都市部を中心に自家用車を持たないゴルファーも増加しました。そのため、ラウンドや練習などに行くゴルファーが、街中でクラブを持ち歩いている姿も頻繁に見るようになりました。中には、クラブをムキ出しで持っている人も見かけますが、そんな時はどのように運搬するのがベストなのでしょうか。
ゴルフクラブをムキ出しで持ち歩く人をよく見るようになった
ゴルフの原稿を書く仕事をしているので、街中でゴルファーらしき人を見かけると必ず目を向けてしまいます。
タイトリストやキャロウェイのキャップをかぶっている人は、ほぼ100%ゴルファーでしょう。クラブケースを持ち歩いている人もゴルファー確定です。ゴルフスクールの行き帰りか、ゴルフ練習場の行き帰りか、近ごろ増えている24時間無人営業のインドアゴルフスタジオの行き帰りだと思われます。

駅や電車の中でキャディーバッグを持ち歩く人の姿を見かける機会も多くなりました。都市部は駐車場代が高いですから、車を所有せずにレンタカーやカーシェアリングを利用するライフスタイルを選択する人も増えています。
レンタカーやカーシェアリングを利用してゴルフに行く場合、車を借りる人の最寄り駅や車を停めやすい駅に集合し、そこから相乗りでゴルフ場に向かうのでしょう。
あるいはゴルフ場の最寄り駅まで電車で移動し、そこからクラブバスに乗ってゴルフ場に向かうのかもしれません。
宅配便の料金も値上がりしたので、キャディーバッグを往復便で送ると、近県のゴルフ場でも4000円以上の送料がかかるようになりました。
キャディーバッグを宅配便で送ったうえに電車でゴルフ場に向かうと送料と電車の運賃が両方かかってしまいます。荷物が重いのは承知の上でキャディーバッグを持ち運ぶゴルファーが増えているように感じます。
そういった理由でスタンドタイプの軽量キャディーバッグが売れており、キャディーバッグを両手で持ち運べるように手荷物をリュックサックに入れるゴルファーが増えたのも令和のゴルフブームの象徴的な光景です。
ただ、どうしても一つだけ気になっていることがあります。ゴルフクラブをムキ出しで持ち歩いている人をよく見かけるようになったことです。
ドライバーやフェアウェイウッドにヘッドカバーをつけて持ち歩いているならまだいいのですが、スチールシャフトのアイアンやウェッジをムキ出しで持ち歩いている人を見かけると、「ゴルフをやらない人たちからどのように見られているのだろうか?」と心配になります。
ゴルフクラブはゴルフボールを打つ道具ですが、使い方次第で凶器にもなります。実際に暴行事件や殺人事件で凶器として使われたこともあります。
たとえばバッティングセンターや野球の試合に行く人が金属バットをバットケースに入れずにムキ出しで持ち歩いていたら、周りの人は「バットを急に振り回したりしないだろうな」と警戒します。警察官がそのような人を見かけたら職務質問するでしょう。
スチールシャフトのゴルフクラブをムキ出しで持ち歩くのも、金属バットをムキ出しで持ち歩くのと同じようなことではないかと感じてしまうのです。
ゴルファーにとってはボールを打つ道具を持ち歩いているだけかもしれませんが、ゴルフをやらない人たちから「コイツ本当に大丈夫か?」、「危ないヤツじゃないだろうな?」と思われているとしたら、ゴルファーの社会的評価が下がることになります。それはゴルファーにとって得策ではありません。
せめてヘッドを隠した状態で持ち歩いてほしい
どういった事情でゴルフクラブをムキ出しで持ち歩いているのか分からないのですが、「ゴルフを始めようと思ったら知り合いがクラブをくれるというので受け取りに行った」とか、そういった状況のように見受けられます。
クラブをムキ出しでもらったら、あんなに長い道具を収納して持ち歩く入れ物はクラブケース以外になかなかありません。ですから、クラブケースを持っていない人はムキ出しで持ち歩かざるを得ないのでしょう。

その気持ちも分かりますが、せめてヘッド部分を隠すなど凶器に見えないような配慮があるといいのではないでしょうか。
最近見かけて好感を持ったのは、アイアン2〜3本のヘッド部分をリュックサックの中に入れ、グリップ部分のみをリュックサックのファスナーの間から出してゴルフクラブを持ち歩いていた人です。
クラブケースも安い買い物ではありませんから、ゴルフを始めたばかりで、長く続けるかどうかも分からない人に購入を強要することはできません。
でもせめて、ヘッド部分をリュックサックに入れて隠すとか、気泡緩衝材を巻くとか、周りの人に不安を与えないような配慮があるとうれしいです。
保井友秀