先週、JFE瀬戸内海GC(岡山県)で行われ、21人が合格した女子ゴルフの最終プロテスト。初めての試みとしてYouTubeでのライブ配信が行われ、視聴者数が最大約3万9500人に上ったことが分かった。

たった7台の定点カメラでも十分に緊張感は伝わってきた

 今年が初めての試みとなったJLPGA最終プロテストのYouTubeライブ配信。視聴者数が最大約3万9500人に上ったことが分かった。

プロテストを2位で合格し、笑顔の馬場咲希 写真:GettyImages
プロテストを2位で合格し、笑顔の馬場咲希 写真:GettyImages

 先週、JFE瀬戸内海GC(岡山県)で行われ、21人が合格した最終プロテストの中継が行われたのは、第3ラウンドと最終ラウンド。7カ所にカメラを置いたのみの“定点撮影”で、実況も解説もなく、カメラアングルの切り替えもない。現場の音声が流れているだけの飾り気のない映像だったが、手に汗握る戦いを見る人の数はぐんぐん増えていった。

 数字を見て「いっぱい見てくださるんだろうな、とは思っていました。2万何千人?と思っていたら最大3万9500人が見てくださっていたそうです。反響のすごさに驚いています」と話すのは、JLPGAの小田美岐副会長。

「プロテストという大事な競技でプレッシャーをかけちゃいけないということから、(生配信は)やりたくてもなかなかできなかった。ただ、(2021年からツアーの)配信を始めたことで、定点カメラならいけるんじゃないかと事業戦略部門が考えて実現しました」と続ける。

 シーズン中はほぼ毎週試合が行われ、下部ステップ・アップ・ツアーの試合数も増える人気の女子ツアー。避けては通れない関門であるプロテストの注目度は年々上がっている。

 一方で現場は厳戒態勢が敷かれており、取材できるのはクラブハウス周りだけ。取材陣もコース内には立ち入ることが許されず、ホールアウトを待つしかなかった。

 以前は現場のスコア速報もハーフターンで確認できるだけ、という状況だったが、今年はホールバイホールの速報が、現場では見られるようになっていた。数は少ないが、選手たちが見られるリーダーボードも置かれていた。ファミリーも含めて観客は一切入れないのは変わらないが、それ以外の部分では環境はより試合に近づいた。「システムの都合でオフィシャルウェブサイトでの速報は間に合わなかった」(前出・小田副会長)のは残念だったが、一歩前進ということになる。

 2022年全米女子アマ優勝者で、米女子ツアーQスクールにも並行して挑んでいる馬場咲希をはじめ、101人が臨んだ今年の最終テスト。1番、7番、8番、9番、16番、17番、18番に置かれたカメラには全員の緊張感漂う戦いぶりが映し出された。

 プロテストとはまた違う意味で張り詰めた空気を感じさせる来季の出場順位決定戦、クォリファイングトーナメント(QT)のライブ配信もこの方式で始めてはどうだろうか。11月終盤に1次、ファイナルが続けて行われる今年のQTについて、その考えはあるか、質問をぶつけてみた。

「今回(プロテスト)はテストケース。今年(のQT)はできませんが、今後については予算と検討中です。QTもホントは配信入れたいです」(小田副会長)

 昨年の米ツアーQシリーズ(日本のQTファイナルにあたる)のプレーは、日本でも見ることができた。フル出場権にわずかに及ばなかった西村優菜が号泣しながらインタビューに答えていた姿が生で見られたのも、カメラが入っていたからこそ。JLPGAの配信でも、近い将来その可能性は十分にあるようだ。

取材・文/小川淳子ゴルフジャーナリスト。1988年東京スポーツ入社。10年間ゴルフ担当記者として日米欧のトーナメントを取材する。1999年4月よりフリーランスとしてゴルフ雑誌やネットメディアなどに幅広く寄稿。

小川淳子(ゴルフジャーナリスト)