ヤマハから10月6日に発売される「RMX VD」シリーズを、発売に先駆けてコース試打を敢行しました。「VD/R」「VD/M」「VD/X」という3機種のアイアンそれぞれに、MADE IN JAPANならではの設計と進化を確認することができました。

RMX「VD/R」アイアンはプロが使いたくなる「和」な顔に

 RMX「VD/R」アイアンは、今までのヘッド形状や重心設計をイチから刷新。にも関わらず、契約プロの多くがすぐにスイッチしたモデルです。

10月6日の発売に先駆けて、ヤマハ「RMX VD」アイアン3機種をコースで試打
10月6日の発売に先駆けて、ヤマハ「RMX VD」アイアン3機種をコースで試打

 その秘密はプロが使いたくなるような、ややセンター寄りの重心とコンパクトながらヒール高さがある「和顔」にあるようです。

 独自の「焼きなまし」による軟鉄鍛造製法で、極めて柔らかい打感とシャープなシルエットによる操作性のバランスが絶妙です。意外にもミドルやロングアイアンでも「打てちゃう」クラブに仕上がっていました。

プロが「使いたくなるアイアン」をゼロから設計したRMX「VD/R」アイアンは、すぐに契約選手がスイッチするほどの完成度
プロが「使いたくなるアイアン」をゼロから設計したRMX「VD/R」アイアンは、すぐに契約選手がスイッチするほどの完成度

 純正シャフトは重量級「DG EXツアーイシュー」ですが、カスタムオーダーで軽量シャフトを装着すれば、「難しそうなのに振り切れる」プロモデルアイアンとして使いこなせると思います。

「美顔」なのに高弾道で飛び系なRMX「VD/M」アイアン

 今回のRMX「VD/M」アイアンの中心は、なんといっても「VD/M」アイアンではないでしょうか。

 非常に精密な偏肉構造フェースと、機械加工で重心設計されたボディーが一体化。「美顔」なヘッドサイズの中に寛容性と高初速性能を両立させた、「本気の設計」といえるすごいアイアンになっています。

シャープで美しいヘッドシルエットの「VD/M」アイアンは、精密な偏肉構造フェースと機械加工されたボディーをコンポジットした高弾道かつ手応えのあるモデル
シャープで美しいヘッドシルエットの「VD/M」アイアンは、精密な偏肉構造フェースと機械加工されたボディーをコンポジットした高弾道かつ手応えのあるモデル

 コースで打ってみるとすっきりとアドレスしやすく、打つとしっかり高弾道になり、マイルドな打感なのに高初速を実感できました。

 マルチマテリアルの「カッコよくてやさしいアイアン」にはライバルが多いですが、間違いなくライバルモデルに引けを取らない「試すべきモデル」に仕上がっていました。

 今回のコース試打の中で一番衝撃を受けたのが「VD/M」アイアンでした。

前作から一番進化!? ラージヘッドなのに抜けがよいRMX「VD/X」アイアン

 アイアンながら高MOI(慣性モーメント)を達成した前作のブラッシュアップモデルが、RMX「VD/X」アイアンです。

 このモデル最大の進化は「大きく感じさせない」すっきりしたデザインとフィーリング向上。人気アイアン「インプレス DRIVE STAR」のように大きくえぐれたキャビティ部をアルミバッチが埋めることで、意外にも打感の向上が体感できました。

ラージヘッドながら大きくブラッシュアップしたヘッドデザインで、深いラフからも抜けがよい高MOIモデルの「VD/X」アイアン
ラージヘッドながら大きくブラッシュアップしたヘッドデザインで、深いラフからも抜けがよい高MOIモデルの「VD/X」アイアン

 打つ前は「大きくて異形」に見えるヘッドも、いざアドレスすると気にならずラフでもしっかりとソールが機能して「意外に抜けがよい」不思議なアイアンでした。

 前作もめちゃくちゃ曲がらないアイアンでしたが、今回の「VD/X」アイアンはすごく直進性が高いのにラフにも強く、さらに高弾道で飛び系モデルだと断言できます。

 最近の人気アイアンはシャープでカッコいいのに、「意外とやさしい」や「意外と飛ぶ」、「しっかりボールが上がる」というモデルがたくさんありますが、「RMX VD」アイアンの3機種はそれぞれ異なる「意外な性能」を体感できました。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール