優勝こそなかったものの、安定した成績を残し続けポイントランキングも12位という上位でシーズンを終えた畑岡奈紗。彼女が今季、米女子ツアーで打ち立てた数々の記録を振り返った。

生涯獲得賞金が855万4845ドルとなり日本選手トップに

 米女子ツアーの今季最終戦「CMEグループツアーチャンピオンシップ」。最終日を首位タイで迎えた畑岡奈紗は69をマークしたが、エイミー・ヤン(韓国)の猛チャージに屈して2位タイに終わった。

 今季は未勝利で納得いく成績ではなかったと思うが、その一方でいくつかの日本選手歴代最高記録を樹立。改めて日本のエースの実力を示した。

最終戦を2位タイで終え、日本選手生涯獲得賞金1位に躍り出た畑岡奈紗 写真:Getty Images
最終戦を2位タイで終え、日本選手生涯獲得賞金1位に躍り出た畑岡奈紗 写真:Getty Images

 最終戦は優勝賞金が200万ドルという超高額大会だ。アリソン・リー(米国)と並んで2位タイの畑岡も賞金額が高めの大会の優勝賞金に匹敵する44万5000ドルを獲得。今季賞金は198万8216ドルとなり、日本勢では最上位の賞金ランキング8位で7年目のシーズンを終えた。

 今季の畑岡の獲得賞金は2021年に自身がマークした190万1081ドルを塗り替える日本選手歴代最高額。日本選手初の年間200万ドルプレーヤーまであと一歩だった。

 また、生涯獲得賞金が855万4845ドルとなり、長く日本選手トップだった宮里藍(830万2365ドル)を抜いた。賞金額が年々高くなっているアドバンテージはあるものの、宮里が米国で12年間プレーして積み上げたものを7年目で上回ったのだから高く評価できるのではないだろうか。

 畑岡の生涯獲得賞金ランキングは現在35位。来季は日本女子初の生涯獲得賞金1000万ドルに挑むことになる。ちなみに米女子ツアーで1000万ドルを超えている選手は24人いる。トップは通算72勝を挙げているアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)の2258万3693ドルだ。

 賞金に関することをもうひとつ。畑岡は今季の賞金ランキング8位で通算4回目の同部門トップ10入りとなった。通算4回は宮里に並ぶ日本選手歴代2位タイの数字である。歴代1位は7回のトップ10を記録している岡本綾子だ。

バーディー数はツアートップの369個を記録

 次に紹介したいのはバーディー数である。畑岡は今季369個のバーディーを奪った。これは部門1位の数。記録が残る1993年以降ではあるが、日本選手で初めてバーディー数1位に輝いたのである。

 これまでの最上位は畑岡自身が昨年記録した2位だった。つまり、ここ2年間の畑岡のバーディーを奪う力は米女子ツアーの中でも極めて優れているといえる。

畑岡が破るまでは今季の「TOTOジャパンクラシック」で稲見萌寧が打ち立てた22アンダーが最小ストロークタイだった 写真:Getty Images
畑岡が破るまでは今季の「TOTOジャパンクラシック」で稲見萌寧が打ち立てた22アンダーが最小ストロークタイだった 写真:Getty Images

 昨年は笹生優花が17個のイーグルを奪って日本選手で初めてイーグル数1位(キム・アリムとタイ)に輝いており、それに続く快挙となった。

 畑岡はもうひとつ日本選手歴代1位の記録を叩き出している。それは最終戦でマークしたスコアだ。

 最終戦は優勝スコアが今季最高の27アンダーまで伸びたように激しいバーディー合戦の展開だった。畑岡のスコアは24アンダー、264ストローク。アンダー数、ストローク数とも72ホールの日本選手歴代1位だった。

 従来の記録は2021年「CMEグループツアーチャンピオンシップ」の畑岡(2位)と今年の「TOTOジャパンクラシック」で稲見萌寧(優勝)が記録していた22アンダー、266ストローク。

 今回、畑岡はそれぞれ2打更新したわけだ。これだけのスコアを出して優勝できなかったことは、もう相手がよすぎたと割り切るしかない。

 今季は優勝できなかったとはいえ、総合的なデータ面では昨季よりも良化が見て取れる。各部門の順位を比べるとCMEポイントランキングが13位から12位、平均ストロークは14位から9位、賞金ランキングは13位から8位へと上昇。少しかもしれないが、間違いなく前進している。

 米国に渡って8年目を迎える来季への期待は高まる。日本ゴルフ界のレジェンド・樋口久子が「全米女子プロ」で日本選手初のメジャー制覇を成し遂げたのは米女子ツアー参戦8年目のことだった。

宮井善一