パッティング時のプレショットルーティンとして、ボールの前にパターヘッドを一度置く動作を見かけることがありますが、なにかしらの効果はあるのでしょうか。

パッティングの精度が上がることはないがリズムは良くなる

 ゴルフには「プレショットルーティン」と呼ばれる、毎回同じ動作とリズムでショットするための行動があります。実際多くのプロが取り入れており、集中力を高めショットの成功率を上げるメリットがあります。

クラブを地面に置くことはルール上認められているが、押し付けるとライの改善が疑われ違反になる
クラブを地面に置くことはルール上認められているが、押し付けるとライの改善が疑われ違反になる

 またショット時だけでなくパッティング時にも、プレショットルーティンは取り入れられています。代表的な例のひとつに「ボールの前にパターヘッドを一度置いてからパッティングをする」という動作があげられます。

 プロ、アマ問わず取り入れている人が一定数いるルーティンですが、どのような効果があるのでしょうか。レッスンプロの三浦辰施氏は以下のように話します。

「なんともいえないところがありますが、ボールの前にパターヘッドを置く動作を取り入れたからといって、パッティング自体の精度が上がることはないと思います」

「あくまでも個人が取り入れているルーティンなので、まったく無意味なわけでなく、いつもと同じリズムとテンポでパッティングできるメリットはあります。しかし、打ち出す方向性を確認できたり、ミート率が上がったりすることはありません」

「ただこのルーティンを取り入れると、リズムよく打てる人も多くいるので、試しに一度やってみると良いでしょう」

 ゴルフ規則8.1b「認められる行動」では「球の直前、または直後にクラブを軽く地面に置く。『クラブを軽く地面に置く』とは、そのクラブの重さが地面や地面の上にある芝草、土壌、砂、あるいは他の物質によって支えられても良いことを意味する。しかしクラブを地面に押し付ける行為は認められない」と記載があるので、ボールの前にパターヘッドを置く動作自体は、ルール上認められています。

 しかしパターヘッドでグリーンを押し付けるような行為をしてしまうと、ライの改善を疑われる可能性があるので注意が必要です。

ヘッドが後方に突き出しているパターはボールに触れないように注意

 またブレード(ピン)型のパターであれば問題ありませんが、マレット型のようにヘッドの後方部分が突き出している形状は、置いたり戻したりする際にボールに当たってしまう可能性があるので注意しましょう。

 このようにゴルフ規則にしっかりとした記載があるぐらいなので、このルーティンを取り入れているゴルファーがプロ、アマ問わずそれなりにいることがうかがえます。

 パターがうまくなるためには、技術はもちろん、集中力やメンタル面も重要な要素となっています。

 ルーティンの効果は個人差があるので、必ずしもすべてのゴルファーに効果があるとはいえないので、ゴルフ規則に反しない範囲で自分にあったものを見つけていく必要がありそうです。

 とはいえ、すぐに見つけるのは難しいので、ショット時のルーティンはなんとなく決まっているけれど、パッティング時には取り入れていないという人は、試してみると良いでしょう。

ピーコックブルー