「地クラブ」と呼ばれる小ロット生産のカスタムパーツブランドは、エッジの効いた設計やコンセプトのモデルが数多くあります。全番手が簡単にスリーブ脱着できて、フルカスタムが可能なMIRAI「KEYEK」アイアンが発売されジワジワ人気になっています。「極軟」ともいえる打感を生み出す理由は、こだわり過ぎともいえる素材や加工、メッキによるもの。MIRAI GOLFの設計者に話を聞きました。

こだわり過ぎて機能全部乗せ! 軟鉄フルミルド&手研磨仕上げ

 老舗カスタムパーツブランド「MIRAI GOLF」の設計者・菅野崇(かんの・たかし)氏は、リトルグリーンヴァレー船橋練習場内のゴルフショップで腕を振るうクラフトマンでもあります。

軟鉄鍛造されたS20C素材のヘッドをCNCフルミーリング、さらに手研磨を加え4層メッキを施したMIRAI「KEYEK」アイアン
軟鉄鍛造されたS20C素材のヘッドをCNCフルミーリング、さらに手研磨を加え4層メッキを施したMIRAI「KEYEK」アイアン

 世界のトッププロからアベレージゴルファーまで数多くのゴルファーと接してきた豊富な経験を活かし誕生したMIRAI「KEYEK(キーク)」アイアンは、スリーブ脱着とヘッドのウエート調整機能が全番手で可能な初の一般販売モデル。

 軟鉄素材の中でも特に打感が柔らかいS20C鍛造ヘッドをCNCフルミーリング、さらに手研磨でシルエットを整えています。

 銅メッキを含む「4層メッキ」を施し、徹底的に吸いつく打感に仕上げています。

飛び系なのにしっかり「スピン」が入る

 試打してみると、非常に軽快な振り心地と通常アイアンでは味わえないほどの「極軟」な打感。そして、ストロングロフトと思えないほどスピンが入った弾道になりました。

 深くない重心深度ですが高い直進性も感じることができました。MIRAI GOLFの菅野崇氏によると、ヘッドサイズに対し重心距離を長くするため、トゥ側に比重の重い金属を配置して理想の弾道を実現しているそうです。

スッキリしたシルエットながら極軟打感とスピン性能を体感できるのは、重心距離を調整したヘッド設計と4層メッキによるもの
スッキリしたシルエットながら極軟打感とスピン性能を体感できるのは、重心距離を調整したヘッド設計と4層メッキによるもの

 確かに最近人気のアイアンにも採用されている技術ですが「データの数字以上に効果が大きい」とのことで、「KEYEK(キーク)」アイアンにも初採用したそうです。

 加えて、「ニッケル→銅→ニッケル→クローム」とメッキを4層も重ねてかけている理由は、長く使い続けるうえでの耐久性と最も金属素材の打感を引き出してくれるメッキ方法だったからだそうです。

 小ロット生産の「地クラブ」だからこそ、ユーザーが満足できる「こだわり過ぎ」なアイアンになっていました。

購入後も親切な「アフターサービス」

 通常アイアンの接着タイプに加え、試打用に使うスリーブ脱着タイプまで一般発売したのは「地クラブ」ならではです。

 高額になってしまうアイアンを作ったのかを菅野氏に聞くと、「MIRAI GOLF」独自の答えが返ってきました。

スリーブ交換モデル(写真)だけでなく、シャフト接着タイプの通常モデルもラインアップ。大手メーカーに比べ高額だが、購入後の「アフターサービス」も菅野氏が自ら行ってくれる
スリーブ交換モデル(写真)だけでなく、シャフト接着タイプの通常モデルもラインアップ。大手メーカーに比べ高額だが、購入後の「アフターサービス」も菅野氏が自ら行ってくれる

「カスタムパーツである以上、大手メーカーではできないユーザビリティーを追求したいと考えています。『ドライバーはスリーブ交換出来るのにアイアンは試打用だけなの?』と思ったので一般販売できるモデルを作りました」

「また、アイアンシャフトを試打する際、ヘッドのクセが強くて良し悪しが体感しにくいと感じていたのも理由の一つでした。販売価格は高額になってしまいましたが、小ロット生産だから提供できる個性的で使い心地がよいアイアンです。ギア好きのゴルファーに気に入ってもらえるものだと思います」(菅野氏)

 大手メーカーアイアンに比べ6番〜PWの各番手のライ角もフラットに設定。「極軟」な軟鉄鍛造ヘッドのためロフトやライ角の調整も可能。

 リトルグリーンヴァレー船橋にあるショップでは、購入前の試打はもちろん購入後も設計者の菅野氏が自ら納得いくまで調整してくれます。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール