国内女子ツアーの年間女王争いも残り2試合となった。今週開催の大王製紙エリエールレディスではメルセデス・ランキング1位の山下美夢有(やました・みゆう)、2位の申ジエ(しん・じえ)、3位の岩井明愛(いわい・あきえ)による戦いに注目が集まる。

山下は平均ストローク60台をキープ中

◆国内女子プロゴルフ<大王製紙エリエールレディスオープン 11月16〜19日 エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県) 6575ヤード・パー71>

 先週の伊藤園レディスが終了し、年間女王争いはメルセデス・ランキング1位の山下美夢有(2660.94ポイント)、2位の申ジエ(2651.62ポイント)、3位の岩井明愛(2513.68ポイント)に絞られた。

年間女王を争う山下美夢有(中)、申ジエ(左)、岩井明愛(右)
年間女王を争う山下美夢有(中)、申ジエ(左)、岩井明愛(右)

 誰が年間女王になるのかは、今週開催の大王製紙エリエールレディスの結果次第ではあるが、最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップまで持ち込まれる可能性も高い。それぞれが思いを抱えているが、その思いが特に強いのは山下と申だ。ポイント差は約9となっている。

 昨季年間女王の山下に懸かるのは2年連続のタイトル。「とにかく自分のプレーをやるだけです」とそこまで気負いはない。ただ、TOTOジャパンクラシックは27位タイ、伊藤園レディスは33位タイと納得いっていない様子で、「リズムの流れが自分らしい感じではないので、そこを直せたらプレーがついてくると思います」と話す。

 決して調子が悪いわけではない。平均ストロークもここまで69.4440と60台をキープ。昨年も60台を達成しているが、初の2年連続60台達成の可能性も残している。

「2年連続のメルセデス・ランキング1位のタイトルは獲得できればいいですけれど、とにかく楽しんで自分のプレーができたらいいと思います。平均ストロークはあまり考えていないです(笑)」と朗らかに語った。

申ジエ「年間女王を狙えるのはうれしいこと」

 申ジエにとっては今季が頂点に立つ大きなチャンスだ。韓国と米国では賞金女王のタイトルを獲得したが、まだ日本で一番になったことがない。だからこそ年間女王を意識はしているものの、「結果も大事だけれど、過程が大事です」と、いつものように準備の大切さを強調する。

 ただ、ここまで来たら欲がないと言えば嘘になる。TOTOジャパンクラシックの週にあったこんなエピソードを教えてくれた。

「いつも7時間寝ているのが、スマホのバッテリーが切れてアラームが鳴らなくて2時間もオーバーしたんです。こんなことは初めてでしたが、それだけよく寝られたんです(笑)。そこで自分にはまだ心に余裕があるんだなと思いました。今はすごくいい位置にいる。多くのファンも待っているし、目標があるのはうれしいし、狙えるのはうれしいこと」と、ほんの少しだけ欲をのぞかせた。

 この2人の背中を追う岩井は「年間女王はそこまで意識していないけれど、しっかりとポイントは取っていきたい。残り2試合で狙うのはやっぱり優勝です」と気合い十分。それぞれ個性もスタイルも違う3人の戦いの行方を注目したい。

山下 美夢有(やました・みゆう)

2001年生まれ、大阪府出身。2019年のプロテストに合格。21年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」でツアー初勝利。22年シーズンは「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」の初日にツアー新記録の60をマーク。「伊藤園レディス」でシーズン4勝目を飾るとともに史上最年少21歳103日での年間女王を達成。最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」も制した。加賀電子所属。

申 ジエ(しん・じえ)

1988年4月28日生まれ。韓国出身の女子プロゴルファー。11歳からゴルフを始め、2007年に韓国ツアー19戦10勝。翌年「ヨコハマタイヤPRGRレディスカップ」で日本ツアー初優勝を飾り、同年の「全英リコー女子」を含む米ツアー4勝。09年に米ツアーの賞金女王となり、10年には世界ランキング1位に。14年から主戦場を日本に移し、18年はツアー史上初となる公式戦(メジャー)年間3勝を達成し7年シードを獲得。スリーボンド所属。

岩井 明愛(いわい・あきえ)

2002年生まれ、埼玉県出身。21年のプロテストに合格。今季は「KKT杯バンテリンレディス」でレギュラーツアー初優勝を挙げた。妹・千怜との双子優勝は国内女子ツアー初の快挙。「RKB×三井松島レディス」では、山下美夢有と千怜の3人によるプレーオフに。ツアー史上初の双子でのプレーオフを実現した。「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」と「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で2週連続完全優勝を達成している。Honda所属。

キム・ミョンウ