ゴルフ場の中でもことさら難しいとされるグリーンの管理。異常なまでの酷暑に見舞われた今年は、その管理も例年以上に難しかったといいます。

下り1メートルを外して5メートルオーバー

 先日ラウンドしたゴルフ場はグリーン上で下りのパットがなかなか止まらず苦労しました。あるホールでは下り1メートルのパットがカップを外れて5メートルもオーバーしました。ノーカンパットではなく、下りを警戒して触るだけのパットだったにもかかわらずです。

 このゴルフ場はトーナメント開催コースでもなく、戦略性の高さをウリにしたコースでもありません。良心的な価格でプレーが楽しめる大衆コースです。

通常営業では8〜9フィートのスティンプメーター。しかし、酷暑の影響から予期せぬスピードが出てしまうグリーンもあるという
通常営業では8〜9フィートのスティンプメーター。しかし、酷暑の影響から予期せぬスピードが出てしまうグリーンもあるという

 それにもかかわらずグリーンがこれほど速いのは、今夏の猛暑の影響があるのだと思います。7月下旬に同じゴルフ場をプレーしたのですが、そのときよりもグリーンの表面に芝生が生えていないエリアが増えていました。おそらく芝生が夏バテして枯れてしまったのでしょう。

 そのエリアには砂を撒いて何とか見た目は整えていたのですが、芝生が生えている部分も葉っぱの密度が薄いため、ボールが止まるための摩擦が生じていないような印象を受けました。

 グリーンキーパーもこんなに速いグリーンにするつもりはないはずです。でも、葉っぱの密度が薄いため想定以上に速くなってしまったのだと思われます。

 ゴルフ場のセッティングミスで下りのパットが止まらないことはたまにあります。カップを切るべきではない傾斜のきついエリアにカップを切ると、下りのパットがなかなか止まらず、止まったところから上りのパットを打っても、カップインしない限りまた元の位置まで戻ってきてしまうことがあります。

 このようなセッティングはゴルファーの力量でどうにかできるものではありませんので、プライベートなラウンドであれば同伴者と話し合って「次のパットが入らなかったら1打加えて次のホールに進もう」と臨時ルールを設定したほうがいいです。

グリーンが速くなるほどカップを切れるエリアが少なくなる

 グリーン上のカップ位置は基本的に毎日変わります。その理由は芝生への負担を分散するためです。

 芝生はそもそも人間に踏まれるために生育しているわけではありません。本来は葉っぱを思う存分伸ばし、太陽の光を浴びて光合成を行ないたいのです。

 それを人間の都合で短く刈り込まれ、1日100人以上のゴルファーに踏みつけられます。人間に踏まれるのは芝生にとってストレスになります。ですから前日たくさん踏まれたエリアは翌日休ませるようにカップを切ります。

天候や来場者数、ローテーションなど様々な要素を考慮して決められているピン位置 写真:AC
天候や来場者数、ローテーションなど様々な要素を考慮して決められているピン位置 写真:AC

 土日は来場者が多いので、プレーヤーがグリーン上を歩く距離が短くなるように花道近くのエリアにカップを切ります。そうすると来場者が少ない平日は花道近くの芝生を休ませるため、グリーンの左右や奥側にカップを切ります。

 また、雨予報の日は水はけを考慮してグリーンの高低差が最も高いエリアにカップを切ります。

 一方で、グリーン上であればどこにでもカップを切っていいわけではありません。傾斜のきついエリアは前述のようにボールが止まらなくなりますから、傾斜がなだらかなエリアにカップを切ります。

 ただ、通常のグリーンの速さであればボールが止まるはずなのに、グリーンのスピードが上がるとボールが止まらなくなるエリアもあります。

 ゴルフ場も当然、そのことは承知しているのですが、ときどき何かの間違いでボールが止まらないエリアにカップが切られることがあります。

 ゴルフ場関係者に話を聞くと、上級者がたくさん参加するコンペが入っていたので難しいセッティングにしようと思ったら、ボールが止まらなくてクレームになったなど、何らかの理由があってセッティングのエラーが発生するそうです。

 このようにグリーンのセッティングが理不尽なこともありますが、ゴルフは自然相手のスポーツですから「たまにはこんなこともあるだろう」と軽く受け流すくらいの感覚で取り組んだほうがリラックスして楽しめます。

保井友秀