ゴルファー同士でも伝えづらいのが「ラウンドマナー」。お互いに自分のお金と時間を使ってゴルフ場に来ている以上、仲間といえど他人から注意する行為は難しいものです。相手を不快にさせず、適度に最低限の「ラウンドマナー」を伝えることはできないのでしょうか。

女性ゴルファーは「機嫌が悪い」と思われない努力をしている

 多くの女性ゴルファーが気を遣っているのが、同伴競技者に「機嫌が悪い」といわれないための努力。女性ゴルファーの場合、調子が悪くてもミスショットが出ても顔や態度に出すと「印象が悪い」と思われがちだそうです。

 ほかにも、レディースティーから今日一番のナイスショットが出ると、「前だからいいよね」といった嫌味や進行に関係なく男性ゴルファーの都合で「先に打って」と突然いわれるなど、色々と気を遣う場面が多いそうです。

女性ゴルファーの多くは「機嫌が悪い」と思われないために気を遣っている
女性ゴルファーの多くは「機嫌が悪い」と思われないために気を遣っている

 一方、同伴競技者の機嫌が悪くなっても、ニコニコと場を和ませなければいけない「接客」的な振る舞いを求められ、疲れてしまうこともあるそうです。

 日本のゴルフ場の多くはレギュラーティーよりもレディースティーの方が平均飛距離に対してシビアな設定になっています。スコアを提出しないプライベートラウンドなら、不必要なアドバイスやお節介をせず「邪魔せず見守る」ゴルファーであるべきです。

 全体のプレー進行はもちろん重要ですが、形式的なマナーにとらわれ過ぎて「同伴競技者に嫌われる」ゴルファーにはなりたくないものです。

ルールやマナーに「うるさい人」になる前に自分の行動で示す

 いくら仲間同士でも、急にルールやマナーに「うるさい人」になるのは誰にもメリットがありません。

 いきなり同伴競技者にディボット跡やグリーンのピッチマーク修復を促すことも、人間関係や空気がよくならない可能性があります。誰かに注意する前に、まず「自ら示す」行動を取らないと全体の雰囲気が変わらないと思います。

ゴルフ場の進行やメンテナンスを行ううえで最低限の「マナー以前の所作」を自ら示すしかない
ゴルフ場の進行やメンテナンスを行ううえで最低限の「マナー以前の所作」を自ら示すしかない

 渋滞しているホールでは、待っている間にティーイングエリアでアプローチ練習をしたり、素振りで芝を削ったりする光景を見ることがあります。

 待ち時間に練習したいという気持ちは誰にでもあります。しかし、こんな行動を繰り返した結果、「人工芝のティーイングエリア」をゴルフ場は導入せざるを得なくなります。

 ゴルフ場の評価を左右するグリーン上のピッチマークも同様で、結局は自分に返ってくるのです。マナー以前のところから「みんなもやってるから」を卒業できるかが大切だと思います。

 スコアがよいゴルファーに限って「マナーが悪い」といった声も聞くことがありますが、腕前に関係なく周りに流されることなく「自分のために守るマナー」から取り組むようにしてください。

マナー上手は「空気を読む」能力が高い

 アマチュアのプライベートラウンドでは、個人の価値観やマナーを統一するのは非常に難しいことです。

 そもそもラウンドを楽しむ中身も「バックティーでスコアメイクする」という人もいれば、「おいしいランチを食べる」という人まで大きく異なるのが現実。

 自分のゴルフに対する価値観を周りの人にすべて承認してもらうことは難しい話です。自分のお金と時間を使ってラウンドしている以上、誰かのバイアスに合わせてストレスを感じる必要はありません。

ゴルファーごとにラウンドする楽しみは異なるもの。おいしいランチが楽しみでプレーするゴルファーも大勢いる
ゴルファーごとにラウンドする楽しみは異なるもの。おいしいランチが楽しみでプレーするゴルファーも大勢いる

 つまり「不快な同伴競技者」なら、気を遣ってマナーなどを注意しながらラウンドするよりも、二度と回らないようにするというほうが効果的かも知れません。

 ゴルファーの中には態度の悪さに人が離れてしまった人やゴルフ場から出入りを断られた人もいますが、一緒にラウンドしなければ気を揉む必要もなくなります。

 一方で、スコアが悪くても「楽しいゴルファー」や「誘われるゴルファー」はたくさんいます。自らの「スマートなマナー」で周りの雰囲気をよくしてしまうゴルファーもいます。

 彼らに共通するのは、何かを周りのゴルファーに押し付けず自分でできることをする「周りの空気を読むのがうまい」ゴルファーたち。誰でもスコアやプレー以外で「グッドゴルファー」になることは可能です。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール