフを始めましたが、当時は草野球の試合に年間30試合くらい出場していましたから、野球に比べてゴルフは運動として物足りないと感じていました。

 そのころは乗用カートも今ほど普及しておらず、「ボールを打ったらクラブを3本持って走れ」といわれていましたから、ティーイングエリアからグリーンに到着するまで走り回っていましたが、それでも疲れませんでした。それなりに体力があったのでしょう。

 乗用カートが普及してからは、ゴルフはレジャーの要素が強くなってきましたから、スポーツの要素を残すためゴルフ場ではできるだけ歩くようにしました。

 ただ、自走式カートは誰かが運転しなくてはなりませんし、電磁誘導式カートも走行速度が遅いとはいえ人間の歩行速度よりは速いので、プレー進行のことを考慮すると乗ったほうがいい場面があります。やはり昔と比べて歩行距離は格段に少なくなっています。

 一方で、ゴルフが運動として物足りないと感じるのはいいことかもしれないと考えるようにもなりました。クラブを数十回振っただけで疲れたり、ゴルフ場でわずかな距離を歩いただけで疲れたりする人と比べたら体力がある証拠ですから、この体力を50代になっても60代になっても維持することが健康を保つポイントになりそうです。

 近年のゴルフブームで若いゴルファーが増えたという話を聞くこともありますが、筆者の周りでは48歳はまだ若手の部類です。逆にいうと50代や60代や70代の先輩たちが年間50ラウンド以上、全国のゴルフ場を元気に飛び回っています。

 その姿を見るとゴルフが健康維持に役立つのは間違いなさそうなので、クラブを振るのが疲れる人や歩くのが疲れる人にこそゴルフを長く続けてほしいと密かに願いながら、練習を早めに切り上げる人たちを見守っています。

保井友秀