一部のホールのティーイングエリアの近くに多くの砂が入った箱や容器が設置されていることがあります。この砂は何に使うのでしょうか。

傷んだ芝生の修復を助けるため

 ラウンドしていると何カ所かのティーイングエリアの近くにスコップとともに砂が大量に入れられた箱や容器を目にすることがあります。ビギナーの中には「何のために用意されているのだろう」と感じた人もいるかもしれません。

ディボット跡を放置すると新しい芝が生えにくいため目土は必ずする 写真:AC
ディボット跡を放置すると新しい芝が生えにくいため目土は必ずする 写真:AC

 ティーイングエリアの脇の砂場はどのような時に利用するのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「箱の中に入っている砂は『目土』と呼ばれるものであり、傷んだ芝生の修復を助けるために置かれています」

「アイアンショットをキレイなダウンブローで打ったり、逆に大ダフリしてしまうとボールと一緒に芝も削り取って『ディボット跡』を作ってしまうことがよくあります。そのまま放置しておくと土がむき出しになっているところから水分が蒸発して乾燥が始まり、新しい芝が生えにくくなってしまいます」

「放置したままだと後続プレーヤーに迷惑をかけるだけでなく、仮に芝が再生したとしても、ディボット跡でへこんだ部分が残るので芝生がでこぼこに生えて打ちづらくなります」

「『野芝』や『コーライ芝』に代表されるような和芝は、ベントグラスなどの洋芝とは違って横方向に伸びる性質があるため、なかなか地面に対して垂直に根を定着させることが難しいです」

「目土をすることで新しい芝が生える土台ができるため、コースがきれいで平らな状態を保つことができます」

 セカンドショット地点に行くときには、アイアンと一緒にカートの後方に設置されている目土を入れておくための袋(目土袋)も持って行くようにしましょう。また使わなくなったペットボトルを『マイ目土ボトル』として再利用してみるといいでしょう。

パー3ホールでディボット跡ができやすい

 しかし、コース内で目土を補充できる場所は限られたホールのティーイングエリアの横にしか存在しませんが、一体なぜなのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。

芝を削る可能性が高いパー3のホールで目土がストックできる箱や容器が設置されている 写真:AC
芝を削る可能性が高いパー3のホールで目土がストックできる箱や容器が設置されている 写真:AC

「目土がストックされているポイントは、18ホールの中でも4カ所あるパー3のティーイングエリア脇に多いです」

「通常パー4やパー5のホールでは、ティーショットでドライバーを選択するので、ティーアップしてショットするため、芝を削り取ってディボット跡ができることはあまりありません」

「ところが、アイアンでティーショットを打つパー3では、ショートティーを使ったり、地面から直接打つ場合が多くなります。そのため、ほかのティーイングエリアと比較するとディボット跡もできやすくなります」

「そうすると、特定のホールだけ穴だらけになってしまうので、パー3やアイアンでティーショットを刻むことが多いホールのティーイングエリアの近くに目土の箱や容器が置かれている傾向にあります」

 また、目土がこれでもかと大量に盛られていることによって、多くの人の視線を引き付けて「打った後は必ず目土をするようにしてください」と呼びかける効果も期待できるそうです。

 正しい目土のかけ方は、穴を埋める程度ではなく周りの芝よりも若干高くなるまでこんもりと砂を入れ、足で軽く踏みつけて均します。

 多めにかけ最後につき固めることによって、芝が根を張るのに適した環境を作ると同時に土中の水分も保持することができます。

 パー3のディボット跡はティーイングエリアに集中するので、パー4やパー5とは異なり狭い範囲に集中するのが特徴的ですが、直し方はすべて一緒です。

 後にプレーする人が快適にティーショットを打てるよう、自分が作ったものはもちろん、可能であれば他人が作ったディボット跡も修復してあげるのが最善でしょう。

ピーコックブルー