女子ツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」初日、櫻井心那(さくらい・ここな)は6バーディー、2ボギーの4アンダーでプレー。森田遥に1打差2位タイと好発進した。宮里藍が達成して以来2人目の10代5勝が懸かる今大会だが、当の本人はそうした記録や公式戦初勝利は二の次。目の前の1勝しか眼中にないようだ。

勝てば宮里藍以来2人目の“10代5勝”

◆国内女子プロゴルフ<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 11月23〜26日 宮崎カントリークラブ(宮崎県) 6497ヤード・パー72>

 史上2人目の10代5勝よりも、公式戦初優勝よりも、櫻井心那の心にあるのは「このまま優勝しないでシーズンを終わりたくない」という貪欲な気持ちだった。

6バーディー、2ボギーの4アンダーでプレーし、シーズン5勝目に向けて好発進を決めた櫻井心那 写真:GettyImages
6バーディー、2ボギーの4アンダーでプレーし、シーズン5勝目に向けて好発進を決めた櫻井心那 写真:GettyImages

 女子ツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」初日、櫻井は6バーディー、2ボギーの4アンダーでプレー。森田遥に1打差2位タイと好発進した。

 昨年、下部のステップ・アップ・ツアーで史上最多の5勝を挙げてレギュラーツアーに“昇格”。すでに4勝と、ステージが上がっても躍進を止めることはなかった。2004年に宮里藍が達成して以来2人目の10代5勝が懸かる今大会は、シーズン最後の公式戦でもある。櫻井が冒頭の一言を口にしたのは、それについて聞かれた時だった。「富士通(レディース)以来優勝していないので」というのがその理由だ。

 確かに破竹の勢いのシーズンだった。7月2日に最終日を迎えた資生堂レディスで初優勝すると、3試合後の楽天スーパーレディースで2勝目。3勝目は5試合後(うち1試合は出場していない)のゴルフ5レディスだ。そして6週後の富士通レディースで4勝目。以来、優勝はなく、これが6試合目となる。先週の大王製紙エリエールレディスでは最終日を3位タイで迎え、そのままの順位で終わったことも、不完全燃焼の感を強くしているようだ。それにしても、ルーキーで年間4勝してこの発言、勢いがあるからこそだろう。  この日は、1番で残り100ヤードを1メートルにつけるバーディーでスタートすると。2番では3メートルを沈めて波に乗った。5番、6番連続バーディー。パー5の9番では奥10メートルに2オン、2パットのバーディー。5アンダーで折り返した。

 10番で10メートルの3パットボギーを叩いて勢いは止まったが、1メートル弱のパーパットをこう振り返った。「切れないライン。おかしかった。(入らなかったのは)私のせいじゃない」と、気持ちの切り替えも早い。13番パー5でも4メートルを2パットバーディーで5アンダーまでスコアを伸ばしたが、最終18番の3パットボギーで4アンダーフィニッシュだ。

 長崎出身で、ジュニア時代にはギャラリーとして今大会を観戦したこともある。その時は小祝さくらについて回った。ジュニアの試合ではこのコースをプレーしたこともある。だが、限られた選手しか出場できないツアー最終戦となれば、気持ちは高揚する。「40人しか出れない特別な大会ですし、最後だなって思ったらすがすがしくもある。宮崎もジュニアが多いので、観戦している子も結構いて、自分も2〜3年前はそうだったな、と」感慨深げに口にした。これも一気に花開いた選手なればこそ、だ。

 残り3日間の作戦は「毎日3アンダー、4アンダーを目標に。パー3は難しいのでしっかりパーセーブして、パー5でしっかり取っていきたい」というもの。本人の言うように優勝でシーズンを満足のいく形で締めることができれば、10代5勝も、公式戦タイトルも、勝手に転がり込んでくる。

櫻井 心那(さくらい・ここな)

2004年2月13日生まれ、長崎県出身。2021年11月、プロテストに合格。尾関彩美悠、佐藤心結らと同期のJLPGA94期生。22年はステップ・アップ・ツアーを主戦場とし、下部ツアー年間最多記録となる5勝を挙げた。23年は資生堂レディスでJLPGAツアー初優勝すると、10代で通算4勝を挙げる史上3人目の快挙を達成した。ニトリ所属。

小川淳子(ゴルフジャーナリスト)