クラブを購入する際はSやRといった表記を見てシャフトの硬さを選んでいる人が多いと思いますが、表記を過信してしまうと、飛距離が落ちてスコアに悪影響を及ぼす可能性があるといいます。

規格がないため、同じS表記でも実際の硬さはバラバラ

 シャフトの硬さは「フレックス」とも呼ばれていて、一般的な表記は硬い順にX、S、SR、R、A、Lです。シャフトメーカーによっては、Xの上のTXやXとSの間のSX、RとAの間のR2といった硬さを設定している場合もあります。

自分に合ったシャフトでプレーして飛距離を伸ばしましょう 写真:AC
自分に合ったシャフトでプレーして飛距離を伸ばしましょう 写真:AC

 一般的にヘッドスピードと硬さの関係は概ね、Xは50m/s以上、Sは43〜50m/s、SRは38〜43m/s、Rは33〜38m/s、Aは29〜33m/s、Lが29m/s以下とされていて、一般男性はS、SR、Rを、一般女性はA、Lを選ぶことが多くなっています。

 現役のシニアツアープロでゴルフスクールも経営している梶川武志プロは、最適なフレックスの選び方について次のように話します。

「まず注意しなければならないのは、シャフトの硬さ表記には規格がないことです。ですから、クラブメーカーの純正シャフトは同じSでもクラブのモデルによって硬さがまったく異なることも多いのです。モデルによっては、とてもSとは思えないほど柔らかいものも珍しくありません。これはSのほうがカッコいいという消費者心理を突いたものと思われます」

「基本的にシャフトに硬さの違いがあるのは、ヘッドスピードによってバックスピン量が変わってくるからです。ドライバーの場合、2500回転程度の適切な回転数で最も飛距離が出ます。ヘッドスピードのあるゴルファーが柔らかいシャフトを使うと、回転数が増えすぎて飛距離が落ちます。ヘッドスピードの遅い人が硬いシャフトを使うと、回転数が少なくなって揚力が生まれずボールがドロップしてしまって飛距離が稼げません。自分のヘッドスピードに合ったシャフトの硬さを選ぶことがが大切です」

「私のプロ仲間で、ボール初速が70m/s以上あるのにアンダースペックのSシャフトを使っていることで、回転数が4000回転を超えてしまっている人がいました。もちろん飛距離は大きくロスしていました。正しいシャフトを選択して、適切なボールの回転数にすることが大事です」

「さらに、クラブのロフトも気にしなければなりません。ロフトが9度や9.5度を使うとカッコよく感じるかもしれませんが、こちらも回転数と打ちたい弾道で決めるべきです」

ショップで試打する際はボールの回転数を意識する

 クラブを購入するとき、販売店の人に勧められるままに購入してしまう人も多いと思います。梶川プロは購入する際に注意すべき点も紹介してくれました。

「必ずボールの回転数が分かる設備があるところで試打をして、適切な回転数になるようなシャフトとロフトを選んでください。ネットで購入する人も増えていますが試打はとても大切です」

「また、試打する場合は絶対に思いっきり振ってはいけません。どうしてもヘッドスピードが気になるので、ラウンドでスイングするよりも速く振ろうとしてしまいますが、オーバースペックのシャフトを選んでしまう可能性があります」

「もう一つ、いつも自分が使っているタイプのボールで試打をしてほしいです。ディスタンス系のボールかスピン系のボールかで回転数は大きく違います。試打コーナーにあるボールをそのまま打つのではなく、自分が使っているボールを持っていくのもいいかもしれません」

「最後にシャフトの重さも大切だと思います。私の感覚ですが、70グラムより60グラムのシャフトのほうが硬く感じます。しなりの感覚が影響しているからかもしれません。試打のときに重さも変えて試してみると、より自分のフィーリングにあったシャフト選びができるはずです」

 シャフト選びはとても重要です。年齢を重ねてくるとどうしてもヘッドスピードが落ちてくるのに、シャフトやロフトのスペックは昔のまま、というゴルファーは多くいます。

 自分にあったクラブのスペックはヘッドスピードだけでなく、ボールの初速を確認してドライバーの場合は2500回程度のスピン量になるように、そして自分にとって気持ち良い感覚で振れるかどうかで決めることが大切です。見栄ではなく科学的な根拠を持って選びましょう。

ピーコックブルー